2023/07/25
Merck/MSD、経口 PCSK9 阻害剤候補 MK-0616 の第 3 相臨床試験プログラムを開始
Merck & Co., Inc./MSD(メルク)が、同社の臨床開発中の経口 proprotein 変換酵素subtilisin/kexin type 9(PCSK9) 阻害剤 MK-0616 の、高コレステロール血症の成人患者の治療用として評価する第 3 相臨床試験 program CORALreef を開始した。
PCSK9 は、細胞への cholesterol の取り込みに関与する LDL 受容体のレベルを調節することにより、コレステロールの恒常性において重要な役割を果たしている。PCSK9 を阻害すると、PCSK9 と LDL 受容体との相互作用が防止される。これにより、血液から LDL-C を除去するために細胞表面に LDL 受容体数が増加する。MK-0616 は、現在承認されている注射用 PCSK9 阻害剤と同じ生物学的メカニズムを介して LDL-C を低下させるよう設計された、初の経口 PCSK9 阻害剤である。
第 3 相 program CORALreef試験は、経口 PCSK9 阻害剤の最初の第 3 相臨床 program である。試験 program 全体でグローバルに約 17,000 人の被験者を登録することを目的としている。
2022/04/04
アンチセンスRNA干渉治療薬による高リスク高コレステロール血症患者の治療
04/04, AZN, Cholesterol, PCSK9, RNAi
AZD8233 reduced low-density lipoprotein cholesterol levels by 73% in patients with high-risk hypercholesterolemia in ETESIAN Phase IIb trial- AZD8233は第IIb相試験 ETESIANにおいて高リスクの高コレステロール血症患者の低密度リポタンパク質(LDL)コレステロール値を73%低下させた。
AZD8233は、次世代PCSK9 阻害剤であり、従来のPCSK9 阻害剤の上流に作用し、核内の遺伝子発現を標的とする唯一のPCSK9 ASO である。LDL-Cの重要な調節因子であるPCSK9 を標的として、高コレステロール血症患者の血中コレステロール値を低下するよう設計されている。
本試験では、副次評価項目であるPCSK9レベル(14 週目)についても89%(95%CI:-91%, -86%)低下させた。PCSK9 レベルの低下は、LDL 受容体レベルの上昇につながり、その結果、血流中のLDL-C レベルが低下し、冠状動脈性心臓病を発症するリスクが低下する。AZD8233 の3 用量レベル(15mg、50mg、90mg)を評価した。すべてのAZD8233 群は、プラセボ群と比較して、12 週目にLDL-C およびPCSK9 レベルを顕著に低下させた。
2021/11/24
高脂血症を対象とするアンチセンス薬 vupanorsen が P2b試験で主要評価項目を達成
Vupanorsenは、 Ionis によって創製され、CV リスクの低減と重度の高トリグリセリド血症(SHTG)の潜在的な適応症のためファイザー によって開発されているantisense 療法で、肝臓でのTG とコレステロール代謝の重要な調節因子であるANGPTL3 タンパク質の産生を抑制するように設計されている。第2b 相TARgeting ANGPTL3 試験は、成人の脂質異常症(TRANSLATE-TIMI 70)に対するantisense oligonucleotide vupanorsen を評価する試験で、脂質異常症の286 人の被験者を登録した。
非HDL コレステロール(C)および TGが上昇した被験者を対象にした用量設定試験では、試験は主要評価項目を達成し、全ての用量でプラセボと比較して非HDL-C を統計的に有意に減少させた。さらに、vupanorsen で治療された被験者は、全ての用量レベルでプラセボと比較してTG およびANGPTL3 について統計的に有意な減少を達成した。
Ionis、Pfizer が高脂血症治療薬vupanorsen の第2b 相臨床試験で主要評価項目を達成と発表
11 月24 日、antisense 薬開発企業Ionis Pharmaceuticals, Inc.(Ionis)は、導出先のPfizer が、antisense 薬vupanorsen(旧IONIS-ANGPTL3-LRx)の第2b 相試験に関するトップラインの結果を入手したと発表した。
1 vupanorsen
Ionis によって創製され、CV リスクの低減と重度の高triglyceride 血症(SHTG)の潜在的な適応症のためPfizer によって開発されているantisense 療法で、肝臓でのTG とコレステロール代謝の重要な調節因子であるANGPTL3 タンパク質の産生を抑制するように設計されている。このantisense 療法は、Ionis の高度なligand 結合antisense (LICA)技術を使用して開発された。ANGPTL3 低下の潜在的な治療上のベネフィットは、ANGPTL3 の遺伝的欠損を持つ人々では、LDL-C およびTG のレベルが低く、糖尿病およびCV 系疾患のリスクが低いという発見によって裏付けられている。
2019 年11 月、Pfizer はAkcea/Ionis から世界的な独占契約でvupanorsen のライセンスを取得した。契約の一時金2.50 億$は、Ionis の株式の過半数を所有するAkcea Therapeutics と折半された。
2. 第2b 相TARgeting ANGPTL3 試験
グローバル多施設、二重盲検、placebo 対照、用量設定試験で、成人の脂質異常症(TRANSLATE-TIMI 70)に対するantisense oligonucleotide vupanorsen を評価する試験で、脂質異常症の286 人の被験者を登録した。 登録基準は、非HDL-C(≥100mg/ dL)及びTG(150-500 mg / dL)が上昇し、安定した用量のstatin 療法を受けている40 歳以上の患者である。被験者は、皮下注射により、4 週毎に80 mg、120 mg、または160mg を投与するか、2 週毎に60 mg、80 mg、120 mg、または160 mg を投与された。本試験は、vupanorsen の有効性、安全性、忍容性、薬物動態を評価するために設計されたもので、主要評価項目は、24 週目の非HDL-C のベースラインからの変化率であった。
3. 有効性
心血管系(CV)リスクの低減と重度の高triglyceride 血症(SHTG)の適応症のために開発されている臨床開発中のantisense 療法である。非HDL コレステロール(C)およびtriglyceride(TG)が上昇した被験者を対象にした用量設定試験では、試験は主要評価項目を達成し、placebo と比較して、24 週間で試験した全ての用量で非HDL-C を統計的に有意に減少させた。さらに、vupanorsen で治療された被験者は、placebo と比較して、24 週間で全ての用量レベルでTG およびANGPTL3 を統計的に有意な減少を達成した。
4. 安全性
最も一般的な有害事象は注射部位反応であり、これはvupanorsen の最高用量群で最も頻繁に認められた。最も多い臨床検査値異常は、肝酵素alanine amino-transferase(ALT)およびaspartate amino-transferase(AST)の上昇であり、主に高用量で観察された。vupanorsen で治療された被験者にHy'sLaw の症例報告はなく、bilirubin に有意な変化は認められなかった。vupanorsen の特定の用量では、placebo と比較して、24 週目のMRI(磁気共鳴画像法)によるproton 密度脂肪分画から測定された肝脂肪分画に関して、ベースラインからの上昇と関連していた。血小板数の異常または推定糸球体濾過率の低下が確認された被験者はいなかった。治療関連の重篤な有害事象(SAE)は認められず、SAE 発現率は被験薬群とplacebo 群間で類似していた。(完)
主な出典:https://ir.ionispharma.com/news-releases/news-release-details/ionis-announces-pfizer-reports-topline-results-phase-2b-clinical 他)
2020/12/11
年2回投与のsiRNA薬によるコレステロール低下効能
12/11, NVS, RNAi, Cholesterol
Novartis receives EU approval for Leqvio®* (inclisiran), a first-in-class siRNA to lower cholesterol with two doses a year- ノバルティスはsiRNA薬Leqvio(一般名:インクリシラン)の欧州承認を取得した。一年に2回の皮下注射投与で血中LDL-Cをコントロールする。
12/18, NVS, RNAi, Cholesterol
Novartis receives complete response letter from U.S. FDA for inclisiran -- The complete response letter is due to unresolved facility inspection-related conditions- FDAは承認前に必要な製造設備の査察を実施できなかったために承認を見送り、CRLを発行した。コロナ禍が収束したのちに現地査察を経て承認される見通し。
2020/10/16
siRNA薬Leqvio(一般名;インクリシラン)による高コレステロール血症の治療
10/16 NVS, siRNA, Cholesterol
Novartis receives positive CHMP opinion for Leqvio®* (inclisiran), a potential first-in-class siRNA for the treatment of high cholesterol2020/03/18
siRNA医薬によるコレステロール低下治療
Novartis announces NEJM publication of three pivotal trials showing durable and potent efficacy of inclisiran, an investigational first-in-class siRNA cholesterol-lowering therapy
2019/11/24
ノバルティスが1兆円を投じて核酸医薬インクリシランを獲得
Novartis, M&A, Cholesterol, siRNA
- Novartis to acquire The Medicines Company for USD 9.7 bn, adding inclisiran, a potentially transformational investigational cholesterol-lowering therapy to address leading global cause of death
- ノバルティスは The Medicines Company を97憶㌦(1兆円)で取得し、コレステロール低下治療を転換しうる治験薬インクリシランを開発パイプラインに加えて世界最大の死亡原因に取り組む
核酸医薬インクリシランはPCSK9 メッセンジャーRNA を標的とするようデザインされた化学的合成低分子干渉RNAである。年内にも家族性高コレステロール血症を適応症として承認申請(NDA)を提出する段階にある。抗PCSK抗体の治療薬はアムジェンが開発したレパーサとサノフィが開発したプラルエントが2015年に承認されているが2018年売上高はレパーサが600億円、プラルエントが300億円と低迷している。
2018/03/10
プラルエントは心血管イベント発症リスクを減少し、死亡率の低下に寄与
2018年3月10日 » Sanofi, Cholesterol, Market
2018/01/25
- 家族性高コレステロール血症ホモ接合体(HoFH)の治療薬として開発中のアンチセンス薬インクリシランをFDAがオーファン指定。
2017/12/31
抗PCSK9抗体のコレステロール低下薬レパーサが「心臓発作および脳卒中に対する予防効能」を追加(12/1)
レパーサのグローバル売上高は2015年10億円、2016年140億円と低迷してきたが、直近3か月間(7-9月期)は90億円へと前年同期(40億円)と比べて倍増している。予防効能の承認を契機として、再来年(2019年)または2020年には1000億円を超えるブロックバスターへと成長する可能性が見えてきた。レパーサより1か月早く、2015年7月に承認されたプラルエント(サノフィ)の売上高は2015年80億円、2016年120億円であった。
2017/10/19
CETP阻害薬が全滅、メルクが開発を終了
振り返れば、先陣をきったファイザーのトルセトラピブは早期に撤退、二番手としてがんばっていたロシュのダルセトラピブ(JTから導入)は2012年に開発中止となりました。HDL-Cを上昇させる効果は確認されたものの、エンドポイントとした心血管系事故リスクの減少は証明できませんでした。さらに、動脈硬化症をターゲットとしたリリーのエバセトラピブも2015年に中止しています。
米国メルク会社発表
October 11, 2017
ファーマセットLibrary➔ Merck (MSD), CETP
2017/10/11
CETP阻害薬アナセトラピブは承認申請を行わない
- メルク(MSD)はCETP阻害薬アナセトラピブについて承認申請を行わないことを決定した。
2017/05/02
レパーサの治療結果にもとづく払い戻し
- アムジェンは抗PCSK9抗体のコレステロール低下薬レパーサに関して治療結果にもとづく払い戻しをハーバード・ピルグリムとの間で合意した。
2017/03/17
アムジェンがPCSK9 阻害剤evolocumab(商品名レパーサ)の心血管系疾患患者に対する臨床アウトカム成績を発表
48 週の時点で、プラセボと比較して、最小二乗平均のLDL-C 低下のパーセンテージが ベースラインの中央値92 mg/dLから30 mg/dLと59%の低下を達成した(P<0.001)。 プラセボ に比べてevolocumabは有意に主要評価項目のリスクを軽減した[1,344 人(9.8%) vs. 1,563 人(11.3%)、ハザード比(HR)=0.85; 95%CI; 0.79, 0.92;p<0.001]。重要な副次評価項目 [816 人(5.9%) vs. 1,013 人(7.4%); HR=0.80; 95%CI; 0.73, 0.88; p<0.001]も達成された。また、LDL-C レベルのベースライン [中央値;74 mg/dL] の最低の4 分位の患者のサブグループを含め、重要なサブグループを通じて同様の効果を示した。
(参考)
アムジェンの株価は米国心臓病学会(ACC)におけるFOURIER試験の成績発表直後に6%下落した。好成績ではあるが高薬価を正当化できるほどの素晴らしい成績ではない、という評価となった模様。
2016/07/05
高コレステロール血症治療薬プラルエント(アリロクマブ)が日本でも製造販売承認を取得
最大耐用量のスタチン療法を含む標準療法にプラルエントを上乗せ投与したグローバル第3 相ODYSSEY 試験において、プラセボに比べて強力かつ一貫したLDL-C 低下効果を示した。国内第3 相ODYSSEY JAPAN 試験では原発性高コレステロール血症の日本人患者を対象に、プラルエント皮下注を2週間に1回、開始用量を75 mg(効果不十分な場合は150 mg に増量)として投与した。
組み込まれた患者は全てスタチン療法(スタチン以外の脂質低下療法との併用は不問)を受けており、ベースラインにおける平均LDL-C 値はプラルエント群で141 mg/dL(3.6 mmol/L)、プラセボ群では142 mg/dL(3.7 mmol/L)であった。プラルエント群で LDL-C が事前に規定した目標値に到達しなかった患者については、12 週時点からプラルエント150 mg Q2W に切り替えられた(12 週以降も投与を継続した140 例中2 例)。
本試験では、日本動脈硬化学会の動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2012 年版によるリスク区分別脂質管理目標値に則り、LDL-C の管理目標値を設定した。プラルエント 群は投与後24 週時に LDL-C を63%低下させたのに対して、プラセボ 群では2%上昇した(p<0.0001, ITT 解析)。プラルエント群の強力な LDL-C 低下効果は試験終了まで持続し、投与後52 週時の平均 LDL-C 値は、プラルエント 群 53.4 mg/dL(1.38 mmol/L)、プラセボ 群 135.6 mg/dL(3.51 mmol/L)であった(ITT)。
2015/08/27
アムジェンのPCSK9阻害薬レパサをFDAが承認
承認されたレパサの効能・効果は、「さらにLDL-Cの低下が必要な成人ヘテロ接合型家族性高コレステロール血症(HeFH)、または臨床的に動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)患者における、食事療法とスタチン最大耐量への補助療法」としての使用、ならびに「さらにLDL-Cの低下が必要なホモ接合型家族性高コレステロール血症(HoFH)患者における、食事療法とその他のLDL-C低下療法の補助療法」としての使用である。レパサの心血管系疾患の罹患率および死亡率への影響に関してはまだ確認されていない。レパサは、140mgを2週毎、あるいは420mgを毎月、自己注射する。
第3相試験において、ASCVDまたはHeFH患者の場合、レパサはプラセボに比べてLDL-Cレベルを54~77%低下させた。また、ASCVD患者の90%がLDL-Cレベル70mg/mL以下を達成した。HoFH患者では、プラセボと比較してLDL-Cレベルを約30%低下させた。
米国では、HeFHあるいはHoFH患者の総数は100万人と推定されている。
2015/07/24
サノフィの高LDL-C治療薬プラルエントがPCSK9阻害剤として初のFDA承認を取得
今回、さらにLDL-Cを下げる必要のあるヘテロ家族性高コレステロール血症患者、アテローム性動脈硬化症(ASCVD)の成人患者に対し、食事療法とスタチンの最大耐量の補助療法としても承認された。
承認の根拠となったのは、第3相ODYSSEY試験プログラムの結果である。最大耐量のスタチンを含む標準治療にプラルエント(150mg、2週毎)を追加したところ、24週の時点でプラセボと比較してLDL-Cをさらに58%低下させた。また、75mg、2週毎投与によりプラセボと比較して、LDL-Cを12週目で45%、24週目で44%低下させた。
(参考)開発段階で激しく競合してきたAmgenのPCSK9阻害剤エボロクマブのFDA審査ゴールは2015年8月27日に設定されている。申請ではAmgenに先を越されたSanofiはFDAのバウチャー制度を活用して逆転に成功した。
2015/07/21
アムジェンのPCSK阻害薬レパサがEC承認を取得
米国では、エボロクマブと熾烈な開発競争を繰り広げてきたサノフィのPCSK9阻害剤プラルエントPRALUENT (一般名:アリロクマブalirocumab)がエボロクマブ(Amgen)よりも先に承認されている。一方、エボロクマブのFDA審査ゴールは2015年8月27日に設定されており、AmgenとSanofiの承認取得競争は欧州と米国で逆転する結果となった。