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2022/08/01

海外製薬産業ニュース(2022年 7月)

  FDA承認に関する記事は弊社が調査対象とする大手企業(およそ30社)では皆無であった。全体の記事数も 31件と少なく、前月の 65件から半減した。 7月は夏休みとなり、6月にはASCO(米国臨床がん学会)関連の発表が多かったことが影響している。しかし、承認申請段階では重要な発表が3件あった。ロシュの CD20xCD3二重特異性抗体モスネツズマブのBLAをFDAが受理し、PDUFA審査期限を12月末とした。欧州では先月承認されており、すべての非ホジキンリンパ腫が適応対象となる可能性がある。アストラゼネカが第一三共と提携するHER2標的ADC薬エンハーツはFDAがHER2低発現の転移性乳がんへの追加承認申請(sBLA)を受理し、第 3四半期(7-9月)中に承認される見通しとなった。エーザイが 5月にローリング申請を完了していた抗アミロイドβプロトフィブリル抗体レカネマブは FDAが加速承認制度の下で優先審査とし、PDUFA審査期限を明年1月 6日に設定した。

 臨床試験段階ではサノフィの遺伝子組み換え血液凝固第 8因子製剤エファネソクトコグアルファが週 1回投与で週 3回投与の従来製品を上回る出血予防成績を示した。中外製薬・ロシュの二重特異性抗体薬ヘムライブラが急成長している血友病市場で武田薬品(旧シャイアー)のアディノベイトなどに残された第 8因子補充療法の市場が席巻される可能性がある。ヘムライブラと同様の第 9因子と第 10因子を標的とするノボノルディスクの二重特異性抗体製剤 Mim8がフェーズ1および2において月1回投与で好成績を得た。第 11因子阻害薬の開発に集中するバイエルはRNA干渉薬フェソメルセンと抗体薬オソシマブの進行性腎臓疾患に対するフェーズ 2b試験に成功した。低分子薬でバイエルの最大製品イグザレルト(第 10因子阻害薬)の後継品として開発中の第 11因子阻害薬アスンデキシアンは心房細動を対象とするフェーズ 2b試験を完了している。

 経営事項およびビジネス案件では、ロシュの取締役会および執行委員会が来年春にシュバンCEOが会長となり、診断薬事業トップのシネッカー氏がCEOに就任する予定を発表した。バーテックスは嚢胞性線維症治療薬トライカフタ(TRYKAFTA)が発売3年目で 57億ドル(7400億円)に達する大成功を収め、研究開発への再投資を積極的に拡大している。7月には1型糖尿病の細胞治療プロジェクトで幹細胞置換療法に特化するバイオベンチャーを買収、さらに肝臓疾患に対する遺伝子治療プロジェクトにおいて体内遺伝子編集プログラムでの提携を発表した。

2022/07/01

海外製薬産業ニュース(2022年6月)

 初回承認2件のうち1件は乳幼児向け肺炎球菌ワクチン、もう1件は欧州委員会によるロシュのCD20xCD3二重特異性抗体の承認であり、FDAによる新薬承認はなかった。メルクが開発した乳幼児の侵襲性肺炎球菌感染症予防ワクチン VAXNEUVANCEは肺炎球菌15価コンジュゲートワクチンで従来のか13価ワクチンを上回る有効性が期待される。ロシュの二重特異性抗体 ランスミオ(Lunsmio、一般名モスネツズマブ)は初回承認から市場が大きい濾胞性リンパ腫が適応症となった。米国では7月上旬にFDAが優先審査として申請を受理しており、承認適応症が注目される。

 追加承認5件のうち3件は自己免疫疾患であり、アッヴィのIL-23抗体スキリージのクローン病、リリーのJAK阻害薬オルミエントの円形脱毛症、サノフィのIL-13抗体デュピクセントの6カ月から5歳の乳幼児への適応が承認された。他にはグラクソがすでに100か国で販売しているMMRワクチンを米国FDAが承認、抗がん剤の承認は1件だけであった。ブリストルマイヤーズ・スクイブのCAR-T細胞療法ブレヤンジは昨年2月に大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)の3次治療を適応症として承認されていたが、2次治療が追加承認された。

 申請用臨床試験では6月初めに米国臨床がん学会(ASCO)が開催されたこともあり、抗がん剤 12件を中心に全体としては 21件のアップデートが発表された。抗がん剤ではヤンセンのエルダフィチニブがFGFR変異陽性の固形がんを対象としたP2試験で腫瘍横断的な有効性を報告した。 第一三共とアストラゼネカが提携する抗 HER2抗体薬物複合体エンハーツが HER2 低発現の乳がん患者を対象とした好成績を示し、HER2変異の程度にかかわらず広く一次治療として承認される可能性が見えてきた。

 COVID-19関連ではファイザーがビオンテックと共同するmRNAワクチンの緊急使用許可が拡大され、 6か月から 4歳の乳幼児も対象となった。サノフィ・GSK連合は次世代のアジュバント化ワクチンによるブースター接種がオミクロンを含む変異種に広く有効とするデータを発表した。

2022/06/01

海外製薬産業ニュース(2022年5月)

  リリーが開発した世界初のGIP/GLP-1受容体デュアル作動薬マウンジャロ(Mounjaro、チルゼパチド注射剤)を成人の2型糖尿病治療薬としてFDAが承認した。申請用臨床試験SURPASS-2では最大の競合品となるノボノルディスクのGLP-1受容体作動薬セマグルチドを対照薬とし、ベースラインからのHbA1cの低下 2.0%(5mg投与群)~2.3%(15mg投与群)と、セマグルチド(1mg)の1.9%を上回る結果を得た。GLP-1作動薬の2021年売上高は最大製品であるリリーのトルリシティ―が28%(15億ドル)増加して64億ドルとなったものの、ノボノルディスクのセマグルチド製品が注射剤オゼンピック(44億ドル)とサキセンダ(抗肥満、9億ドル)の合計で53億ドル、さらに経口剤のライベルサス(37億ドル)を加えると90億ドルを超えてトルリシティ―を大きく上回る状況となった。リリーは今回承認された GIP/GLP-1デュアル受容体アゴニストでセマグルチド製品群に対抗することになる。一方で、ノボノルディスクは本年3月にHbA1cの減少幅 2.1%を実現したオゼンピック 2mg(倍量)製剤のFDA承認を取得、また経口剤ライベルサスは昨年の増加率が100%(倍増)と急成長しており、リリーにとっては厳しい競合となりそうだ。5月の初回承認は他にも欧州で 1品目あり、合計2品目であった。サノフィのASMD(酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症)に対する初めての治療法となるゼンポザイム(オリプダーゼアルファ)の承認を欧州委員会CHMPが推奨した。

 追加承認(5件)ではアストラゼネカと第一三共が提携するHER2標的ADC抗体薬エンハーツのHER2陽性転移性乳がん患者に対する二次治療のFDA承認が注目される。2019年の初回承認は2回以上の抗HER2療法を経た転移性乳がん患者に対する三次療法だった。その後、2021年に胃がん効能追加が承認された。本年4月には肺がんの追加申請、さらにHER2低発現の乳がん患者への適応拡大が控えている。ノバルティスのCAR-T細胞療法キムリアは 3番目の適応症として再発性または難治性の濾胞性リンパ腫の成人患者に対する治療が承認された。ブリストルマイヤーズ・スクイブのPD-1阻害薬オプジーボは二つのレジメン(化学療法剤またはCTLA-4阻害薬ヤーボイとの併用)で切除不能な進行性または転移性食道扁平上皮がんの第一選択治療が承認された。サノフィの抗IL-4/13受容体抗体デュピクセントの好酸球性食道炎が承認された。ロシュの脊髄性筋萎縮症(SMA)治療薬Evrysdiの2ヶ月未満乳児への使用が承認された。

 その他の薬事では新薬の初回承認申請が2件あり、エーザイは昨年9月に開始していた抗 Aβプロトフィブリル抗体の早期アルツハイマー症治療薬レカネマブのローリング申請が完了したと発表。もう1件の初回申請はアッヴィの進行性パーキンソン病治療薬で持続性の皮下投与を特徴とするレボドパとカルビドパの合剤 ABBV-951である。追加承認の申請2件はいずれも抗がん剤である。アストラゼネカがPD-1阻害薬イムフィンジと化学療法剤の併用による胆道がん患者の治療、バイエルが前立腺がん治療薬ダロルタミド(販売名:ニュベクオ)とドセタキセルの併用による転移性ホルモン感受性の患者への適応拡大を申請した。現在のダロルタミド適応症はホルモン非感受性(去勢手術不適応)の患者に限定されている。

 申請用臨床試験では抗IL-23抗体、S1P受容体作動薬、さらにJAK阻害薬がいずれも潰瘍性大腸炎を標的効能として最終段階の好成績を発表している。リリーは抗IL-23抗体ミリキズマブが申請用第3相試験において患者の50%が1年で臨床的寛解を達成、ファイザーは S1P作動薬エトラシモドが52週間の投与で臨床的寛解率32%を達成しクラス最高のプロファイルを実証したと発表した。アッヴィのJAK阻害薬リンボックはすでに3月に米国で承認されているが欧州承認にむけてす既発表の臨床成績をまとめてランセット誌に掲載した。これまでに、抗TNFα抗体のレミケード(2005年)とヒュミラ(2012年)、抗インテグリン抗体エンティビオ(2014年)、JAK阻害薬ゼルヤンツ(2018年)、抗IL-23抗体ステラーラ(2019年)、S1P受容体作動薬ゼポシア(2021年)が潰瘍性大腸炎の適応症を取得している。

 経営事項およびビジネス案件ではファイザーが経口CGRP阻害薬の片頭痛治療薬の開発に成功したバイオヘイブンを一時金116億ドル(ほぼ1兆5000億円)、グラクソが次世代肺炎球菌ワクチンに取り組むバイオテク企業を33億ドル、という企業買収を発表した。ジョンソンエンドジョンソンは大衆薬事業の分離に向けて設立する専業子会社のCEOとCFOを任命した。リリーは本拠地のインディアナ州で21億ドルを投じて新しい製造拠点を建設する計画を発表した。

2022/05/01

海外製薬産業ニュース:2022年4月

 初回承認された新薬4件の適応症は心筋症、片頭痛、濾胞性リンパ腫と過成長スペクトル、さらに追加承認3件も強直性脊椎炎、重症筋無力症と大型B細胞リンパ腫と多岐にわたった。疾患領域としてもオンコロジー 2件、希少病 2件のほか、自己免疫、循環代謝、中枢神経系と様々だった。心筋症はファイザーのビンダケルがトランスサイレチン心筋症で20億ドルを超えており、ブリストルマイヤーズ・スクイブのマバカムテンが取得した肥大型心筋症にはこれを上回る市場性が期待される。
 経口CGRP阻害薬の片頭痛治療薬はすでにアッヴィのQULIPTAが承認されているが、ファイザーによると急性治療と予防効能が同時に承認されるのは初めてとなる。抗CGRP抗体Aimovig(アムジェン/ノバルティス)とEmagality(リリー)の2021年売上高は 6億ドル前後で低迷している。経口剤の登場が市場を拡大すると期待される。
 新規の濾胞性リンパ腫治療薬として承認されたロシュのモスネツズマブは抗CD20抗体リツキサンの後継品となるがCD3も標的とする二重特異性抗体である。ロシュにとっては不発に終わったADCC活性のガザイバ(2021年4億ドル)に代わるライフサイクルマネジメントとして期待が大きい。ノバルティスの過成長スペクトル(PROS)治療薬ビジョイスは乳がん治療薬ピクレイ(PI3K阻害薬)と同成分のアルペリシブを新規の新薬として開発した。

 追加承認ではアッヴィのJAK阻害薬リンボックが前月に承認された潰瘍性大腸炎に続いて5番目となる強直性脊椎炎の適応症を取得した。発売3年目(2021年)に17億ドルに達した売上高はファイザーが25億ドルを売上げるゼルヤンツを大きく上回ると予想される。申請段階では、日本を含め各国で承認されているGSKの低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素(HIF-PHI)阻害薬ダプロデュスタットの米国申請、第一三共とアストラゼネカが共同開発するHER2標的ADC薬エンハーツの非小細胞肺がん効能追加が注目される。エンハーツは2019年に乳がん、2021年に胃がん(いずれもHER2陽性)に承認されている。

最終臨床段階では糖尿病市場で競合するノボノルディスクとリリーが異なるアプローチの新規治療薬で最終臨床段階に達している。ノボの週1回投与インスリン・アイコデックは第 3a 相試験 において一日一回投与のランタスよりも優れたHbA1c 減少を示した。GIP/GLP-1デュアル受容体作動薬としてリリーが開発中のチルゼパチドは肥満症成人を対象とした臨床試験において最大22.5%の体重減少を確認した。

その他の研究開発では先述したロシュのモスネツズマブと同様のCD3xCD20二重特異抗体を開発中のアッヴィが大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)患者を対象とした第1/2相試験で全奏効率(ORR)63%、奏功期間(DOR)中央値12か月との結果を発表した。アストラゼネカの核酸医薬AZD8233はP2b段階で高リスクの高コレステロール血症患者のLDLコレステロール値を73%低下させた。バイエルのファクターXIa(eleven a)阻害薬アサンデキシアンの心房細動における第2b相試験の安全性データを発表した。骨髄異形成症候群(MDS)と急性リンパ性白血病(AML)を対象とするギリアドの抗CD47抗体マグロリマブに対するFDAの臨床試験保留措置(Clinical Hold)が解除された。アッヴィの新規 BCL-2阻害薬ナビトクラクスは第2相試験で良好な抗線維症活性を示した。アムジェンのKRAS阻害薬ルマケラス(ソトラシブ)はKRAS g12c変異を有する進行性非小細胞肺がん患者において 2年全生存率 32.5%を達成した。リリーはRET阻害薬レテブモ(セルペルカチニブ)の進行性 RET融合陽性非小細胞肺がん(NSCLC)におけるに関する最新データを2欧州肺がん会議で発表した。

ビジネス案件および経営事項:ファイザーはライム病ワクチン候補 VLA15 の第2相小児データ、RSウイルス治療薬を開発中のリバイラルの買収統合、およびALK陽性進行肺がん第一選択治療でローブレナが無増悪生存期間を延長した3年間追跡データを発表した。ノバルティスは成長加速、またパイプライン強化、生産性向上を目的とする組織改革、およびノースカロライナ州でのゾルゲンスマ製造能力拡大を発表した。アストラゼネカはマサチューセッツ州ケンブリッジに戦略的研究開発センターとアレキシオン本社を建設する計画、抗体医薬エブシェルの 6カ月以上にわたる症候性COVID-19予防効果を発表した。バイエルはオンコロジー戦略事業部の開発部門トップに、米国メルクとGSKでオンコロジー開発リーダーを務めたフランクル女史を任命した。GSKは臨床段階のバイオベンチャー企業シエラ・オンコロジーを19億ドルで買収する契約を発表した。ギリアドのCAR-T細胞療法専門企業カイトの最新製造施設をFDAが承認した。バイオジェンは合弁企業の持ち分をサムスンに売却してバイオシミラーから撤退する。ベーリンガーインゲルハイムは馬のステム細胞療法を商業化した。

2022/04/01

海外製薬産業ニュース:2022年3月

ブリストルマイヤーズ・スクイブが開発した世界初のLAG-3阻害薬が転移性メラノーマを適応症としてオプジーボとの併用で承認された。ノバルティスは2018年に承認されたルタセラ(NET、すい臓神経内分泌腫瘍)に次ぐ標的放射性リガンド療法として転移性前立腺がん治療薬プルビクトのFDA承認を取得した。

追加承認では成長著しいJAK阻害薬リンボックに承認された潰瘍性大腸炎が注目される。同じ適応症で最終の申請用P3段階にあるファイザーのS1P阻害薬エトラシモドが12週間投与と52週間投与でいずれも主要評価項目とした臨床的寛解を達成した。前月(2月)にはリリーの抗IL-23抗体ミリキズマブが4週間投与で28%、12週間投与で45%の症状寛解率を報告している。S1P阻害薬は昨年(2021年)5月にブリストルマイヤーズ・スクイブのゼポシア(オザニモド)が多発性硬化症(2020年)についで潰瘍性大腸炎に承認されている。

その他の臨床試験ではバーテックスの選択的 NaV1.8阻害薬 VX-548の概念実証(POC)試験が成功した。一方、転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)でメルクとアストラゼネカが提携するキイトルーダとリンパルザの併用試験は失敗した。ビジネス関連ではメルクの最高医療責任者(CMO)の引退が発表された。C5抗体に関する特許係争が和解し、アストラゼネカは中外製薬に930億円を支払う。

2022/03/01

海外製薬産業ニュース:2022年2月

初回承認FDAが多発性骨髄腫を適応症とするヤンセンのBCMA標的CAR-T細胞療法を承認した。一方、FDAが昨年1月に申請を受理しながら結論に至っていないファイザーのソマトロゴンが欧州で承認された。追加承認リリーのSGLT-2阻害薬ジャディアンスが2021年に承認されたHFrEF(左室駆出率低下型心不全)に続いてHFpEF(左室駆出率保存型心不全)にも承認された。GSKのHIV専門子会社ヴィーブヘルスケアのカベヌバは2カ月1回投与の用法追加が承認された。ノバルティスのジェネリック専門子会社サンドはBMSの最大製品レナリドミド(販売名:レブラミド)に対するジェネリック承認を欧州 19か国で取得した。BMSは非小細胞肺がんに対するオプジーボの術前補助療法の追加承認を申請した。申請用臨床試験アストラゼネカと第一三共が共同開発するHER2標的ADC薬エンハーツがHER2低発現の患者を対象に好成績を収めた。リリーの抗IL-23抗体ミリキズマブは潰瘍性大腸炎に対して投与後12週間で患者の2/3で効果が確認された。

企業経営GSKから分離される大衆薬事業の社名Haleonが発表された。サノフィは新規の企業ブランドおよびロゴへの変更を発表した。ファイザーは開発担当役員にロシュ探索研究所トップをスカウトした。新型コロナウイルス感染症リリーの抗体医薬ベブテロビマブが緊急承認されたほか、メディカゴ(田辺三菱子会社)とGSKの植物由来アジュバント化ワクチンがカナダで承認された。

2021/12/01

海外製薬産業ニュース:2021年11月

 新薬の初回承認はタケダ薬品が開発した移植後CMV感染に対する二次選択の抗ウイルス薬リブテンシティだけであり、ブロックバスター製品は見当たらなかった。追加承認も 1件しかなかったものの、PD-1阻害薬キートルーダの腎細胞がんの術後アジュバント療法は市場規模が大きいと期待される。キートルーダのアジュバント療法は膀胱がん、トリプルネガティブ乳がんに続いて3件目の承認となる(ファーマセット・リサーチ推定)。その他の薬事(申請、指定)においてもBRCA変異を標的とする初の補助療法として乳がんを対象にPARP阻害薬リムパーザの追加承認が申請された。承認申請は他にも 4件あり、合計で 5件だった。初回申請はBMSのTYK2阻害薬デュークラバシチニブ(乾癬)、ギリアドの慢性デルタ型肝炎治療薬ブレビルタイド、およびインサイトのPI3K阻害薬パルサクリシブ(NHL)の 3件だった。追加申請 2件は前述のリムパーザ(乳がんアジュバント療法)のほか、SGLT-2阻害薬の糖尿病治療薬ジャディアンス(リリー)の心不全効能追加である。
 申請用臨床試験では、可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬ベリキューボを事故歴がない左室駆出率低下型慢性心不全の患者において評価するフェーズ3試験をメルクが開始、エーザイはレカネマブがフェーズ2B試験を複数の統計モデルで新たに解析した結果「一貫した有効性が確認された」と発表、BMSのオプジーボは切除可能な非小細胞肺がんを対象に化学療法を併用した術前アジュバント療法が無イベント生存率(EFS)を有意に改善した、GSKのHIF剤ダプロデュスタットは腎性貧血に対する有効性と安全性について良好な結果を発表した、ノバルティスのイプタコパンは希少病C3G腎臓疾患で主要評価項目を達成した。
 その他の臨床試験では、ファイザーのエストロゲン受容体タンパク質分解剤ARV-471(乳がん、P1)、BMSの経口ファクターXIa阻害薬ミルベキシアン(抗トロンビン作用、P2)、アストラゼネカのmRNA製剤AZD8601(心不全、P2)が注目される。
 企業経営および事業開発では、ロシュは臨時株主総会を開いてノバルティスが保有するロシュ株式(2兆円強)を買入れ償却して減資することを決定した。ジョンソンエンドジョンソンは大衆薬事業を分離する計画を発表した。ファイザーは最高財務責任者(CFO)フランク・ダメリオ氏の引退を発表、また血液がんに対するCD47関連の免疫療法剤をもつバイオテク企業の買収統合を完了した。ノボ・ノルディスクはRNA干渉の技術研究基盤を持つバイオベンチャーを買収統合すると発表した。

2021/11/01

海外薬事(主としてFDA)関連ニュース:2021年10月

初回承認では、ノバルティスのBCR-ABLスタンプ阻害薬アシミニブ、およびロシュの加齢黄斑変性症に対するルセンティス硝子体内注射液を眼内貯留(Port)送達方式としたサスビモの2品目をFDAが承認した。

追加承認ではギリアドが2品目、COVID-19治療薬として承認されていたビクタルビが小児のHIV-1感染を対象とする適応拡大、およびCAR-T療法テカルタスの急性リンパ性白血病の承認を取得、ロシュはPD-1阻害薬テセントリクの非小細胞肺がん患者に対する補助療法が承認された。

その他の薬事では、ロシュの抗アミロイドβ抗体ガンテネルマブはアルツハイマー病に対してFDAの画期的治療指定、アストラゼネカが開発した抗COVID-19抗体医薬 AZD7422の米国緊急使用許可申請が注目される。

COVID-19関連ニュース(2021年10月)

COVID-19関連のリリースはこれまで毎月10件前後、多いときは20件を超えていたが、10月は4件へと激減した。ワクチン関連ではファイザーのmRNAワクチンが5歳から11歳の小児へのFDA緊急使用許可を取得した、一件だけとなった。抗体医薬ではこれまでに、リリー、ロシュ、グラクソが承認を取得しているが、アストラゼネカは外来患者を対象としたフェーズIII試験で予防効果を証明した。抗ウイルス薬では、メルクの経口薬モルヌピラビルがフェーズ3試験で外来患者の入院または死亡のリスクを半減した。

ワクチン

10/29, PFE, COVID-19
Pfizer and BioNTech Receive First U.S. FDA Emergency Use Authorization of a COVID-19 Vaccine in Children Ages 5 Through 11 Years
  • ファイザーとビオンテックは5歳から11歳の小児を対象とするCOVID-19ワクチンの初めてのFDA緊急使用許可を取得した。

抗体医薬

10/11, AZN, COVID-19
AZD7442 reduced risk of developing severe COVID-19 or death in TACKLE Phase III outpatient treatment trial


抗ウイルス薬

10/27, MRK, COVID-19, Patents
The Medicines Patent Pool (MPP) and Merck Enter Into License Agreement for Molnupiravir, an Investigational Oral Antiviral COVID-19 Medicine, to Increase Broad Access in Low- and Middle-Income Countries
  • 医薬品特許プール(MPP)とメルクは低-中所得国におけるアクセスを拡大するために、COVID-19に対する経口抗ウイルス薬モルヌピラビルの特許権使用に関する契約を締結した。
10/01, MRK, COVID-19
Merck and Ridgeback’s Investigational Oral Antiviral Molnupiravir Reduced the Risk of Hospitalization or Death by Approximately 50 Percent Compared to Placebo for Patients with Mild or Moderate COVID-19 in Positive Interim Analysis of Phase 3 Study
  • メルクとリッジバックの治験段階にある経口抗ウイルス薬モルヌピラビルはフェーズ3試験の中間解析で良好な成績を示した。軽度から中等度のCOVID-19患者を対象として入院または死亡のリスクを半減した。

2021/09/30

海外薬事(主としてFDA)関連ニュース:2021年9月

初回承認ではファイザーがアトピー性皮膚炎の治療薬として開発したJAK阻害薬アブロシチニブを日本の厚生労働省が世界で初めて承認した。一方、FDAはアッヴィが開発した経口CGRP阻害薬アトゲパントを片頭痛に対する予防治療薬として承認した。

承認申請では、FDAの優先審査制度の下でローリング申請を開始したエーザイの早期アルツハイマー病治療薬レカネマブ、次いでブリストルマイヤーズ・スクイブが悪性黒色腫に対してオプジーボとの併用で申請した世界初の抗LAG-3抗体レラトリマブ、さらにJAK阻害薬リンボックの潰瘍性大腸炎の追加申請が注目される。

2021/08/31

海外薬事(主としてFDA)関連ニュース:2021年8月

初回承認ではアストラゼネカが開発した世界初の抗インターフェロン受容体抗体アニフロルマブ(販売名:サフネロ)が注目される。適応症となった全身性エリテマトーデスはBAFF阻害薬ベンリスタが2011年に承認されたのを最後に、ヤンセンの抗インターロイキン23抗体ステラーラが失敗するなど新薬開発が難航していた。

追加承認ではGSKのPD-1阻害薬ジェムペルリ(ドスタルリマブ-gxly)の臓器横断的な「DNAミスマッチ修復機能欠損の再発・進行性固形がん」効能追加が注目される。その他の薬事に関してもPD-1阻害薬の話題が中心となるが、ロシュのテセントリクは米国におけるトリプルネガティブ乳がん適応症を自発的に取り下げた。

PD-1を離れて追加承認にもどると、リリー/ベーリンガーのSGLT-2阻害薬ジャディアンス(エンパグリフロジン)による駆出率低下型心不全の効能追加が重要である。競合するフォシーガ(アストラゼネカ)は先行して昨年5月に承認されていた。

COVID-19関連ニュース(2021年8月)

FDAはファイザー/ビオンテックのmRNAワクチンを16歳以上成人に正式承認(8/23)、ほぼ同時に追加(三回目)接種の承認に向けてローリング申請を開始した(8/25)。ジョンソンエンドジョンソンの単回接種ワクチンも追加接種によるスパイク結合抗体の増加が確認された。GSKは第2世代のmRNAワクチンの前臨床データを発表する一方、韓国企業と共同でアジュバント化ワクチンのフェーズ3試験を開始した。変異種に対する新たなワクチンAZD2816を開発し、2250例を登録するP2/3試験を6月に開始したアストラゼネカからの続報はなかったが、持効性抗体医薬AZD7442の第3相試験主要評価項目の達成を発表した。サイトカイン・ストームに対してはリリーのJAK阻害薬バリシチニブが人工呼吸器下にある患者の死亡を減少した。

ワクチン

08/31, GSK, COVID-19
SK bioscience and GSK start Phase 3 trial of adjuvanted COVID-19 vaccine candidate
  • 韓国SKバイオサイエンスとGSKはCOVID-19に対するアジュバント化ワクチンのフェーズ3試験を開始する。
08/25, PFE, COVID-19
Pfizer and BioNTech Initiate Rolling Submission of Supplemental Biologics License Application to U.S. FDA for Booster Dose of COMIRNATY® in Individuals 16 and Older
  • ファイザーとビオンテックは16歳以上成人に対するコミルナティ追加(3回目)接種の承認に向けてローリング申請を開始した
08/25, JNJ, COVID-19
Johnson & Johnson Announces Data to Support Boosting its Single-Shot COVID-19 Vaccine - booster, after single dose primary regimen, provided rapid and robust increase in spike-binding antibodies
  • ジョンソンエンドジョンソンの単回投与COVID-19ワクチンの追加接種データが発表された。初回の単回接種の後に行った追加接種により、スパイク結合抗体の迅速で堅固な増加が確認された。
08/23, PFE, COVID-19
Pfizer-BioNTech COVID-19 Vaccine COMIRNATY® Receives Full U.S. FDA Approval for Individuals 16 Years and Older
  • ファイザー/ビオンテックのCOVID-19ワクチン「コミルナティ」は16歳以上成人に対してFDAの正式承認を取得した。
08/16, GSK, COVID-19
Second-Generation mRNA COVID-19 Vaccine Candidate, CV2CoV, Demonstrates Improved Immune Response and Protection in Preclinical Study
  • COVID-19に対して開発中の第二世代mRNAワクチンCV2CoVが前臨床試験において免疫応答と感染予防の改善を示した。

抗体医薬

08/20, AZN, COVID-19
AZD7442 PROVENT Phase III prophylaxis trial met primary endpoint in preventing COVID-19
  • 持効性抗体医薬AZD7442は第3相試験PROVENTにおいてCOVID-19予防の主要評価項目を達成した。

サイトカイン・ストーム

08/03, LLY, COVID-19
Lilly and Incyte's baricitinib reduced deaths among patients with COVID-19 receiving invasive mechanical ventilation
  • リリーとインサイトのJAK阻害薬バリシチニブは侵襲性の人工呼吸装置下にある患者の死亡を減少した。

2021/07/31

海外薬事(主としてFDA)関連ニュース:2021年7月

3件の新規承認があったが、アフリカ眠り病と肺炎球菌ワクチンの市場性はいずれも限定的と思われる。バイエルの抗鉱質コルチコイド薬フィネレノンについても適応症とする糖尿病患者の慢性腎不全は競合が激しく、大きな売上高は期待できないと予想される。

糖尿病治療薬のSGLT-2阻害剤が糖尿病の有無にかかわらず慢性腎不全の進行リスクを適応症として4月に承認さています。追加承認では3月に非承認とされていたキートルーダの「早期」トリプルネガティブ乳がんが承認となりました。その他の薬事では、ロシュの二重特異性抗体ファリシマブ(nAMD)とアストラゼネカの胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)標的抗体テゼペルマブ(難治性喘息)の承認申請が注目されます。HIF阻害薬ロキサデュスタット(慢性腎不全における貧血)に対してFDA諮問委員会は非承認を勧告しました。

初回承認

07/19, Sanofi, Tropical disease
US FDA approves fexinidazole as the first all-oral treatment for sleeping sickness
  • 米国FDAはアフリカ眠り病に対する初の経口治療薬としてサノフィが開発したフェキシニダゾールを承認した。

07/16, MRK, Vaccine
Merck Announces U.S. FDA Approval of VAXNEUVANCE™ (Pneumococcal 15-valent Conjugate Vaccine) for the Prevention of Invasive Pneumococcal Disease in Adults 18 Years and Older Caused by 15 Serotypes
  • 米国FDAがヴァクスニューバンス(肺炎球菌に対する15価共役ワクチン)を18歳以上成人の15血清型による侵襲性肺炎球菌疾患の予防に承認したとメルクが発表した。

07/09, Bayer, MRA, CKD
U.S. FDA approves finerenone for the treatment of patients with chronic kidney disease associated with type 2 diabetes
  • 米国FDAは2型糖尿病患者の慢性腎不全に対する治療薬としてバイエルが開発したフィネレノンを承認した。

追加承認

07/29, GSK, IL-5, Nasal polyps
GSK announces FDA approval for Nucala (mepolizumab) for use in adults with chronic rhinosinusitis with nasal polyps
  • GSKの抗IL-5抗体ヌーカラ(メポリズマブ)が鼻茸(はなたけ)を有する慢性副鼻腔炎成人への使用についてFDA承認を取得した。

07/27, MRK, PD-1, Breast cancer
FDA Approves KEYTRUDA® (pembrolizumab) for Treatment of Patients With High-Risk Early-Stage Triple-Negative Breast Cancer in Combination With Chemotherapy as Neoadjuvant Treatment, Then Continued as Single Agent as Adjuvant Treatment After Surgery
  • FDAはキートルーダ(ペムブロリズマブ)を高リスク・早期のトリプルネガティブ乳がんの患者に対して、化学療法との併用による術前アジュバント療法、さらに単剤での術後アジュバントとしての継続治療を承認した。

07/23, ABBV, Infection, Antibiotics
DALVANCE® (dalbavancin) Receives FDA Approval to Treat Acute Bacterial Skin and Skin Structure Infections in Pediatric Patients
  • 皮膚および皮膚組織の急性細菌感染症の小児患者に対する治療薬としてアッヴィの抗生物質ダルバンス(ダルバンシン)をFDA承認を取得した。

07/06, MRK, PD-1, Skin cancer
FDA Approves Expanded Indication for Merck’s KEYTRUDA® (pembrolizumab) in Locally Advanced Cutaneous Squamous Cell Carcinoma (cSCC)
  • メルクのPD-1阻害薬キートルーダ(ペムブロリズマブ)の局所進行性皮膚扁平上皮がん適応症拡大をFDAが承認した。手術または放射線療法が不能な患者が適応となる。

その他の薬事(申請、指定)

07/29, Takeda, Orexin, Narcolepsy
U.S. Food and Drug Administration Grants Breakthrough Therapy Designation to Takeda’s Investigational Compound, TAK-994, an Oral Orexin Agonist in Clinical Development for Narcolepsy Type 1 (NT1)
  • 米国FDAはタケダ薬品がナルコレプシー1型に対して臨床試験中の経口オレキシン作動薬TAK-994に対して画期的治療指定を賦与した。

07/29, Roche, Ophthalmology, Bispecific mAb
FDA accepts application for Roche’s faricimab for the treatment of neovascular age-related macular degeneration (nAMD) and diabetic macular edema (DME)
  • FDAは血管新生型加齢性黄斑変性症(nAMD)および糖尿病性網膜浮腫(DME)の治療薬としてロシュが開発したファリシマブの承認申請を受理した。
07/21, PFE, JAK, FDA
Pfizer Provides Update on U.S. FDA Review of Abrocitinib and XELJANZ® Filings
  • ファイザーが申請中のJAK阻害薬アブロシチニブとゼルヤンツのFDA審査状況を開示した。FDAはゼルヤンツの市販後調査の結果を待つとしてPDUFA期限を再度延長した。

07/21, ABBV, Roche, BCL-2, MDS
Venetoclax (VENCLEXTA®) Granted US FDA Breakthrough Therapy Designation (BTD) in Higher Risk Myelodysplastic Syndrome (MDS)
  • FDAはベンクレクスタに、アザシチジンとの併用による骨髄異形成症候群の患者に対する治療として画期的治療指定を賦与した。

07/19, Bayer, Cell therapy, Parkinson's disease
BlueRock Therapeutics Receives FDA Fast Track Designation for DA01 in the Treatment of Advanced Parkinson’s Disease
  • バイエル子会社ブルーロックが開発中の進行性パーキンソン病に対する細胞治療DA01はFDAの迅速審査指定を受領した。

07/16, AZN, HIF, CKD
Status on FDA Advisory Committee vote on roxadustat in anaemia of chronic kidney disease
  • 慢性腎不全における貧血に対する治療薬として申請中のロキサデュスタットに対してFDA諮問委員会は非承認を勧告した。

07/09, Roche, Diagnostics, TB
WHO guidelines now include Roche’s diagnostic tests in expanded effort to eliminate tuberculosis by providing patients greater access to timely diagnosis
  • 結核を撲滅するために患者の適時診断を促進することを目的として、ロシュの診断薬がWHOガイドラインに掲載された。

07/08, AZN, TSLP, Asthma
Tezepelumab regulatory submission accepted and granted FDA Priority Review in the US for the treatment of patients with asthma
  • 喘息患者の治療薬として米国で提出されたテゼペルマブの承認申請はFDAの優先審査に指定された。

07/08, Biogen, Alzheimer's, Amyloid beta
FDA Approves Updated ADUHELM™ Prescribing Information to Emphasize Population Studied in Clinical Trials
  • アデュヘルムが臨床試験において対象とした患者層を強調するための処方情報(添付文書)改訂をFDAが承認した。

07/01, MRK, PD-1, Gastric cancer, SETBACK
Merck Provides Update on KEYTRUDA® (pembrolizumab) Indication in Third-Line Gastric Cancer in the US
  • メルクはキートルーダ(ペムブロリズマブ)の米国における胃がん三次療法の適応症に関する最新状況を開示した。単独療法の適応症を自主的に取り下げる。

COVID-19関連ニュース(2021年7月)

ワクチンではジョンソンエンドジョンソンの単回投与製品がデルタ株にも有効性が証明され、一方で稀な副作用症例としてギランバレー症候群が報告された。ファイザーとビオンテックはアフリカにおける製造販売に関する南ア企業との提携を発表した。中和抗体では日本がロシュのロナプリーブ(カシリビマブ/イムデビマブ合剤)の初承認国となった。GSKは欧州委員会との間でヴィル(Vir)バイオテクノロジーと共同開発したソトロビマブの合同調達契約を締結した。抗ウイルス薬ではメルクが軽症~中等症患者に対する経口治療薬モルヌピラビルのフェーズ2/3試験の中間成績を発表した。その他(サイトカイン・ストーム、検査)では目立った発表はなかった。

ワクチン

07/21, PFE, COVID-19
Pfizer and BioNTech Announce Collaboration With Biovac to Manufacture and Distribute COVID-19 Vaccine Doses Within Africa
  • ファイザーとビオンテックはアフリカにおけるCOVID-19ワクチンの製造・供給に関して南ア企業バイオバック(Biovac)との提携を発表した。

07/14, JNJ, COVID-19
Johnson & Johnson Single-Shot COVID-19 Vaccine Demonstrated a Durable Immune Response and Elicited Dual Mechanisms of Protection Against Delta and Other SARS-CoV-2 Variants of Concern in Data Published in New England Journal of Medicine
  • ジョンソンエンドジョンソンの単回投与COVID-19ワクチンワクチンは持久性の免疫反応を示し、デルタ株を含む重要なSAR-CoV-2変異種に対する二重作用(細胞性および液性免疫)を誘発し、データはNEJM誌に掲載された。

07/12, JNJ, COVID-19
Johnson & Johnson Statement on COVID-19 Vaccine - Rare cases of the neurological disorder, Guillain-Barré syndrome have been reported
  • ジョンソンエンドジョンソンはCOVID-19ワクチンによる神経学的障害(ギランバレー症候群)の稀な症例報告を発表した。

07/01, JNJ, COVID-19
Positive New Data for Johnson & Johnson Single-Shot COVID-19 Vaccine on Activity Against Delta Variant and Long-lasting Durability of Response
  • ジョンソンエンドジョンソンの単回投与COVID-19ワクチンに関して、デルタ変異種に対する効果と長期にわたる持続的反応を確認する新たなデータが得られた。

中和抗体

07/28, GSK, COVID-19
GSK and Vir Biotechnology announce Joint Procurement Agreement with European Commission for COVID-19 treatment, sotrovimab
  • GSKとヴィル(Vir)バイオテクノロジーは抗COVID-19抗体ソトロビマブについて欧州委員会との合同調達契約の締結を発表した。

07/20, Roche, COVID-19
Japan becomes first country to approve Ronapreve (casirivimab and imdevimab) for the treatment of mild to moderate COVID-19
  • 日本が軽症から中等症のCOVID-19感染症に対するロシュの抗体カクテル治療薬ロナプリーブ(カシリビマブ/イムデビマブ合剤)の最初の承認国となった。

抗ウイルス薬

07/12, MRK, COVID-19
Interim Results from Phase 2/3 Studies of Molnupiravir, an Investigational Oral Antiviral Therapeutic for Mild to Moderate COVID-19, Presented at the European Congress of Clinical Microbiology & Infectious Diseases (ECCMID)
  • 軽症~中等症のCOVID-19感染症に対する経口抗ウイルス薬としてメルクがエモリー大学の関連機関と共同開発中のモルヌピラビルのフェーズ2/3試験の中間成績が欧州臨床細菌学・感染症学会(ECCMID)で発表された。

2021/06/30

海外薬事(主としてFDA)関連ニュース:2021年6月

  • これまで進展がなかったアルツハイマー病の新薬開発に劇的な展開があった。FDAはエーザイとバイオジェンのアデュヘルム(ADUHELM)を加速承認、さらに抗アミロイド・ベータ・プロトフィブリル抗体レカネマブ(BAN2401)を画期的治療に指定した。リリーはドナネマブでFDAの画期的治療指定を取得した。画期的治療指定は他にもヤンセンのBCMAxCD3二重特異性抗体テクリスタマブが多発性骨髄腫治療薬が賦与された。
  • 初回承認では他にもノボノルディスクのGLP-1作動薬セマグルチドの低用量製品が体重管理を適応症とする新薬として承認された。またアストラゼネカのMEK阻害薬が初承認を中国で取得した。
  • ワクチンではファイザーの20価結合型肺炎球菌ワクチン「プレベナー20」が追加承認され、メルクとサノフィは6種混合小児用ワクチンを米国で発売した。
  • 申請段階ではギリアドの持効性カプシド阻害剤レナカパビル(HIV-1)の初回申請、ロシュの血管新生型(ウェット)加齢黄斑変性症治療薬ラニビズマブ(ルセンティス硝子体内注射液)の眼内貯留式(Port)送達方式の追加、バイエルのPI3K阻害薬コパンリシブのリツキサン併用による緩慢性非ホジキンリンパ腫の追加が申請された。

COVID-19関連ニュース(2021年6月)

ワクチン関連ではアストラゼネカの発表がほとんどであった。自社のCOVID-19ワクチンが少なくとも1年間にわたって免疫力を示し、さらにデルタ(インド)変異種に対しても有効であると発表、また9月末までに3億回分の供給を要求する欧州委員会との係争は供給義務を8200万回分とした欧州第一審法廷の判決を歓迎するとコメントした。フェーズ2/3試験を開始したAZD2816はCOVID-19変異種に対する初めてのワクチンとなる。

抗体医薬では、GSKとVirバイオテクノロジーのソトロビマブの開発が順調と発表、一方でアストラゼネカの持効性抗体AZD7442は主要評価項目を達成しなかった。抗ウイルス薬では、メルクが開発段階にある経口薬の供給契約を米国政府と締結、ギリアドはレムデシビルが入院患者の死亡率減少に関与していたとする10万人にのぼる実地症例の後方解析を発表した。サイトカイン・ストームに対しては、ロシュのアクテムラがFDAの緊急使用許可を取得、ファイザーのゼルヤンツはブラジルで主要評価項目を達成した臨床試験データがNEJM誌で発表された。検査薬では、家庭でCOVID-19の迅速検査ができる自己鼻汁検査の欧州認証(CEマーク)をロシュが取得した。

ワクチン

06/28, AZN, COVID-19
Vaxzevria induced immunity for at least one year following a single dose and strong immune responses following either a late second dose or a third dose
  • バクゼブリア(アストラゼネカのCOVID-19ワクチン)は単回接種後少なくとも1年間にわたって免疫力を示し、その後2回目または3回目の接種後には強い免疫反応を誘発した。
06/27, AZN, COVID-19
First COVID-19 variant vaccine AZD2816 Phase II/III trial participants vaccinated
  • COVID-19変異種に対する初めてのワクチンとなるAZD2816はフェーズ2/3試験参加者に接種を開始した。
06/18, AZN, COVID-19
AstraZeneca welcomes Court ruling on supply of its COVID-19 vaccine to Europe
  • アストラゼネカは欧州向けCOVID-19ワクチンの供給に関する欧州第一審法廷の判決を歓迎する。(9月までに3億回分の供給を要求するECに対して法廷は8200万回分と決定した)
06/15, AZN, COVID-19
COVID-19 Vaccine AstraZeneca effective against Delta (‘Indian’) variant
  • アストラゼネカのCOVID-19ワクチンはデルタ(インド)変異種に対しても有効である。
中和抗体

06/21, GSK, COVID-19
GSK and Vir Biotechnology announce continuing progress of the COMET clinical development programme for sotrovimab
  • GSKとVirバイオテクノロジーはソトロビマブのCOMET臨床開発プログラムが順調に進展していることを発表。
06/15, AZD, COVID-19
Update on AZD7442 STORM CHASER trial in post-exposure prevention of symptomatic COVID-19
  • 濃厚接触後のCOVID-19発症予防試験 STORM CHASER試験においてアストラゼネカの持効性抗体AZD7442は主要評価項目を達成しなかった。
抗ウイルス薬

06/21, GILD, COVID-19
Gilead’s Veklury® (Remdesivir) Associated With a Reduction in Mortality Rate in Hospitalized Patients With COVID-19 Across Three Analyses of Large Retrospective Real-World Data Sets – from Nearly 100,000 Hospitalized Patients
  • ギリアドのベクラリー(レムデシビル)は入院患者10万人の実地症例を解析した3通りの分析において入院患者の死亡率減少に関与していた。
06/09, MRK, COVID-19
Merck Announces Supply Agreement with U.S. Government for Molnupiravir, an Investigational Oral Antiviral Candidate for Treatment of Mild to Moderate COVID-19
  • メルクは軽度から中等度の新型コロナウイルス感染症に対する経口抗ウイルス薬として開発中のモルヌピラビルに関する供給契約を米国政府とのあいだで締結した。
サイトカイン・ストーム

06/25, Roche, COVID-19
Roche’s Actemra/RoActemra receives U.S. FDA Emergency Use Authorization for the treatment of COVID-19 in hospitalised adults and children
  • ロシュのアクテムラはCOVID-19の入院患者(成人および小児)への治療薬として米国FDAの緊急使用許可を取得した。
06/16, PFE, COVID-19
Data Published in New England Journal of Medicine Shows Pfizer’s Tofacitinib Meets Primary Endpoint in Brazilian Study in Patients Hospitalized with COVID-19 Pneumonia
  • ファイザーのトファシチニブ(販売名:ゼルヤンツ)がブラジルのCOVID-19肺炎の入院患者を対象として主要評価項目を達成した臨床試験のデータをNEJM誌が掲載した。
検査

06/08, ROG, COVID-19
Roche obtains CE mark for the SARS-CoV-2 Antigen Self Test Nasal allowing for rapid self testing of COVID-19 at home
  • ロシュは家庭でCOVID-19の迅速検査ができるSARS-Cov-2抗原自己鼻汁検査の欧州認証(CEマーク)を取得した。

2021/05/31

海外薬事(主としてFDA)関連ニュース:2021年5月

がん関連の記事が5月も最多であった。非小細胞肺がんではいずれも初の分子標的薬となるアKRAS G12C変異に対する LUMAKRAS(一般名:ソトラシブ、アムジェン)とEGFRエクソン20挿入変異に対するMET阻害薬RYBREVANT(アミバンタマブ-vmjw、ヤンセン)がFDAによる初回承認を取得した。PD-1阻害薬の効能追加ではオプジーボの食道・胃食道接合部がん患者に対する術後補助療法、キートルーダのHER2陽性の胃・胃食道接合部がんに対する一次療法(トラスツズマブおよび化学療法剤との併用)が承認された。メルクはさらに、エーザイのマルチ受容体チロシンキナーゼ阻害薬レンビマとキートルーダの併用による進行性腎細胞がんおよび進行性子宮内膜がん治療を申請した。

その他の治療分野では子宮筋腫にともなう重度月経出血に対してマイオバント・サイエンスとファイザーが共同開発したGnRH阻害薬MYFEMBREE(マイフェンブンリー、一般名レルゴリクス)が初回承認された。多発性硬化症に承認されていたS1P受容体作動薬Zeposia(一般名:オザニモド、BMS)は潰瘍性大腸炎の効能追加が承認された。

申請段階では、中等度および重症の尋常性乾癬に承認されていたOtezla(一般名:アプレミラスト)による軽度・中等度患者への適応症拡大に関するアムジェンの申請をFDAが受理した。アムジェンはまた、難治性喘息の治療薬としてアストラゼネカと共同開発中の抗TSLP抗体テゼペルマブの承認申請(BLA)を提出した。バイエルの関連会社が開発中の肢帯型筋ジストロフィー2I/R9 (LGMD2I/R9)に対する新規のアデノ随伴ウィルスベクター(AAV)遺伝治療LION-101に関する治験届(IND)が受理された。

2021/04/30

海外薬事(主としてFDA)関連ニュース:2021年4月

 アストラゼネカのSGLT-2阻害薬ファシーガを糖尿病の有無に関わらず慢性腎不全の悪化リスクのある患者に対する治療薬としてFDAが承認した。ファシーガは昨年(2020年)5月に「糖尿病の有無に関わらず、左室駆出率低下型心不全(HFrEF)患者の死亡および入院のリスク低減」が追加効能として承認されており、今回の腎不全は糖尿病の有無に関わらない適応症として2件目となる。
 初回承認ではあるがGSKのJEMPERLIはPD-1阻害薬としては7番目であり、市場性は限定されそうである。PD-1阻害薬ではオプジーボが化学療法との併用により、PD-L1発現状態に関わらず、進行性または転移性胃がん、胃食道接合部がん、および食道腺がんの追加効能が承認され、さらに筋肉浸潤性・尿路上皮がん補助療法の追加承認を申請した。抗がん剤では他にも、加速承認されていたギリアドのTROP-2阻害薬Trodelvyが切除不能・局所進行性または転移性トリプルネガティブ乳がんに対する三次療法として本承認となり、さらに転移性尿路上皮がんの追加効能が加速承認された。タケダ薬品のEGFR阻害薬モボセルチニブがエクソン20挿入変異陽性の転移性非小細胞肺がんを適応症として承認申請し、優先審査となった。アムジェンは線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害薬ベマリツズマブが消化器がんに対してFDAの画期的治療指定(BTD)を取得した。
 自己免疫疾患ではロシュの抗IgE抗体ゾレア(オマリズマブ)の自己注射用プレフィルドシリンジがすべての適応症で承認され、アッヴィは抗IL-23薬SKYRIZI(リサンキズマブ)の乾癬性関節炎の追加効能を申請した。

2021/03/31

COVID-19関連ニュース(2021年3月)

 パンデミック宣言から1年を経て様々なCOVID-19ワクチンの効果が実証され、各社とも臨床試験から生産能力の拡充へと活動の焦点を移している。自社ワクチンの開発を中止したメルクはJ&Jワクチンを製造する。GSKは富士フィルムの欧州子会社が製造するノババックスmRNAワクチンの充填および最終製品化を支援する。GSKは同時にカナダのメディカゴと協働する植物ワクチンのフェーズ3試験を開始している。新たなワクチン開発では他にも、サノフィがmRNAワクチンのP1/2試験を開始、ノバルティスはキュアバックのmRNAワクチンを製造する初期契約を締結した。
 治療薬では中和抗体でロシュのカシリビマブとイムデビマブの併用治療が在宅患者の入院または死亡を70%減少、リリーのバムラニビマブはエテセビマブとの併用が好成績を示し、さらにGSKが提携するヴィアのVIR-7831との併用試験がP2段階にある。抗ウイルス薬ではファイザーがプロテアーゼ阻害薬のP1試験を開始した。
 サイトカイン・ストームに対する効果が期待されるロシュのアクテムラはベクラリー(レムデシビル)と併用したP3試験が不調に終わった。

Vaccine

03/31, PFE, COVID-19
Pfizer-BioNTech Announce Positive Topline Results of Pivotal COVID-19 Vaccine Study in Adolescents
ファイザー・ビオンテックはCOVID-19ワクチンの若年層を対象とする申請用臨床試験の好成績を発表した,

03/29, GSK, COVID-19
GSK to support manufacture of Novavax’ COVID-19 vaccine
ノババックスのCOVID-19ワクチン製造をGSKが支援する。

03/25, AZN, COVID-19
AZD1222 US Phase III primary analysis confirms safety and efficacy -- 76% vaccine efficacy against symptomatic COVID-19; 100% efficacy against severe or critical disease and hospitalisation
AZD1222は米国申請用フェーズIII試験の一次解析で安全性と有効性が確認された。COVID-19症状に対して76%の予防効果を示し、重症化または重篤化による入院を100%予防した。

03/17, JNJ, COVID-19
Statement on the Interim SAGE Recommendation Supporting the Use of the Johnson & Johnson COVID-19 Vaccine
J&JのCOVID-19の使用を支持するWHO戦略アドバイザー専門家グループ(SAGE)による中間報告についての声明。

03/16, GSK, COVID-19
Medicago and GSK start Phase 3 trial of adjuvanted COVID-19 vaccine candidate
メディカゴとGSKはアジュバント化COVID-19ワクチンのフェーズ3試験を開始する。

03/12, Sanofi, COVID-19
Sanofi and Translate Bio initiate Phase 1/2 clinical trial of mRNA COVID-19 vaccine candidate
サノフィとトランスレート・バイオはCOVID-19に対するmRNAワクチンのフェーズ1/2試験を開始する。 

03/11, PFE, COVID-19
Real-World Evidence Confirms High Effectiveness of Pfizer-BioNTech COVID-19 Vaccine and Profound Public Health Impact of Vaccination One Year After Pandemic Declared
パンデミック宣言から1年を経て、ファイザー・ビオンテックCOVID-19ワクチンの有効性と公衆衛生への重要な貢献が実証された。

03/04, NVS, COVID-19, Collaboration, Manufacturing
Novartis signs initial agreement with CureVac to manufacture COVID-19 vaccine candidate
ノバルティスはキュアバックのCOVID-19ワクチン候補の製造に関する初期契約に調印する。

03/02, JNJ, MRK, Collaboration, COVID-19
Johnson & Johnson Statement on Collaboration with Merck -- manufacturing arrangement will enhance our production capacity
J&Jがワクチン製造におけるメルクとの提携について声明を発表。

Neutralizing antibody


03/29, GSK, LLY, COVID-19
Lilly, Vir Biotechnology and GSK announce positive topline data from the phase 2 BLAZE-4 trial evaluating bamlanivimab with VIR-7831 in low-risk adults with COVID-19
リリー、ヴィアおよびGSKは低リスクのCOVID-19成人患者におけるバムラニビマブとVIR-7831を併用したBLAZE-4フェーズ2試験の良好な統計データを発表。

03/26, GSK, COVID-19
GSK and Vir Biotechnology announce submission of Emergency Use Authorization request to FDA for VIR-7831 for the early treatment of COVID-19
GSKとヴィア・バイオテクノロジーはVIR-7831によるCOVID-19の初期治療の緊急使用許可申請をFDAに提出した。

03/23, Roche, COVID-19
New phase III data shows investigational antibody cocktail casirivimab and imdevimab reduced hospitalisation or death by 70% in non-hospitalised patients with COVID-19
臨床試験段階の抗体カシリビマブとイムデビマブを併用する新たなフェーズIII試験において、COVID-19在宅患者の入院または死亡が70%減少した。

03/10, LLY, COVID-19
Lilly's bamlanivimab and etesevimab together reduced hospitalizations and death in Phase 3 trial for early COVID-19
リリーのバムラニビマブとエテセビマブの併用が初期COVID-19のフェーズ3試験において入院および死亡を減少した。

Antiviral agent

03/23, PFE, COVID-19
Pfizer Initiates Phase 1 Study of Novel Oral Antiviral Therapeutic Agent Against SARS-CoV-2
ファイザーはSARS-Cov-2に対する新規の経口抗ウイルス薬のフェーズ1試験を開始する。

Cytokine storm

03/11, Roche, IL-6, COVID-19
Roche provides update on the phase III REMDACTA trial of Actemra/RoActemra plus Veklury in patients with severe COVID-19 pneumonia
重症のCOVID-19肺炎患者にアクテムラとベクラリー(レムデシビル)を併用したフェーズIII試験REMDACTAは主要評価項目を達成できなかった。

Test, Misc.

None.