バイエル は、2022 年欧州心臓病学会(ESC 2022)において、ケレンディア(一般名:フィネレノン)がプラセボと比較して、初期から後期の慢性腎疾患(CKD) および 2 型糖尿病 (T2D)の幅広い患者を通じて、心臓突然死の発生率を大幅に減少させる可能性を強く示唆するデータを報告した。ケレンディアは、非ステロイド 性の選択的ミネラルコルチコイド 受容体(MR) 拮抗薬で、MR の過剰活性化の有害な影響をブロックする。MR の過剰活性化はCKD の進行と代謝、血行動態、又は炎症性及び線維性要因により惹起される心血管損傷の一因になる。
第3 相 FIDELIO-DKD 試験とFIGARO-DKD 試験をプールしたFIDELITY 試験では、全集団における全死亡率は、フィネレノン群 8.5%、プラセボ群で9.4% であった [HR= 0.89 (95% CI: 0.79- >1.00); p=0.051]。心血管系死亡率が最も一般的な死因として報告された(フィネレノン4.9% vs. プラセボ 5.6%)。フィネレノンは、プラセボと比較して心臓突然死を有意に減少させることが判明した[HR= 0.75(95% CI: 0.57- <1.00); p=0.046]。
ケレンディア は 2021 年 7 月にFDA、2022 年 2 月EC、2022年3 月に厚生労働省から承認されている。
2022/08/29
2021/11/24
高脂血症を対象とするアンチセンス薬 vupanorsen が P2b試験で主要評価項目を達成
antisense 薬開発企業Ionis Pharmaceuticals, Inc.(Ionis)は、導出先のファイザーが、antisense 薬vupanorsen(旧IONIS-ANGPTL3-LRx)の第2b 相試験に関するトップラインの結果を入手したと発表した。
Vupanorsenは、 Ionis によって創製され、CV リスクの低減と重度の高トリグリセリド血症(SHTG)の潜在的な適応症のためファイザー によって開発されているantisense 療法で、肝臓でのTG とコレステロール代謝の重要な調節因子であるANGPTL3 タンパク質の産生を抑制するように設計されている。第2b 相TARgeting ANGPTL3 試験は、成人の脂質異常症(TRANSLATE-TIMI 70)に対するantisense oligonucleotide vupanorsen を評価する試験で、脂質異常症の286 人の被験者を登録した。
非HDL コレステロール(C)および TGが上昇した被験者を対象にした用量設定試験では、試験は主要評価項目を達成し、全ての用量でプラセボと比較して非HDL-C を統計的に有意に減少させた。さらに、vupanorsen で治療された被験者は、全ての用量レベルでプラセボと比較してTG およびANGPTL3 について統計的に有意な減少を達成した。
Vupanorsenは、 Ionis によって創製され、CV リスクの低減と重度の高トリグリセリド血症(SHTG)の潜在的な適応症のためファイザー によって開発されているantisense 療法で、肝臓でのTG とコレステロール代謝の重要な調節因子であるANGPTL3 タンパク質の産生を抑制するように設計されている。第2b 相TARgeting ANGPTL3 試験は、成人の脂質異常症(TRANSLATE-TIMI 70)に対するantisense oligonucleotide vupanorsen を評価する試験で、脂質異常症の286 人の被験者を登録した。
非HDL コレステロール(C)および TGが上昇した被験者を対象にした用量設定試験では、試験は主要評価項目を達成し、全ての用量でプラセボと比較して非HDL-C を統計的に有意に減少させた。さらに、vupanorsen で治療された被験者は、全ての用量レベルでプラセボと比較してTG およびANGPTL3 について統計的に有意な減少を達成した。
2021/08/30
抗凝固剤edoxaban (LIXIANA) のENVISAGE-TAVI AF 試験結果を欧州心臓病学会議で発表
8 月30 日、第一三共は、経口抗凝固剤edoxaban(LIXIANA)の経catheter 動脈弁置換術
(TAVI)を施行した心房細動患者を対象にした 第3b 相ENVISAGE-TAVI AF 試験において、主要評価項目を達成したと発表した。本試験結果は、欧州心臓病学会議(ESC Congress 2021)で発表されると共に、NEJM 誌に掲載された。
1. 第3b 相ENVISAGE-TAVI AF 試験:
本試験は、TAVI を施行した心房細動患者1,426 人を対象に、edoxaban 群とwarfarin 群の有効性及び安全性を最大3 年間評価した非劣性比較試験。有効性の主要評価項目の総死亡、心筋梗塞、虚血性脳卒中、全身性血栓塞栓症、弁血栓症及び重大な出血の発現率の評価項目について、edoxaban 群はvitamin K 拮抗薬warfarin 群に対し非劣性を示し、初期の目的を達成した(edoxaban 群:17.3%/年 vs. warfarin 群:16.5%/年)。安全性の主要評価項目である重大な出血は、edoxaban 群で多く発生したが(edoxaban 群:9.7%/年 vs. warfarin 群:7.0%/年)、致死的な出血は両群間で差はなかった。
2. EDOSURE プログラム:
edoxaban 臨床研究プログラムで、全世界10 万人以上の患者を対象に10 試験以上の臨床研
究を実施している。第一三共は、edoxaban の科学的知見を継続的に発展させるよう取り組んでいる。edoxaban 臨床研究プログラムは、グローバル第3 相臨床試験のENGAGE AF 及びHokusai VTE 試験結果を基盤に、心房細動や静脈血栓塞栓症の患者へのedoxaban の使用について、臨床試験や使用実態下のデータ創出を目的としている。EDOSURE は、これまでに完了、又は継続、計画中の試験を含めて10 試験以上の無作為化比較試験、レジストリー及び非無作為化比較試験に全世界で10 万人以上の患者登録を予定している。心房細動・静脈血栓塞栓症患者における新たな臨床データや実臨床データの創出で医療関係者や患者がedoxaban による治療について更なる安心感を持って貰えるよう活動していく。(完)
(主な出典:https://www.daiichisankyo.co.jp/files/news/pressrelease/pdf/202108/20210830_J1.pdf他)
2021/01/21
FDA、可溶性Guanylate Cyclase Stimulator, VERQUVO、心不全治療薬として優先審査承認
FDA が、Merck/MSD の可溶性guanylate cyclase (sGC)刺激剤VERQUVO(vericiguat)について、症候性慢性心不全および駆出率が45%未満の成人における心不全による入院、または外来での静注利尿薬投与の必要性に続いて、その後の心血管死および心不全入院のリスク軽減を効能として優先審査で承認した。
ピボタル第3 相VICTORIA 試験では,慢性心不全 [NewYork 心臓協会(NYHA)分類 II~IV 度]で駆出率が 45%未満の患者 5,050 人を,ガイドラインに基づく薬物療法に加え,vericiguat(目標用量 10 mg 1 日 1 回)投与群とプラセボ 投与群に割り付けた。主要評価項目は、心血管系の原因による死亡、または心不全による初回入院による複合評価であった。
VERQUVO は、イベントまでの時間解析に基づいて主要有効性評価項目を達成した [ハザード比(HR):0.90、95%CI; 0.82-0.98; p = 0.019]。試験の過程で、プラセボと比較して、VERQUVO の年間絶対リスクは4.2%減少した。
ピボタル第3 相VICTORIA 試験では,慢性心不全 [NewYork 心臓協会(NYHA)分類 II~IV 度]で駆出率が 45%未満の患者 5,050 人を,ガイドラインに基づく薬物療法に加え,vericiguat(目標用量 10 mg 1 日 1 回)投与群とプラセボ 投与群に割り付けた。主要評価項目は、心血管系の原因による死亡、または心不全による初回入院による複合評価であった。
VERQUVO は、イベントまでの時間解析に基づいて主要有効性評価項目を達成した [ハザード比(HR):0.90、95%CI; 0.82-0.98; p = 0.019]。試験の過程で、プラセボと比較して、VERQUVO の年間絶対リスクは4.2%減少した。
2020/06/01
抗血小板薬による心臓発作および脳卒中のリスク軽減
06/01 AZN, Anti-platelet
- Brilinta approved in the US to reduce the risk of a first heart attack or stroke in high-risk patients with coronary artery disease
ブリリンタは心臓発作および脳卒中を含む急性冠動脈症候群の患者に対する維持療法として2011年に初回承認され、昨年(2019年)の売上高は前年比20%増16億ドル(1700億円)だった。今回の予防効能は高リスク患者に限定されるものの、さらなる成長をもたらすと期待される。
2020/01/16
GLP-1アナログ製剤による心血管リスク軽減
01/16 Novo, GLP-1 analog, CV risk
- Ozempic® approved in the US for CV risk reduction in people with type 2 diabetes and established CVD
ノボノルディスクが開発したGLP-1アナログ製剤セマグルチドの週1回皮下注製剤OzempicについてFDAは2型糖尿病患者だけでなく、心血管疾患の確定診断を受けている患者も対象として、「心血管リスク軽減」の効能追加を承認した。
2018/06/18
東京農工大発、微生物由来第2 相段階の脳梗塞治療薬TMS-007、Biogen と導出契約締結(6月7日)
株式会社ティムス(TMS Co., Ltd.)(本社:府中市)は、急性期脳梗塞患者を対象とした前期第2 相臨床試験段階にある開発品TMS-007 注射剤の導出について、独占的オプション契約をBiogen と締結したと発表した。
TMS-007 は、糸状菌Stachybotrys microspora IFO30018 株が生産するtriprenyl phenol を基本骨格とする新規化合物群で、頭文字をとってSMTP とも呼ばれる。
低分子化合物で、生体が本来有している血栓除去作用の増強作用と、血栓部位の炎症抑制作用の、2 つの作用を有すると考えられている。TMS-007 の血栓除去作用は、プラスミノーゲン のコンフォメーション(立体構造)の変化に基づくプラスミノーゲンのフィブリン への結合とプラスミン への活性化の促進に基づくとされている。これにより血栓が存在する局所において血栓溶解が促進され、出血リスクの少ない血栓溶解が可能になると期待されている。また、可溶性epoxide hydrolase を阻害することによる抗炎症作用は、虚血再灌流により引き起こされる血管障害を緩和する機能を有すると考えられている。
TMS社は、東京農工大学大学院農学研究院 蓮見惠司教授の研究成果の実用化をミッションとして 2005 年2 月17 日に設立された。これまで新株発行等により約11 億円の資金調達を行い、パイプラインの充実を図ってきた。
TMS-007 は、糸状菌Stachybotrys microspora IFO30018 株が生産するtriprenyl phenol を基本骨格とする新規化合物群で、頭文字をとってSMTP とも呼ばれる。
低分子化合物で、生体が本来有している血栓除去作用の増強作用と、血栓部位の炎症抑制作用の、2 つの作用を有すると考えられている。TMS-007 の血栓除去作用は、プラスミノーゲン のコンフォメーション(立体構造)の変化に基づくプラスミノーゲンのフィブリン への結合とプラスミン への活性化の促進に基づくとされている。これにより血栓が存在する局所において血栓溶解が促進され、出血リスクの少ない血栓溶解が可能になると期待されている。また、可溶性epoxide hydrolase を阻害することによる抗炎症作用は、虚血再灌流により引き起こされる血管障害を緩和する機能を有すると考えられている。
TMS社は、東京農工大学大学院農学研究院 蓮見惠司教授の研究成果の実用化をミッションとして 2005 年2 月17 日に設立された。これまで新株発行等により約11 億円の資金調達を行い、パイプラインの充実を図ってきた。
2017/12/11
Janssen Submits Supplemental New Drug Application to FDA Seeking New Indications for XARELTO® (rivaroxaban) for Patients with Chronic Coronary and/or Peripheral Artery Disease (CAD/PAD)
December 11, 2017 Janssen, Factor Xa inhibitor, CAD/PAD
December 11, 2017 Janssen, Factor Xa inhibitor, CAD/PAD
- ヤンセンはファクターXa阻害薬イグザレルト2.5mg錠一日2回投与による慢性冠状動脈疾患(CAD)および末梢動脈疾患(PAD)の追加効能をFDAに申請(sBLA)した。欧州医薬品庁(EMA)への申請はバイエルが11月に提出済み。
2017/11/06
リバーロキサバンの冠状動脈疾患および末梢動脈疾患への効能追加を欧州で申請
Bayer submits application for marketing approval of rivaroxaban for patients with coronary or peripheral artery disease to European Medicines Agency
November 6, 2017
Bayer, Factpr Xa inhibitor,
November 6, 2017
Bayer, Factpr Xa inhibitor,
- ファクターXa阻害薬リバーロキサバンについて、冠状動脈疾患および末梢動脈疾患の効能を追加する申請をバイエルが欧州で提出した。
2017/07/27
PCSK9 阻害剤レパーサ(一般名:エボロクマブ)の効能追加申請(sBLA) を優先審査に指定
大規模心血管系アウトカム試験FOURIER のデータに基づいてアムジェンが提出したsBLAが承認されれば、「重大な心血管系イベントのリスク軽減」が添付文書に追加される。FDAの審査期限(PDUFAゴール)は2017 年12 月2 日に設定された。
FOURIER 試験は国際共同、第3 相、二重盲検、プラセボ対照、27,564 人の患者を登録して、レパーサ とスタチン の併用効果を証明した。主要評価項目は、心血管系疾患死、心筋梗塞、脳卒中、不安定狭心症による入院、あるいは冠血行再開術までの時間である。さらに、心血管系疾患死、心筋梗塞または脳卒中までの時間を副次評価項目とした。
スタチン療法にレパーサを上乗せすることにより、最初の心臓発作、脳卒中、または心血管系疾患死発症までの時間を副次複合評価項目で示された厳しい重篤な有害CV イベント(MACE)は、統計学的有意差を以って20%(p<0.001) 軽減された。また、不安定狭心症による入院、冠血行再開術、心臓発作、脳卒中、または心血管系疾患死を含む拡大MACE 複合主要評価項目のリスクを15% 軽減させた。主要評価項目および副次評価項目双方におけるリスク軽減の強さは、時間の経過とともに強くなり、早くて治療開始6 ヵ月で確たるベネフィットを示し、試験の中央値2.2 年まで持続した。副次複合評価項目について、探索的な解析では1 年目に16%、2 年目に1 年目を越える25%を達成した。
FOURIER 試験は国際共同、第3 相、二重盲検、プラセボ対照、27,564 人の患者を登録して、レパーサ とスタチン の併用効果を証明した。主要評価項目は、心血管系疾患死、心筋梗塞、脳卒中、不安定狭心症による入院、あるいは冠血行再開術までの時間である。さらに、心血管系疾患死、心筋梗塞または脳卒中までの時間を副次評価項目とした。
スタチン療法にレパーサを上乗せすることにより、最初の心臓発作、脳卒中、または心血管系疾患死発症までの時間を副次複合評価項目で示された厳しい重篤な有害CV イベント(MACE)は、統計学的有意差を以って20%(p<0.001) 軽減された。また、不安定狭心症による入院、冠血行再開術、心臓発作、脳卒中、または心血管系疾患死を含む拡大MACE 複合主要評価項目のリスクを15% 軽減させた。主要評価項目および副次評価項目双方におけるリスク軽減の強さは、時間の経過とともに強くなり、早くて治療開始6 ヵ月で確たるベネフィットを示し、試験の中央値2.2 年まで持続した。副次複合評価項目について、探索的な解析では1 年目に16%、2 年目に1 年目を越える25%を達成した。
Link »アムジェン、
2017/03/17
アムジェンがPCSK9 阻害剤evolocumab(商品名レパーサ)の心血管系疾患患者に対する臨床アウトカム成績を発表
アムジェンの抗PCSK9 抗体evolocumab の心血管系疾患患者に対する臨床効果を検証したFOURIER 試験の結果がN Engl J Med誌上に掲載された。FOURIER試験は、スタチン療法中のアテローム性動脈硬化症患者27,564 人を登録した、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験である。患者はLDL-C が70 mg/dL以上で、evolocumab群[140 mg Q2W、または420 mg QM]、またはプラセボ群 の何れかに無作為に割付けられた。主要評価項目は心血管死、心筋梗塞、または脳卒中の複合評価であった。フォローアップ中央値は2.2 年。
48 週の時点で、プラセボと比較して、最小二乗平均のLDL-C 低下のパーセンテージが ベースラインの中央値92 mg/dLから30 mg/dLと59%の低下を達成した(P<0.001)。 プラセボ に比べてevolocumabは有意に主要評価項目のリスクを軽減した[1,344 人(9.8%) vs. 1,563 人(11.3%)、ハザード比(HR)=0.85; 95%CI; 0.79, 0.92;p<0.001]。重要な副次評価項目 [816 人(5.9%) vs. 1,013 人(7.4%); HR=0.80; 95%CI; 0.73, 0.88; p<0.001]も達成された。また、LDL-C レベルのベースライン [中央値;74 mg/dL] の最低の4 分位の患者のサブグループを含め、重要なサブグループを通じて同様の効果を示した。
(参考)
アムジェンの株価は米国心臓病学会(ACC)におけるFOURIER試験の成績発表直後に6%下落した。好成績ではあるが高薬価を正当化できるほどの素晴らしい成績ではない、という評価となった模様。
48 週の時点で、プラセボと比較して、最小二乗平均のLDL-C 低下のパーセンテージが ベースラインの中央値92 mg/dLから30 mg/dLと59%の低下を達成した(P<0.001)。 プラセボ に比べてevolocumabは有意に主要評価項目のリスクを軽減した[1,344 人(9.8%) vs. 1,563 人(11.3%)、ハザード比(HR)=0.85; 95%CI; 0.79, 0.92;p<0.001]。重要な副次評価項目 [816 人(5.9%) vs. 1,013 人(7.4%); HR=0.80; 95%CI; 0.73, 0.88; p<0.001]も達成された。また、LDL-C レベルのベースライン [中央値;74 mg/dL] の最低の4 分位の患者のサブグループを含め、重要なサブグループを通じて同様の効果を示した。
(参考)
アムジェンの株価は米国心臓病学会(ACC)におけるFOURIER試験の成績発表直後に6%下落した。好成績ではあるが高薬価を正当化できるほどの素晴らしい成績ではない、という評価となった模様。
2016/05/21
ノバルティスのエントレスト、承認取得後1 年以内で欧米の心不全ガイドラインでClassⅠ推奨
ノバルティスの新薬エントレストentresto(ネプリライシン阻害薬・sacubitrilとARB・バルサルタンの配合剤)について、米国心臓病学会(ACC)、米国心臓病協会(AHA)、米国心不全学会(HFSA)および欧州心臓病学会(ESC)が同時に発表した改訂版臨床診療ガイドラインにおいて、ENTRESTO(sacubitril/valsartan) (LCZ696)が最も強力な推奨を意味するClass I の推奨を得た。
米国では、ACE 阻害剤またはアンジオテンシン II 受容体拮抗剤(ARB)に替わり、エントレストが、β遮断剤およびアルドステロン 拮抗剤との併用で左室駆出率が低下した心不全(HFrEF)の標準治療法とされた。
米国では、ACE 阻害剤またはアンジオテンシン II 受容体拮抗剤(ARB)に替わり、エントレストが、β遮断剤およびアルドステロン 拮抗剤との併用で左室駆出率が低下した心不全(HFrEF)の標準治療法とされた。
ガイドライン推奨の概要:
1) 軽度から中等度の症状のあるHFrEF 患者;ACE 阻害剤またはARB からエントレスト への切り替えを呼びかけている。
2) 米国ガイドライン;ACE 阻害剤またはARB に代わり、エントレスト をHFrEF の標準治療に推奨し、軽度~中等度の症状のある患者には、エントレスト への切り替えを呼びかけている。
3) 欧州心臓病学会(ESC)による改訂版ガイドライン;PARADIGM-HF 試験で検討した集団と同様の患者については、ACE 阻害剤またはARB をエントレスト に変更するよう推奨。
4) 両ガイドライン;エントレスト が患者の心血管系死または心不全による入院のリスクを有意に減少させるというベネフィットを強調している。
PARADIGM-HF 試験は、8,442 名のHFrEF 患者を対象に、エントレストの有効性と安全性をACE 阻害剤エナラプリルと比較検討した無作為化、二重盲検、第3 相試験。NYHA 心機能分類クラスII-IV の典型的なHFrEF患者を対象として、エントレスト がエナラプリルと比較して心血管死を15%以上抑制できるかを検討するようデザインされた。最適な治療が行われている患者に、エントレストまたはエナラプリルが上乗せ投与された。主要評価項目は、心血管系死及び心不全による入院からなる複合評価項目の初回発現までの時間で、心不全試験では過去最大規模の試験である。
心不全は、生命を脅かす消耗性の病態で、世界で6 千万人以上が罹患、65 歳以上の入院の主要原因になっている。患者の約半数がHFrEF で、左室駆出率が低下すると心臓が十分な力で収縮できず送り出す血液量が減少する。心不全は、医療経済学的にも大きな負担で、現在のコストは毎年1,080 億ドルに達する。
1) 軽度から中等度の症状のあるHFrEF 患者;ACE 阻害剤またはARB からエントレスト への切り替えを呼びかけている。
2) 米国ガイドライン;ACE 阻害剤またはARB に代わり、エントレスト をHFrEF の標準治療に推奨し、軽度~中等度の症状のある患者には、エントレスト への切り替えを呼びかけている。
3) 欧州心臓病学会(ESC)による改訂版ガイドライン;PARADIGM-HF 試験で検討した集団と同様の患者については、ACE 阻害剤またはARB をエントレスト に変更するよう推奨。
4) 両ガイドライン;エントレスト が患者の心血管系死または心不全による入院のリスクを有意に減少させるというベネフィットを強調している。
PARADIGM-HF 試験は、8,442 名のHFrEF 患者を対象に、エントレストの有効性と安全性をACE 阻害剤エナラプリルと比較検討した無作為化、二重盲検、第3 相試験。NYHA 心機能分類クラスII-IV の典型的なHFrEF患者を対象として、エントレスト がエナラプリルと比較して心血管死を15%以上抑制できるかを検討するようデザインされた。最適な治療が行われている患者に、エントレストまたはエナラプリルが上乗せ投与された。主要評価項目は、心血管系死及び心不全による入院からなる複合評価項目の初回発現までの時間で、心不全試験では過去最大規模の試験である。
心不全は、生命を脅かす消耗性の病態で、世界で6 千万人以上が罹患、65 歳以上の入院の主要原因になっている。患者の約半数がHFrEF で、左室駆出率が低下すると心臓が十分な力で収縮できず送り出す血液量が減少する。心不全は、医療経済学的にも大きな負担で、現在のコストは毎年1,080 億ドルに達する。
2016/03/23
チカグレロルとアスピリン、急性虚血性脳卒中または一過性虚血性発作のイベント抑制に有意差は認められず
アストラゼネカのブリリンタ /Brilique(一般名:チカグレロル)90mg錠1日2回とアスピリン100mg1日1回との有効性を評価する第3相SOCRATES試験の最新試験が発表された。
主要評価項目である、「脳卒中(虚血性または出血性)、心筋梗塞および死亡からなる複合評価項目のうちのいずれかが最初に発生するまでの期間」に関して、イベント発生数はチカグレロル群の方が少なかったものの、有意差が認められなかった。
主要評価項目である、「脳卒中(虚血性または出血性)、心筋梗塞および死亡からなる複合評価項目のうちのいずれかが最初に発生するまでの期間」に関して、イベント発生数はチカグレロル群の方が少なかったものの、有意差が認められなかった。
チカグレロルは、低用量のアスピリンに上乗せした試験では、プラセボ群に対して有意差をもって主要評価項目を達成している(➜par news)が、今回、単剤療法の比較試験では、有意差を示すことができなかった。
2015/11/24
ノバルティスが創製したネプリライシン阻害剤をARBとの合剤とした心不全治療薬「エントレスト」をEUが承認
ノバルティスが開発した新規心不全治療薬エントレストENTRESTO(開発番号:LCZ696)をECが承認した。エントレストは、ARBバルサルタンとアンジオテンシン受容体neprilysin阻害剤のサクビトリルsacubitrilの配合剤である。左室駆出率が低下した成人の症候性慢性心不全が適応である(➜PAR news)。
8,442例が参加したPARADIGM-HF試験の結果が申請の根拠となった。エントレストはACE阻害薬エナラプリルと比較して生存率が高く、心不全による入院が少ないことがこの試験で示された。また、両剤の安全性プロファイルは同様であった。
EUの心不全患者は1,500万人と推定されている。
8,442例が参加したPARADIGM-HF試験の結果が申請の根拠となった。エントレストはACE阻害薬エナラプリルと比較して生存率が高く、心不全による入院が少ないことがこの試験で示された。また、両剤の安全性プロファイルは同様であった。
EUの心不全患者は1,500万人と推定されている。
2015/07/07
ノバルティスのアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬をFDAが承認
FDAは、ノバルティスのEntrestoエントレスト(サクビトリル/バルサルタン配合)錠を左室駆出率の低下した心不全患者の治療薬として優先審査で承認した。承認された効能は、NYHAクラスII-IVの心不全患者における心血管系死亡および心不全による入院リスクの軽減である。
エントレストは、ファースト・イン・クラスのアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)であるサクビトリル(LCZ696)とARBのバルサルタンの配合錠である。サクビトリルはプロドラッグで活性代謝物のLBQ657が酵素のネプリライシン(NEP:neutral endopeptidase)を阻害することで心臓の神経ホルモン系(NP系)を保護し、血管を収縮させる有害なシステムRAASをARBと共に抑制する。
現在、カナダ、スイス、EU各規制当局で販売承認申請を審査中で、同社は売上のピークを年商50億ドルと想定している。
承認申請の根拠となったPARADIGM-HF試験(8,442人を登録)において、エントレストはエナラプリルと比較して心血管系死亡リスクを20%、心不全による入院リスクを21%、全死亡のリスクを16%低減した。
リンク 経営分析➜Novartis 新薬開発➜循環・代謝系
エントレストは、ファースト・イン・クラスのアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)であるサクビトリル(LCZ696)とARBのバルサルタンの配合錠である。サクビトリルはプロドラッグで活性代謝物のLBQ657が酵素のネプリライシン(NEP:neutral endopeptidase)を阻害することで心臓の神経ホルモン系(NP系)を保護し、血管を収縮させる有害なシステムRAASをARBと共に抑制する。
現在、カナダ、スイス、EU各規制当局で販売承認申請を審査中で、同社は売上のピークを年商50億ドルと想定している。
承認申請の根拠となったPARADIGM-HF試験(8,442人を登録)において、エントレストはエナラプリルと比較して心血管系死亡リスクを20%、心不全による入院リスクを21%、全死亡のリスクを16%低減した。
リンク 経営分析➜Novartis 新薬開発➜循環・代謝系
2015/04/15
アムジェンの慢性心不全治療薬イバブラジンをFDAが承認
FDAは、アムジェンの慢性心不全治療薬Corlanor(一般名:イバブラジンivabradine)を承認した。
適応症は、「安静時の心拍数が70拍/分(bpm)以上」の、「βブロッカー(最大耐用量)を使用中」あるいは「βブロッカーが禁忌で、かつ左室駆出率が35%以下」の、「安定した症候性慢性心不全患者」における、「心不全の悪化による入院リスクの低減」、である。
イバブラジンは、Ifチャネルを選択的に阻害して、心洞結節の自発ペースメーカー活性を抑制する。心臓ペースメーカーの役割を演じている過分極活性化環状ヌクレオチド感受性チャネルをブロックし、左室再分極および心筋収縮力には影響を及ぼさない。
(参考)
適応症は、「安静時の心拍数が70拍/分(bpm)以上」の、「βブロッカー(最大耐用量)を使用中」あるいは「βブロッカーが禁忌で、かつ左室駆出率が35%以下」の、「安定した症候性慢性心不全患者」における、「心不全の悪化による入院リスクの低減」、である。
イバブラジンは、Ifチャネルを選択的に阻害して、心洞結節の自発ペースメーカー活性を抑制する。心臓ペースメーカーの役割を演じている過分極活性化環状ヌクレオチド感受性チャネルをブロックし、左室再分極および心筋収縮力には影響を及ぼさない。
承認の根拠:第3相SHIFT試験では、左室駆出率が35%以下の心不全患者6,500例を対象として、βブロッカーを含む標準療法にイバブラジンあるいはプラセボを上乗せして比較した。複合主要評価項目である心不全による入院、あるいは心血管系死の相対リスク(RRR)をイバブラジンは18%低下した。
(参考)
米国では約570万人が心不全に罹患していて、今後、さらに増加すると予測されている。米国では心不全の医療費の大部分を入院費が占めており、入院リスクの減少はコスト削減の面で期待される。
2015/03/15
アムジェンが開発中のコレステロール低下薬(抗PCSK9抗体)REPATHA(evolocumab)が心血管系イベントを抑制
アムジェンが開発中の抗PCSK9阻害剤の新規LDL-C低下薬Repatha(一般名:evolocumab)の第2相試験(OSLER-1)および第3相試験(OSLER-2)の結果が第64回米国心臓病学会(ACC.15)のLate-breaking sessionで報告され、New Engl J Med誌にも掲載された。
OSLER-1試験とOSLER-2試験は、evolocumab投与の長期的影響を評価するオープンラベル延長試験である。evolocumab(140 mg、2週に1回、あるいは420 mg、1回、1年間投与)と標準療法を併用する群(2,976例)と標準療法群(1,489例)を比較した。死亡、心筋梗塞、入院を要する不安定狭心症、冠動脈血行再建術、入院を要する脳卒中と一過性脳虚血性発作または心不全を含む心血管イベントの発現率は、evolocumab併用群では0.95%で標準療法群の2.18%と比較して低下した。年齢、性別、スタチン使用などのサブグループでも同様であった。また、evolocumab併用群では標準療法群と比較して、LDL-C値の中央値が61%低下した。
(参考)PCSK9阻害剤の開発競争ではアムジェンが先陣を切って昨年(2014年)8月にFDAに申請、ほぼ同時にサノフィを特許侵害で提訴している。サノフィがリジェネロンと共同開発しているPCSK9阻害剤「アリロクマブ」alirocumabのFDA申請は今年(2015年)1月26日付で審査期限6ヶ月の優先審査で受理され、PDUFA期限は7月24日となった。アムジェンのRepathaは通常審査でPDUFA期限8月27日となっており、FDA承認では逆転される可能性が高くなっている。
OSLER-1試験とOSLER-2試験は、evolocumab投与の長期的影響を評価するオープンラベル延長試験である。evolocumab(140 mg、2週に1回、あるいは420 mg、1回、1年間投与)と標準療法を併用する群(2,976例)と標準療法群(1,489例)を比較した。死亡、心筋梗塞、入院を要する不安定狭心症、冠動脈血行再建術、入院を要する脳卒中と一過性脳虚血性発作または心不全を含む心血管イベントの発現率は、evolocumab併用群では0.95%で標準療法群の2.18%と比較して低下した。年齢、性別、スタチン使用などのサブグループでも同様であった。また、evolocumab併用群では標準療法群と比較して、LDL-C値の中央値が61%低下した。
(参考)PCSK9阻害剤の開発競争ではアムジェンが先陣を切って昨年(2014年)8月にFDAに申請、ほぼ同時にサノフィを特許侵害で提訴している。サノフィがリジェネロンと共同開発しているPCSK9阻害剤「アリロクマブ」alirocumabのFDA申請は今年(2015年)1月26日付で審査期限6ヶ月の優先審査で受理され、PDUFA期限は7月24日となった。アムジェンのRepathaは通常審査でPDUFA期限8月27日となっており、FDA承認では逆転される可能性が高くなっている。
2014/10/30
第一三共の経口抗凝固剤エドキサバンをFDA諮問委員会が承認勧告
「非弁膜症性心房細動患者の脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」を適応症として第一三共が申請中の経口ファクターXa阻害剤「SAVAYSA」(一般名:エドキサバン)に対して、FDAの諮問委員会は9:1で承認を勧告をした。
審議はエドキサバンの「1日1回60 mg」および「1日1回30 mg」の2用量について、非弁膜症性(NV)心房細動(AF)患者における脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制を評価した国際共同試験ENGAGEの結果に基づいて行われた。
採決に際して、① 60mgを正常および軽度の腎不全患者の双方に承認、②正常腎機能患者には60mg 以上の高用量を承認、③ 軽度および中等度の腎機能不全患者を対象に承認、の3 つの選択肢が用意されたが承認に賛成した9 人は、①が5 人、②2 人、③が2 人と意見が分かれた。日本では2011年7月より製品名:リクシアナⓇとして半量の30mgと15mgで販売されている。
PAR コメント
圧倒的な賛成多数での承認勧告だったが、「60mg以上の高用量への言及」は追加臨床試験の必要性を示唆するとして、FDAの最終決定をネガティブに観測するロイターやForbesなど一般紙の記事(➜リンク)が目についた。専門メディアでは「Medscape」が、2万1000例にのぼる大規模臨床試験の成功を評価する一方で用量設定に関する問題を報じている(➜リンク)。
FDAの事前資料(➜リンク)で指摘された「クレアチニンクリアランス80以上の腎機能正常患者で治療成績がワーファリンを下回る」、というサブグループ解析に対して諮問委員の意見が分かれた。低用量30mg投与群の存在が問題を複雑にしたようだ。
NVAF患者の脳卒中予防(SPAF)効能を取得した抗血液凝固薬はすべてワーファリンを対照薬とする大規模アウトカム試験を実施している。2011年に承認されたバイエル/ジョンソン&ジョンソン共同開発のXareltoの「ロケット試験」は1万4000例、2012年に承認されたブリストル・マイヤーズ/ファイザー共同開発のELIQUISの「アリストテレス試験」は1万8000例だったがいずれも単一用量対ワーファリンの2群比較だった。1群あたりの症例数では、エドキサバンのENGAGE試験7000例はアリストテレス試験の9000例に及ばない。
審議はエドキサバンの「1日1回60 mg」および「1日1回30 mg」の2用量について、非弁膜症性(NV)心房細動(AF)患者における脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制を評価した国際共同試験ENGAGEの結果に基づいて行われた。
採決に際して、① 60mgを正常および軽度の腎不全患者の双方に承認、②正常腎機能患者には60mg 以上の高用量を承認、③ 軽度および中等度の腎機能不全患者を対象に承認、の3 つの選択肢が用意されたが承認に賛成した9 人は、①が5 人、②2 人、③が2 人と意見が分かれた。日本では2011年7月より製品名:リクシアナⓇとして半量の30mgと15mgで販売されている。
PAR コメント
圧倒的な賛成多数での承認勧告だったが、「60mg以上の高用量への言及」は追加臨床試験の必要性を示唆するとして、FDAの最終決定をネガティブに観測するロイターやForbesなど一般紙の記事(➜リンク)が目についた。専門メディアでは「Medscape」が、2万1000例にのぼる大規模臨床試験の成功を評価する一方で用量設定に関する問題を報じている(➜リンク)。
FDAの事前資料(➜リンク)で指摘された「クレアチニンクリアランス80以上の腎機能正常患者で治療成績がワーファリンを下回る」、というサブグループ解析に対して諮問委員の意見が分かれた。低用量30mg投与群の存在が問題を複雑にしたようだ。
NVAF患者の脳卒中予防(SPAF)効能を取得した抗血液凝固薬はすべてワーファリンを対照薬とする大規模アウトカム試験を実施している。2011年に承認されたバイエル/ジョンソン&ジョンソン共同開発のXareltoの「ロケット試験」は1万4000例、2012年に承認されたブリストル・マイヤーズ/ファイザー共同開発のELIQUISの「アリストテレス試験」は1万8000例だったがいずれも単一用量対ワーファリンの2群比較だった。1群あたりの症例数では、エドキサバンのENGAGE試験7000例はアリストテレス試験の9000例に及ばない。
2013/07/24
米メルク(MSD)がPAR-1拮抗剤の抗血液凝固薬vorapaxarをFDAに申請
米メルクのPAR-1拮抗剤vorapaxarはedoxabanと同様に臨床試験段階で周回遅れとなった。その結果も厳しかったが適応症を「一過性脳虚血(TIA)の既往歴がない心筋梗塞患者」の再発予防に限定して申請した。もともとは09年に合併したシェリンブ・プラウの開発品。4兆円のM&Aコストを正当化し得る新薬候補の一つとして期待されていた。
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