2012/09/07
XARELTOのACS(急性冠症候群)効能拡大を求めてFDA非承認通知(CRL)に対する回答を提出(バイエル/J&J) [9/7]
抗血液凝固薬XARELTO のACS(急性冠症候群)効能追加に対してFDAが諮問委員会(5月)の非承認勧告を経てCRLを発行したのは6月。1万5000例の大規模臨床試験ATLAS-ACSにおける脱落患者1300例の取り扱いが問題とされたが2ヵ月余りでデータ処理を完了、回答提出に至った模様。
世界初のファクターXa阻害剤として承認されたXARELTO(日本名イグザレルト錠)の適応症は当初の「整形外科手術によるDVT(深部静脈血栓症)抑制」から「心房細動患者の脳卒中予防」(SPAF: Stroke Prevention in Atrial Fibrillation)へと順調に拡大してきた。
さらに追加申請した「急性冠症候群(ACS)患者の再発予防」は抗血小板剤プラビックスが2011年世界1位となる7700億円(98億ドル)を売上げる大市場の大半を占める。
XARELTOはAFで20mg錠1日1回(夕食後)の用法用量をACSでは2.5m錠1日2回として申請している。一日用量は1/4となるが価格設定とその結果、市場規模がどうなるか注目される。
20mg錠の価格は米国で5ドル強(日本は15mg錠530円)。バイエルが計上した4-6月期売上は60億円を超し、年間300億円規模が見えてきたがピーク時目標とする20億ユーロ(2000億円)にはまだ遠い。今後ACSで競合するプラビックスの価格は300mg錠で6ドル以上だったが今年5月で特許終了、後発品が50セントで参入している。
SPAF効能で先行するベーリンガー・インゲルハイムの直接トロンビン阻害剤Pradaxa(日本名プラザキサ)との競合も注目される。発売当初7ドル近かった一日価格(150mgカプセル1日2回)は5ドルに低下したが2011年世界売上は6億ユーロ(600億円)を超えた。