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2023/10/05

FDA、ファイザー の ヒュミラ (アダリムマブ)に対する バイオシミラー ABRILADA に互換性指定付与

FDA は、ファイザーのABRILADA (adalimumab-afzb)をヒュミラ (アダリムマブ)とinterchangeable(互換性)の バイオシミラーに指定する sBLA を承認した。互換性指定は、関節リウマチ(RA)、若年性特発性関節炎、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、尋常性乾癬、化膿性汗腺炎、およびぶどう膜炎の特定の患者を含む、ABRILADA の承認された全ての効能に適用される。処方医療提供者の介入なしに、薬局で互換性 バイオシミラーを参照製品と置き換えることができる。互換性の指定は、参照製品と バイオシミラーを交互に使用する患者が参照製品のみで治療されている患者と同じ臨床結果が得られることを実証する追加のデータ要件を満たした 場合 にのみ付与される。互換性指定の根拠は、第3相REFLECTIONS B538-12 試験データによって裏付けられた。

2023/09/12

2seventy bio と JW Therapeutics 提携、T 細胞ベースの免疫療法・自己免疫療法 R&D 加速

癌免疫細胞療法のリーダーの 1 社 2seventy bio, Inc. (2seventy)と、上海に拠点を置き、細胞免疫療法の開発、製造、商業化に注力している独立系の革新的バイオ企業 JW Therapeutics (JW)は、戦略的提携を拡大する方針を発表した。
今回の戦略的提携の拡大は、2022 年に確立されたパートナーシップに基づいており、もともと大中華圏で T 細胞ベースの免疫療法製品をより迅速に探索するために設計された、同社の橋渡し研究および臨床細胞療法の開発技術基盤に基づいて構築されている。具体的には、両社は2seventy の パイプラインから最大 2 つの候補を追加する。1 つは T 細胞受容体(TCR)技術を用いた固形癌に対する効能、もう 1 つは CAR T 細胞療法を用いた自己免疫疾患の効能を目指す。

2022/09/20

EC、ループス腎炎治療薬としてcalcineurin 阻害剤LUPKYNISの販売承認認可

大塚製薬(株)は、欧州委員会(EC)より、成人の活動性ループス腎炎の効能でLUPKYNIS®(一般名:ボクロスポリン)の中央審査方式による販売承認を取得した。この承認の意思決定は、欧州連合(EU)加盟国27 カ国とEEA のアイスランド、ノルウェー、Lichtensteinリヒテンシュタイン及び北アイルランド(実質的にEU 市場に残留するが、議定書による英国関税規則に準拠)に適用される。本剤は欧州において成人の活動性ループス腎炎を対象とした初めての経口治療薬となる。 ボクロスポリンは、Aurinia Pharmaceuticals Inc.(本社:ヴィクトリア、カナダ)(Aurinia)が、自己免疫疾患である全身性エリテマトーデス(SLE)の最も深刻な合併症の1 つとされるループス 腎炎を対象に開発した新規の経口免疫抑制剤である。T 細胞の増殖・活性化に重要な酵素であるカルシニューリンを阻害することで免疫抑制作用を発揮する。Aurinia は、2021 年1 月FDA より、成人の活動性ループス腎炎の効能で販売承認を取得している。大塚製薬は、2020 年12 月に日本と欧州における独占的開発販売権をAurinia から取得するライセンス契約を締結した。

2022/09/09

新規チロシンキナーゼ2(TYK2)阻害薬による尋常性乾癬の経口治療

2022-09-09 BMY, TYK2, PsO U.S. Food and Drug Administration Approves Sotyktu™ (deucravacitinib), Oral Treatment for Adults with Moderate-to-Severe Plaque Psoriasis

ブリストルマイヤーズ・スクイブが開発した新規TYK2阻害薬デュクラバシチニブ(販売名;Sotyktu ソチクトゥ)は、成人の中等度から重度の尋常性乾癬に対する経口治療薬としてFDA承認を取得した。

2022/09/02

2022/09/02 Boehringer, IL-36, Rare disease

U.S. FDA approves first treatment option for generalized pustular psoriasis flares in adults - Spesolimab is a monoclonal antibody that inhibits interleukin-36 (IL-36) signaling and is the first treatment specifically approved for the treatment of generalized pustular psoriasis flares

成人の汎発性膿疱性乾癬のフレア(再燃)に対する初の治療オプションとして 、インターロイキン 36 (IL-36) シグナル伝達を阻害する抗体薬スペソリマブ(spesolimab)を米国FDAが承認

FDA、SPEVIGO(spesolimab)を成人の汎発性膿疱性乾癬の再発に対する初の治療選択肢として承認

FDA は、ベーリンガーインゲルハイム のSPEVIGO (一般名:spesolimab)を成人の汎発性膿疱性乾癬(GPP)に対する初めての治療選択肢として承認した。spesolimab は、GPP の病因に関与することが示されている免疫系内のシグナル伝達経路にあるインターロイキン-36 受容体(IL-36R)の活性化をブロックする新規の選択的抗体治療薬である。急性期GPP の発症を予防する維持療法として、また、掌蹠膿疱症(PPP)や化膿性汗腺炎(HS)などの他の好中球性皮膚疾患の治療薬としても研究が進められている。
FDA によるspesolimab の承認は、急性期GPP 患者を対象としたピボタル第2 相 EFFISAYIL 1 試験の結果に基づいている。試験開始時の多くの患者は、膿疱の密度が高く、生活の質が低下していた。1 週間後、spesolimab 群の54%、プラセボ群の6%で、目に見える膿疱病変が見られなくなった。さらに、1 週間後に皮膚症状が消失またはほぼ消失(GPPGA 合計スコアが0 または1)を達成した患者の割合は、プラセボ群の11%に対して、spesolimab 群では43%であった。

2022/07/28

血液樹状細胞抗原2(BDCA2)標的薬による皮膚エリテマトーデスの治療

07/28, Biogen, SLE, BDCA2

The New England Journal of Medicine Publishes Positive Phase 2 Data on Litifilimab (BIIB059) in Cutaneous Lupus Erythematosus

  • 皮膚エリテマトーデスに対する血液樹状細胞抗原2(BDCA2)標的薬リチフィリマブ(BIIB059)の良好なフェーズ2データをニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌が掲載した。

2022/06/13

経口 JAK阻害薬による円形脱毛症の治療

 06/13, LLY, JAK, Alopecia

FDA Approves Lilly and Incyte's OLUMIANT® (baricitinib) As First and Only Systemic Medicine for Adults with Severe Alopecia Areata

リリーとインサイトオルミエント(バリシチニブ)を重度の円形脱毛症の成人に対する最初で唯一の全身性治療薬としてFDAが承認した。

ファイザーも円形脱毛症の治療薬として新規の JAK阻害薬リトレシチニブ(ritlecitinib)をP3段階で開発中である。

2022/06/01

全身性エリテマトーデスにおける TYK2阻害薬の初期成績

 06/01, BMY, TYK2, SLE

Late-Breaking Data at EULAR 2022 Demonstrate Deucravacitinib Significantly Improved Disease Activity in Phase 2 PAISLEY Study in Systemic Lupus Erythematosus

デュクラバシチニブが全身性エリテマトーデスの疾患活動性を有意に改善した第2相PAISLEY試験の成績がEULAR 2022における最新データとして発表された。再発性または難治性の濾胞性リンパ腫患者に対するロシュの二重特異性抗体 Lunsumioを欧州委員会が承認した。CD20を標的とする二重特異性抗体としてはクラス初となる。

2022/03/29

S1P受容体作動薬による潰瘍性大腸炎の治療

 

03/29, PFE, S1P, Ulcerative colitis

Pfizer Announces Positive Top-line Results from Yearlong Phase 3 Trial of Etrasimod in Ulcerative Colitis, Underscoring Best-in-Class Potential

  • ファイザーはS1P受容体作動薬エトラシモドが潰瘍性大腸炎の1年間にわたる長期フェーズ3臨床試験の良好なトップライン成績を発表。ベストインクラスのポテンシャルが明確となった。

03/23, PFE, S1P, Ulcerative colitis

Pfizer Announces Positive Top-Line Results for Phase 3 Trial of Etrasimod in Ulcerative Colitis Patients

  • ファイザーはS1P受容体作動薬エトラシモドが潰瘍性大腸炎のフェーズ3臨床試験において12週間投与で効果を示した良好なトップライン成績を発表した。昨年(2021年)12月に買収統合を完了したアリーナ社の開発品である。

2022/03/16

JAK阻害薬による潰瘍性大腸炎の治療

03/16, ABBV, JAK, Ulcerative colitis

RINVOQ® (upadacitinib) Receives FDA Approval for the Treatment of Adults with Moderately to Severely Active Ulcerative Colitis

  • アッヴィのリンボック(ウパダシチニブ)は中等度から重度の活動性・潰瘍性大腸炎の成人に対する治療薬としてFDA承認を取得した。

2022/02/18

潰瘍性大腸炎にたいする新規抗IL-23抗体の治験成績

 02/18, LLY, IL-23, UC

Nearly Two-Thirds of Patients Respond to Mirikizumab Treatment at 12 Weeks in Lilly's First-in-Class Ulcerative Colitis Phase 3 LUCENT-1 Study
  • リリーの潰瘍性大腸炎フェーズ3LUCENT-1臨床試験においてミリキズマブ投与後12週間でほぼ3分の2の患者に効果が見られた。

2021/11/29

TYK2阻害薬による尋常性乾癬治療の承認申請

 11/29, BMY, PsO, TYK2

Bristol Myers Squibb’s Applications for Deucravacitinib for the Treatment of Moderate to Severe Plaque Psoriasis Accepted by U.S. Food and Drug Administration and Validated by European Medicines Agency
  • ブリストルマイヤーズ・スクイブが中等度から重度の尋常性乾癬の治療薬をめざすデュークラバシチニブの承認申請を米国FDAおよび欧州医薬品庁が受理した。

2021/08/02

インターフェロン受容体阻害薬による全身性エリテマトーデスの治療

 08/02, AZN, SLE, IFN receptor

Saphnelo (anifrolumab) approved in the US for moderate to severe systemic lupus erythematosus
  • 中等症から重症の全身性エリテマトーデスに対する治療薬としてアストラゼネカが開発した抗インターフェロン受容体抗体サフネロ(アニフロルマブ)が米国で承認された。

2021/05/27

潰瘍性大腸炎に対するS1P受容体作動薬による治療

 05/27, BMY, S1P, Ulcerative colitis

U.S. Food and Drug Administration Approves Bristol Myers Squibb’s Zeposia® (ozanimod), an Oral Treatment for Adults with Moderately to Severely Active Ulcerative Colitis

  • ブリストルマイヤーズ・スクイブが開発した Zeposia(ゼポシア、一般名:オザニモド)を中度から重度の潰瘍性大腸炎患者に対する経口治療薬としてFDAが承認した。

2021/02/25

IL-2突然変異タンパクによる制御性T細胞の活性化

02/25, MRK, M&A, IL-2, Ulcerative colitis
Merck to Acquire Pandion Therapeutics --Acquisition Adds Pipeline of Candidates Targeting a Broad Range of Autoimmune Diseases
  • メルクはインターロイキン2(IL-2)突然変異タンパクによる制御性T細胞の活性化を薬効薬理とする潰瘍性大腸炎治療薬PT101のフェーズ1a試験を完了した臨床開発段階のバイオベンチャー企業Pandion Therapeuticsの全株式を総額19億ドル(2000億円)で買収する。

2021/02/22

JAK阻害薬による潰瘍性大腸炎の治療

02/22, ABBV, JAK, UC
Second Phase 3 Induction Study Confirms Upadacitinib (RINVOQ™) Improved Clinical, Endoscopic and Histologic Outcomes in Ulcerative Colitis Patients
  • ウパダシチニブ(販売名:RINVOQ)は二本目の導入治療フェーズ3試験において、潰瘍性大腸炎患者の臨床症状、内視鏡検査および病理学的アウトカムを改善した。
(参考)
アッヴィは昨年(2020年)12月にウパダシチニブのい1本目のフェーズ3導入治療臨床試験U-ACHIEVEにおいて、主要評価項目の「投与開始8週後の臨床的緩解(適合Mayo基準)」およびすべての二次的評価項目を達成した、と発表した。ウパダシチニブはアッヴィが開発したJAK阻害薬で、FDAは2019年8月に関節リウマチを適応症として初回承認した。経口JAK阻害薬による潰瘍性大腸炎の治療は抗リウマチ薬ゼルヤンツ(ファイザー、2012年発売)が2018年に承認されている。ギリアドのフィルゴチニブは2020年10月に申請用フェーズ2b/3試験で導入療法と維持療法の両方で好成績が確認され、欧州では先行して11月に承認されている。

2021/02/01

S1P受容体調節剤による潰瘍性大腸炎の治療

02/01, BMY, S1P, UC
Bristol Myers Squibb Application for Zeposia® (ozanimod) for the Treatment of Ulcerative Colitis Accepted for Filing with Priority Review by U.S. Food and Drug Administration
  • ブリストルマイヤーズ・スクイブ(BMY)が潰瘍性大腸炎の治療薬として申請したZeposia(一般名:オザニモド)をFDAが優先審査に指定した。
(参考)ゼポシアはBMYが2019年に買収統合したセルジーンが開発したS1P受容体アンタゴニストである。昨年(2000年)3月に多発性硬化症を適応症としてFDA承認を取得した。2020年第4四半期(3か月)の売上は900万ドル(10億円)にとどまるが、S1P受容体アンタゴニストとして先行するジレニア(ノバルティス)は30億ドル(3200億円)だった。ノバルティスは特許満了を迎えるジレニア後継品の多発性硬化症治療薬としてMayzent(一般名:シポニモド)を発売しているが2020年売上は2億ドル以下にとどまっている。Zeposiaが効能追加をめざす潰瘍性大腸炎は専門治療薬が乏しく、ヒュミラ、レミケード、ゼルヤンズなどの慢性リウマチ治療薬や、ステラーラなどの乾癬治療薬がすでに相次いで効能追加している。

2021/01/06

タケダ薬品のR&D説明会(2020年12月9日開催)について(あらためてシャイアー問題を検証する)

10年後 2030年の目標とする売上収益5兆円の根拠を示す説明が不十分であったためか、株式市場の反応は冷ややかだった。量的にも直ちに理解することは難しい内容だったが会社説明の論点を、

① シャイアー統合後の売上収益は3兆3000億円前後のまま低迷しているが、「 5 年後の2024 年度には、主力品の落ち込み 45億ドル(ほぼ5000億円)を上回るグローバル製品の増加 80 億ドルが貢献して3兆5000 億円へと拡大する」、

② 「 10 年後の 2030 年にはパイプラインから 1兆 5000億円が貢献して 5 兆円に達する」、

という2つの段階に分けて考察してみたい。

まず、②「10年後(2030年)のパイプライン評価額1兆5000億円」については、全品目の成功確率を100%と仮定した非現実的な数値であった。一方で、その成功確率を半分以下に見積もった 6000億円程度が「WAVE 1 PTS調整後」としてグラフに示されており、全体としては信憑性が保たれているよう見える。しかしながら、根拠がないとさえ感じられる過大な数値を10年後の目標としてCEOが説明会の冒頭に発表しており、無責任な印象が強く残った。また、内容を詳細に見ていくと、個々の数値目標にも多くの疑問が残る。

特に問題なのは、 最大プロジェクト として60億ドル(6500億円)を見込むオレキシン化合物のナルコレプシー治療薬である。額面通りに実現すれば、グローバル製品の売上ランキングでトップ10に入ることになる。しかし、希少病治療薬におけるこれまでの最大売上は、アレクシオンのヘモグロビン尿症治療薬ソリリスの39億ドル(4200億円)であり、ランキングは21位である。

タケダのナルコレプシー治療薬がソリリスを2300億円も上回るという計画の根拠は不明である。経口剤のTAK-994は登録症例数202例を目標とするフェーズ2試験段階にあり、完了するのは2021年5月の予定、注射剤のTAK-925はフェーズ1を終了したばかりである。フェーズ2も終了していない段階ではどうのような根拠であれ、責任ある説明にはならない。2021年4月6日に開催される投資家イベントでの詳細説明が待たれる。

前後したが、①「5年後(2024年)に想定される既存製品の減少」については45億ドルにとどまらないと予測される。説明資料8ページのグラフでは、2019年度に3300億円だった血友病領域は2000億円前後へと40%ほどしか減少しない想定と見えるが、さらに1000億円減少して3分の1(1100億円)以下となる可能性が高いと思われる。

その根拠は、ロシュの二重特異性抗体ヘムライブラだけでなく、バイエルのJivi、ノボノルディスクのESPEROCT、サノフィのEloctateといったPEG化遺伝子組み換えファクターVIII製剤との競合が激化していることにより、アドベイトの後継品アディノベイトの成長が見込めないからである。さらに、ファイザーが発表した新規抗TFPI抗体やフェーズ3に進んだ遺伝子治療SB-525など、5年後にはさまざまな競合品が市場に参入している可能性が大きい。

仮に、全体の売上減少額が想定通り45億ドルにとどまるとしても、グローバルブランドによる上乗せ額として想定する80億ドルが45億ドル(4800億円)を下回る可能性が高く、売上収益は横ばいを維持することさえ困難な状況と見える。

タケダが期待する上乗せ額45億ドルの2/3以上は、2024年度売上65億ドル(2019年比33億ドル増加)を見込む潰瘍性大腸炎治療薬エンティビオの増加である。しかし、市場競合と開発パイプラインの状況を見ると、エンティビオの売上は47億ドル(5000億円)程度、15億ドルの増加にとどまりそうである。

最大の競合品であるヤンセンの抗IL-23抗体ステラーラ(適応症:潰瘍性大腸炎/クローン病、尋常性乾癬、乾癬性関節炎)の2019年売上は、グローバル医薬品売上8位となる67億ドルである。比較すると、エンティビオには消化器領域の適応症しかないうえ、最大市場の米国では皮下注製剤の承認が遅れている。さらに経口JAK阻害剤の抗リウマチ薬が続々と潰瘍性大腸炎へ適応拡大されてくる状況から、競合が激化すると予想される。

多発性骨髄腫治療薬ニンラーロに対する期待も過剰気味である。一次療法の効能追加に失敗し、高位予想20億ドルどころか、低位予想の15億ドルも厳しい状況である。同じ2015年に発売されたヤンセンのダーザレックスは、昨年、一次療法の効能追加が承認され、売上は1000億円増加、3000億円に達している。

「武田薬品の将来を考える会」のレポートでは、エンティビオとニンラーロの現状を分析し、タケダ薬品が想定する3つの数値、

(1) 2030年5兆円の売上収益

(2) 2024年までの主力品減少額 45億ドル

(3) 2024年までのグローバル製品の上乗せ80億ドル

について、現実性を分析している。

おわりに(シャイアーの買収統合を振り返って)

タケダ経営陣が想定する以下3つの数値からみて、シャイアー社統合の成否について考察する。
  ① 2030年5兆円の売上収益
  ② 2024年までの主力品の売り上げ減少額 45億ドル
  ③ 2024年までのグローバル製品の上乗せ 80億ドル

まず、① 2030年(10年後)の売上収益目標5兆円については、タケダ経営陣が想定する研究開発パイプラインの貢献額 1兆5000億円において旧シャイアー社製品の合計は4000億円以下(34億ドル)であり、現実的には2000億円にも満たない。

一方、②5年後(2024年)に想定する45億ドル(4800億円)の売上減少は、2/3以上(3300億円)がシャイアー社製品によるものである。さらに、2024年までに米国において特許満了となる11品目の内、10品目(2019年度売上合計4300億円以上)がシャイアー社製品である。

このような状況から、タケダが公表した2030年までの売上予想額において シャイアー社買収はマイナス要因となっているように見える。さらに、③ 5年後(2024年度)にタケダが期待する「グローバルブランド12品目による80億ドル以上の上乗せ」については、実現の可能性が低いと思われるが、この数値においても旧シャイアー品目の貢献は26億ドル(2800億円)と1/3以下である。

このようにタケダが示している製品売上予想を分析してみると、シャイアー社買収に起因する問題が浮かびあがってくる。いずれにしても当面の焦点はタケダが5年後(2024年度)に想定する既存製品の減少45億ドルと、これを上回るとするグローバルブランドによる貢献80億ドルの現実性である。

現実的な想定で試算すると減少額は45億ドルを上回り、グローバルブランドによる上乗せ額は45億ドル前後にとどまる。すなわち、今後5年間の成長はほとんど見込めず、最終損益の回復も見通せない状況が続くと判断される。

2020/12/09

JAK阻害薬による潰瘍性大腸炎の治療

12/09, ABBV, JAK inhibitor, Ulcerative colitis

Upadacitinib (RINVOQ™) Meets Primary and All Ranked Secondary Endpoints in First Phase 3 Induction Study in Ulcerative Colitis
  • ウパダシチニブ(販売名:RINVOQ)は潰瘍性大腸炎に対する最初の導入治療フェーズ3試験において主要評価項目とすべての二次的評価項目を達成した。

潰瘍性大腸炎の中等度から重症の成人患者を対象としたフェーズ3導入治療臨床試験U-ACHIEVEにおいて、ウパダシチニブは1日1回45㎎経口投与で主要評価項目とした「投与開始8週後の臨床的緩解(適合Mayo基準)」およびすべての二次的評価項目を達成した。ウパダシチニブ投与群の26%が臨床的緩解を達成したのに対してプラセボ群では5%だった(p<0.001)。

(参考)

潰瘍性大腸炎(UC)の適応症を持つ最大製品はヤンセンのIL-23阻害薬ステラーラである。尋常性乾癬を初回適応症として2009年に承認され、2016年9月にクローン病、2019年10月に潰瘍性大腸炎の効能追加が承認された、2020年の売上高は10億ドル以上増加して74億ドル(7500億円)を超える見通しである。タケダ薬品のエンティビオは2014年に潰瘍性大腸炎とクローン病を適応症に2週間から8週間に1回投与の静脈注射剤として承認された。欧州では皮下注射製剤が本年(2020年)5月に承認され年間売上は700億円増加して4000億円を超えそうだ。しかし、米国では2019年12月に皮下注射製剤の審査終了通知が発行され、未承認のままである。

経口JAK阻害薬による潰瘍性大腸炎の治療は抗リウマチ薬ゼルヤンツ(ファイザー、2012年発売)が2018年に承認された。ギリアドのフィルゴチニブは2020年10月に申請用フェーズ2b/3試験で導入療法と維持療法の両方で好成績が確認され、欧州では先行して11月に承認されている。ウパダシチニブ(販売名:リンヴォック、アッヴィ)は2019年に関節リウマチを初回適応症として承認され、本年(2020年)に入ると効能追加の申請を尋常性乾癬(6月)、強直性脊椎炎(8月)、アトピー性皮膚炎(10月)と相次いで提出している。潰瘍性大腸炎は2021年中に5番目の適応症として承認される見通しである。