FDAは、12歳以上の患者を対象にした鎌状赤血球症(SCD)の治療のための初の細胞ベースの遺伝子治療となる、2 つのマイルストン治療法、Vertex Pharms.のCASGEVYと Bluebird Bio のLYFGENIA をそれぞれ承認した。
これらの治療法のうちの1つCASGEVYは、ベクターの代わりに、一種の新ゲノム編集技術を利用した初の FDA承認の治療法であり、遺伝子治療の分野における革新的な進歩を示している。
2023/12/08
FDA、鎌状赤血球症患者の治療に初の遺伝子治療CASGEVYとLYFGENIAの2品目承認
2022/10/23
Syncona、遺伝性網膜疾患遺伝子治療法開発企業Applied Genetic Technol. Corp.(AGTC)買収
AGTC が開発中のリードプロジェクト:
・X 連鎖性網膜色素変性症(XLRP)[AGTC-501 が現在第2/3 相試験段階にある]
・色弱症(ACHM);CNGB3 またはCNGA3 遺伝子のいずれかの突然変異による遺伝性疾患[現在CNGB3 を標的に第1/2 相試験段階にある]
2022/08/11
脊髄性筋萎縮症(SMA)に対する遺伝子治療の副作用
08/11 Novartis, Gene therapy, Spinal muscular atrophy (SMA)
Zolgensma acute liver failure update - not a new safety signal
ゾルゲンスマによる急性肝不全の副作用は既知の事象であり、 新しい安全性シグナルではない。
2022/05/20
CHMP、aromatic amino acid decarboxylase(AADC)欠損症遺伝子治療UPSTAZA を承認勧告
UPSTAZAは、ヒトdopa decarboxylase (DDC)遺伝子を含む組換えadeno 随伴virus 血清型2(AAV2)をベースにした遺伝子治療である。これは、機能しているDDC 遺伝子を脳の被殻部位に直接注入し、AADC 酵素を増加させ、ドパミン産生を回復させることにより、根本的な遺伝的欠陥を修正するように設計されている。UPSTAZA の有効性と安全性プロファイルは、臨床試験とコンパッショネートユースプログラムで実証されていて、最初の患者は10 年以上前に投与されている。
AADC 欠損症は致命的で稀な遺伝性疾患であり、通常、重度の障害と生後数カ月から苦痛を引き起こし、身体的、精神的、行動的な生活のあらゆる側面に影響を及ぼす疾患である。AADC 欠乏症の小児たちの苦しみは、毎日、数時間にわたり、発作のような苦痛を伴う眼科における危機的なエピソード、頻繁な嘔吐、行動障害、睡眠障害、呼吸器感染症や胃腸障害などの生命を脅かす合併症を惹起して、増悪する可能性がある。AADC 欠損症に対して承認された疾患修飾治療は存在せず、症状の管理にさまざまな薬剤を使用することでも、発症した小児たちは深刻な影響を受けている。
2021/09/02
FDA、細胞・組織・遺伝子治療諮問委員会にAAV による遺伝子治療の安全性の審議を要請
9 月2 日~3 日、FDA の組織・先端医療部(OTAT)は、細胞・組織・遺伝子治療諮問委員会(CTGTAC)に対して、AAV(adeno 随伴virus)をvector に使用している遺伝子治療の安全性について、報告されている重篤な有害事象としての肝毒性、血栓性微小血管症(TMA)、神経毒性の後根神経節、脳のMRI 所見などについて、AAV の関与の可能性、事前の予測や防止法など多角的な見解を求める機会を設定した。この2 日間にわたる同諮問委員会の開催は7 月26 日発行のFederal Register に予告されていた。
1. AAV 遺伝子治療安全性対策:
2017 年承認の網膜ジストロフィー治療薬voretigene neparvovec-rzy(LUXTURNA) と2019 年承認の脊髄性筋萎縮症治療薬onasemnogene abeparvovec-xioi (ZOLGENSMA)は何れもNovartis の製品である。審議結果の詳細は不明であるが、最終的には、現時点においては、前臨床データから、ヒトへの重篤な有害事象を予測、あるいは予防策を検討するには、マウスなど動物モデルに問題があり、現在までに集積されたデータでは推奨すべき動物モデルの選択は困難で限界があるとの見解を集約したとRAPS のDaily Newsletter、あるいはFierce Pharm が報じている。
2. FDA が関心を持つAAV 遺伝子治療のプロファイル:
FDA が諮問委員会に提示した質問あるいは議論の要望と質問事項の概要を以下に略記する。
1) 第1 日(9 月2 日)
Session 1:vector 導入と発癌性のリスク
(1) AAV vector を介した発癌性のリスクの特徴づけと前臨床試験のモデルとデザインに対する推奨事項、および今後の治療患者の生涯、死後の評価を含むフォローアップの期間等。(2) AAV を介したvector genome の持続性、vector の導入と発癌リスクへの影響、治療患者の年齢、既存の肝臓の状態(B 型あるいはC 型肝炎virus 感染状態など)、高用量vector 等、AAV を介した発癌に関するベネフィットリスクの評価で考慮すべき事項。(3) 発癌のリスクの検討。臨床試験に含めるべき安全監視ツール、治療患者に対する長期フォローアップの期間、頻度、および方法に関する推奨事項。(4) vector のデザイン、導入法と発癌性、製造工程において生成するDNA 関連不純物を運ぶ可能性があるため、非vector DNA の潜在的な導入により発癌のリスクを評価するための研究方法の推奨方法。
Session 2:肝毒性
(1) 肝毒性のリスクを特徴づけるための動物実験の限界について、動物種/疾患モデル、生後および死後の評価などの前臨床試験のデザインへの推奨事項。(2) AAV vector 投与前に、肝障害を発症している症例のリスクに基づいて、患者のスクリーニング法や分類法の必要性。既存の肝状態から重篤な肝障害のリスクを予測する可能性。(3) .全身投与のvector 投与量を決定するために、体重以外にどのような要因(例えば、疾患の重症度のレベル)を考慮する必要性。(4) .高用量のAAV vector を用いた臨床試験で観察された肝毒性のリスクを考慮して、被験者あたりの総vector ゲノム量に上限を設定すべきか、また、多くのAAV 製品にはかなりの量の空のキャプシドが含まれるため、キャプシドの総投与用量に上限を設定する必要性。
2) 第2 日(9 月3 日)
Session 3::血栓性微小血管症(TMA)
(1) .AAV vector 投与後のTMA のリスクを高める可能性のある要因。(2) . AAV vector を介したTMA のリスクを予防または軽減するために、AAV vector 投与の前および/または後に実施できる対策に関する推奨事項。(3) 高用量のAAV vector を用いた臨床試験で観察されたTMA のリスクを考慮して、被験者あたりの総vector ゲノム量に上限を設定すべきか否か。多くのAAV 製品には大量の空のキャプシドが含まれているため、キャプシドの総投与用量に上限を設定する必要性。
Session 4:神経毒性における後根神経節(DRG)毒性
(1) 公開されたデータに基づいて、ヒト以外の霊長類のDRG 毒性の症例とヒト被験者との関連性についての議論。DRG 毒性のさらなる特性評価に寄与する可能性のある、/疾患動物モデル、年齢、生涯および死後の評価、追跡期間、投与後などの前臨床試験のデザイン。(2) .定期的な神経学的検査に加えて、臨床試験におけるDRG 毒性のリスクを軽減するための方法。
Session 5:神経毒性における脳磁気共鳴画像法(MRI)の所見
(1) AAV vector の実質内投与後の神経毒性のリスクを特定し、さらに特徴づけるために、前臨床の生涯および死後の評価(行動および神経病理学的評価など)および追跡期間、投与後の推奨事項。中枢神経系の損傷のリスクを防止または軽減するために、vector 投与の前後に実施できる対策。(完)
(主な出典:https://www.fda.gov/media/151872/download 他)
2021/07/19
重度の血友病A の治療を目指す遺伝子療法valoctocogene roxaparvovec の最新データを発表
7 月19 日、BioMarin Pharmaceutical Inc.(BioMarin)は、本日、バーチャル形式で開催される国際血栓止血学会(ISTH)2021 において、重度の血友病A 成人の治療を目指して臨床評価中の遺伝子療法valoctocogene roxaparvovec(val-rox)の最新データを口頭で報告したと発表した。
1. ピボタル第3 相試験
主要臨床有効性評価項目において第VIII 因子の予防投与よりも優れていることを示した。134 人の被験者による、血友病の遺伝子療法でこれまでで最大規模のグローバルな第3 相臨床試験である。この試験に登録された被験者全員が、val-rox の単回投与を受け、1 年以上の追跡調査を完了した。この1 年間の解析結果は、2021 年1 月に公表した。ISTH 発表新データには、試験参加者全員の年間出血率(ABR)と、第VIII 因子補充療法における年間体重Kg 当りの国際単位(IU / kg /年)による第VIII 因子利用率の詳細が含まれる。
2. 試験結果
GENEr8-1 試験の全参加者の90% 以上(N =134)は、val-roxよる治療後4 週目以降、年間出血率(ABR)がゼロまたはベースラインよりも低レベルに改善された。ISTHで発表した新しいデータには、val-rox による治療後の第VIII 因子の利用に関する情報も含まれている。非介入ベースライン観察研究(ロールオーバー患者集団;N = 112)の事前に指定されたグループの事前参加者の平均年間第VIII 因子利用率は、val-rox による治療後4 週後に、第VIII 因子予防投与のベースラインの3961.2(中央値3754.4)から56.9(中央値0)IU/ kg /年に99%減少した(p 値<0.001)。2021 年1 月に報告したように、GENEr8-1 試験の事前に指定されたロールオーバー母集団(N = 112)のデータは、平均71.6 週間の追跡調査で、ABR の事前に指定された1 次解析で、被験者の直近の最終評価では、val-rox の単回投与により、ベースラインで前向きに収集された4.8(中央値2.8)から年間0.8(中央値0.0)の出血エピソードまで平均ABR が84%有意に減少した(p 値<0.001)。試験参加者は、また、内因性第VIII因子発現の臨床的に意味のある増加を経験した。 val-rox 注入後1 年目の終わりに、mITT 患者集団(N = 132)の参加者は、推定ベースラインの1 IU/ dL から平均内因性第VIII 因子発現レベルが42.9 IU / dL(中央値23.9)(p 値<0.001)に有意に増加した。(完)
2021/07/01
AGC Biologics, ノバルティスのコロラド州Longmont 細胞・遺伝子治療製造施設を買収能力増強
最終的なデューデリジェンス後に取引が完了すると、AGC Biologics の施設の製造能力とスペースは大幅に増強され、end-to-end の細胞療法と遺伝子治療(C>)の提供を増強し続け、現在および将来のC> の供給のセキュリティを確保していく。AGC Biologics は、ノバルティスが雇用している従業員の多くを雇用する。
2020/12/31
血友病治療薬の開発動向
12月に開催された米国血液学会(ASH)において、ファイザーが遺伝子治療薬giroctocogene fitelparvovec(SB-525)のP3成績を詳細に発表するなど、血友病治療薬の有望な成績が報告された。ファイザーは前月(11月)には新規の抗TFPI抗体マルスタシマブのフェーズ3試験開始を発表している。二重特異性抗体ヘムライブラは長期フェーズ3追跡調査の最新データに基づき、患者の良好な状態が3年以上持続していることをロシュが報告した。ロシュは遺伝子治療薬でもSPARK社を買収しており、血友病AではSPK-8011がP1/2段階にある。サノフィは一時、投与を中止していたsiRNA核酸医薬フィツシランの臨床試験を再開した。血友病治療薬を重点としていたシャイアーを2018年に買収統合した武田薬品からのASH関連の発表記事はなかった。
12/10, SNY, Hemophilia, siRNA
Sanofi to resume dosing in fitusiran clinical studies in the U.S. -- an investigational, small interference RNA therapy in development for the treatment of people with hemophilia A or B, with or without inhibitors.- サノフィは米国でもフィツシラン臨床試験において薬剤投与を再開する。フィツシランは治験段階のsiRNA核酸医薬として、インヒビターの有無にかかわらず血友病AおよびBのすべての患者を対象として開発されている。
12/07, PFE, Hemophilia, Gene therapy
Pfizer and Sangamo announce updated phase 1/2 results showing sustained factor VIII activity levels in 3x10¹³ vg/kg cohort through one year following Hemophilia A gene therapy- ファイザーとSangamoは血友病Aに対する遺伝子治療のフェーズ1/2臨床試験の最新成績を発表した。3x10¹³ vg/kg投与群において血液凝固第8因子の血中濃度が1年間を通して保持された。
- ロシュのヘムライブラを投与された血友病A患者のフェーズ3追跡調査の最新データで良好な長期成績が確認された。
2020/10/07
血友病Aに対する遺伝子治療薬のフェーズ3試験
10/07 PFE, Hemophilia A, Gene therapy
Pfizer and Sangamo dose first participant in phase 3 study evaluating Hemophilia A gene therapy treatment
ファイザーとサンガモは血友病Aに対する遺伝治療薬のフェーズ3試験参加者への投与を開始した。
(参考)血友病Aに対する遺伝子治療薬の開発競争が終盤に入ってきた。最先端を行くバイオマリンの Valoctocogene Roxaparvovec は本年(2020年)2月にFDAが承認申請を受理し、PDUFA期限を2020年8月21日としていたがCRLを発行した。FDAは継続中のフェーズ3試験において2年間にわたる年間出血率を主要評価項目とすることを推奨した。フェーズ1/2試験段階で追い上げていたファイザー/サンガモのSB-525プロジェクトもフェーズ3試験を開始した。ロシュは昨年(2019年)2月に買収したスパークのSPK-8011がフェーズ1/2に進んでいる。一方、武田薬品が買収した時点でシャイアーのパイプラインにあった遺伝子治療薬は昨年11月の新生タケダのR&Dパイプラインから脱落していた。
2020/06/29
血友病Aに対する遺伝子治療
- BioMarin Provides Highlights of 4 Years of Clinical Data from Ongoing Phase 1/2 Study of Valoctocogene Roxaparvovec Gene Therapy for Severe Hemophilia A > All Study Participants Remain off Prophylactic Therapy
- バイオマリンは重症の血友病Aに対する遺伝子治療薬バロクトコジーン・ロクサパブロベックが実施中のフェーズ1/2試験の4年間におよぶ臨床データを発表した。すべての治験参加者が予防薬を必要としなくなっている。
- Pfizer and Sangamo announce updated phase 1/2 results showing sustained factor VIII activity levels and no bleeding events or factor usage in 3e13 vg/kg cohort following giroctocogene fitelparvovec (SB-525) gene therapy
- ファイザーとサンガモはギロクトコジーン・フィテルパルボベック(SB-525)のフェーズ1/2臨床成績を更新した。3e13 vg/kg用量の投与群では血液凝固第8因子活性レベルが維持され、出血事故も第8因子補充投与も起きなかった。
- Roche announces new data at the ISTH 2020 Congress, demonstrating ongoing commitment to advancing care for people with haemophilia A > data from the initial dose cohorts of its phase I/II SPK-8011 gene therapy study, showing stable and durable factor VIII expression
- ロシュは血友病A治療の進歩に継続して取り組んでおり、フェーズ1/2試験段階にある遺伝子治療SPK-8011の初回量投与群において安定した持久性のある第8因子の内分泌が確認された最新データを7月14・15日にバーチャル開催されるISTH 2020(国際血栓止血学会議)において発表する。
2020/03/02
X連鎖性網膜色素変性症に対する遺伝子治療
European Medicines Agency Grants PRIME and Advanced Therapy Medicinal Product Designations to Janssen’s RPGR Gene Therapy for X-Linked Retinitis Pigmentosa
X連鎖性網膜色素変性症の治療法としてヤンセンが開発中のRPGR(retinitis pigmentosa GTPase regulator)遺伝子療法について欧州医薬品庁(EMA)がPRIMEおよび先進治療医薬品に指定した。
2020/02/20
血友病の遺伝子治療valoctocogene roxaparvovec の承認申請
2020/01/23
脊髄性筋萎縮症(SMA)に対する遺伝子治療薬risidplamの申請用臨床試験
- Roche’s Risdiplam meets primary endpoint in pivotal FIREFISH trial in infants with type 1 spinal muscular atrophy
2019/12/07
血友病Aに対する遺伝子治療薬SB-525の44週間成績
- Sangamo and Pfizer Announce Updated Phase 1/2 Results Showing Sustained Increased Factor VIII Activity Through 44 Weeks Following SB-525 Gene Therapy Treatment (血友病Aを対象にファイザーがSangamoと共同開発中の遺伝子治療薬SB-525のフェーズ1/2試験において、ファクターVIII活性の上昇が投与後44週間を通して確認された)
2019/11/25
脊髄性筋萎縮症(SMA)に対する遺伝子治療薬リスジプラム
Roche, Gene therapy, Spinal muscular atrophy (SMA)
- FDA grants priority review to Roche’s risdiplam for spinal muscular atrophy
- FDAはロシュの脊髄性筋萎縮症治療薬リスジプラムを優先審査に指定
ロシュは本年(2018年)11月11日にリスジプラム(risdiplam)が2型または3型の脊髄性筋萎縮症(SMA)患者を対象とした承認申請用のSUNFISH臨床試験において主要評価項目を達成し、米国FDAを含む全世界の審査機関に承認申請を提出する予定と発表していた。
2019/11/11
脊髄性筋萎縮症(SMA)に対する遺伝子治療薬risdiplam
- Roche’s risdiplam meets primary endpoint in pivotal SUNFISH trial in people with type 2 or 3 spinal muscular atrophy - Data will be shared with health authorities globally, including the U.S. Food and Drug Administration (FDA)
2019/10/09
bluebird bio とNov Nordisk、血友病を含む重篤な遺伝病ゲノム編集の研究開発研究契約締結
megaTALs は、Homing Endonucleases(HEs)の自然のDNA 切断プロセスと転写活性化因子様(TAL)エフェクターのDNA結合領域を組み合わせる単鎖融合酵素である。TAL は、特定のDNA 配列を簡単に認識できるよう設計されたタンパク質で、このタンパク質の融合構造により、現在のすべてのvirus および非virusベクターによるデリバリー法と互換性の非常に活性で特異的でコンパクトなnucleases を生成することができる。
2019/10/08
GSK とLyell Immunopharma, Lyell の技術を用いた次世代癌細胞療法の共同開発契約締結
2014 年4 月、GSKはNovartis とコンシューマーヘルスケア・ワクチン・癌の3 事業における取引を発表し、2015 年3 月に取引は完了した。GSKは、総額160 億$でGSK のオンコロジー事業をNovartis に売却したが、免疫関連の癌領域の事業は保持していて、2018 年4 月に遺伝子治療に関してOrchard Therapeutics と戦略的提携契約を締結、2018 年12 月に免疫系癌領域のPARP 阻害剤などを開発中のTESARO を51 億$で買収し、癌免疫療法の活性化に入力し始めた。
2019/05/24
FDA、ノバルティス買収AveXis 申請の脊髄性筋萎縮症(SMA)遺伝子治療ZOLGENSMA を承認(5月24日)
ZOLGENSMA の有効性は、オープンラベルの単一アームの進行中のSTR1VE 試験と、完了したオープンラベル、単一アーム、用量漸増のSTART 試験で評価された。患者は生後6 カ月前にSMA と一致する臨床症状の発症を経験した。全ての患者が遺伝的に2 対立遺伝子SMN1 遺伝子の欠失、2 コピーのSMN2 遺伝子、およびSMN2 遺伝子のexon7 におけるc.859G>C 修飾能を欠失していた。全ての患者は、ELISA で測定して、ベースラインで1:50 以上の抗adeno 随伴viral vector 9(AAV9)抗体力価を有していた。両試験において、ZOLGENSMA は単回の静脈内投与により送達された。
有効性の主な証拠は、進行中の臨床試験においてZOLGENSMA で治療された21 人の患者の結果に基づいている。小児期発症型SMA 患者の自然史と比べて、ZOLGENSMA の治療患者は、発達期の運動の標準機能に達する能力の有意な改善が示された(頭部のコントロール、支持なしで座る能力など)。
2018/05/09
武田薬品によるShire plc買収に関して(2)
血友病について
Shireは血友病治療薬の市場で最大となる40%前後の市場シェアを持っていますが、競合する有望な新薬が登場してきました。競合新薬の開発状況を展望したうえで、シャイアーの開発パイプラインの評価を考える必要があります(➔ 血友病)。中外製薬(ロシュ)のヘムリブラだけでなく、ファイザーがSpark社と共同開発中の遺伝子治療薬SPK-9001なども注目されています。血友病の主要製品の売上高を見ると合計(市場規模)は2017年85億ドル(9400億円)で伸び率は0.4%、ほぼ横ばいでした。市場シェアはシャイアーが最大でAdvateとFeibaを合わせて45%になります。それだけに発明新薬の登場が与える影響がおおきくなると懸念されます。
希少疾患について
希少病の治療薬として10億㌦(1000億円)以上を売り上げる製品はほとんどなく、マルチビリオン($B)製品となるブロックバスターは出てこないと考えていましたがアレクシオン社が開発した抗体医薬エクリズマブ(販売名 SOLIRIS)は例外となりました。「発作性夜間ヘモグロビン尿症」に対する治療薬として2017年の売上高は3000億円を超えました。オーファンドラッグの開発に弾みをつける素晴らしい成果だと思います。とは言え、企業の経営戦略として希少病領域でブロックバスターを狙うのは間違っていると思います。これは倫理的な問題だけではなく、これまでの市場の現実を踏まえるべきだと考えるからです。
ポンペ病、ファブリー病、ゴーシェ病といった希少病の治療薬を開発して映画にもなったジェンザイムをサノフィが2011年に買収しました。その事業部(Rare Diseases)の業績はずっと20億ドル(2000億円)台で低迷しています。希少疾患は患者数が極端に少なく、新薬の普及率は発売と同時に100%に達します。価格は非常に高額なので値上げは許されません。希少疾患の新薬開発は行政やアカデミアの支援が手厚いので、競合品が想定以上の速さで出現します。シャイアー自身がファブリー病治療薬Replagalやゴーシェ病治療薬Vprivでジェンザイムのシェアを奪ってきました(➔難病・希少病)。武田薬品が支払う7兆円のうち3兆円がのれん代または無形固定資産となる超過支出です。この投資を希少疾患の領域で回収しようという考えは非現実的です。また倫理的にも問題です。余力をもって社会的な使命を果たせる企業になってもらいたいものです。