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2022/07/11

二重特異性抗体治療による血友病治療の長期成績

07/11, Roche, Hemophilia, Bispecific mAb

New data from phase III HAVEN 6 study reinforce favourable safety and efficacy profile of Roche’s Hemlibra in people with moderate or mild haemophilia A

  • 第 III相HAVEN 6試験における新しいデータから、中等度または軽度の血友病 A患者に対するロシュのヘムライブラの良好な安全性および有効性プロファイルが強化された。

血友病に対する新規の二重特異性抗体製剤

07/11, Novo, Hemophilia, Bispecific mAb

Mim8 phase 1 & 2 data demonstrates potential as once monthly treatment for people with haemophilia A

  • ファクターIXaおよび Xを標的とする二重特異性抗体製剤 Mim8 はフェーズ 1および 2 試験のデータから、血友病 A患者に対する月 1回治療の可能性が実証された。

2022/07/10

血友病に対する血液凝固第 8因子補充療法

07/10, Sanofi, Hemophilia

Pivotal data demonstrate once-weekly efanesoctocog alfa provides superior bleed protection compared to prior factor prophylaxis

  • 従来の第VIII因子製剤による予防より優れた出血保護を週一回投与のエファネソクトコグアルファがもたらす申請用データが得られた。

2022/06/01

血友病Aに対する新規のファクターVIII補充療法

 06/01, SNY, Hemophilia

FDA grants efanesoctocog alfa Breakthrough Therapy designation for hemophilia A

血友病Aに対する新規のファクターVIII補充療法製剤エフェソクトコグ アルファをFDAが画期的治療に指定した。フォン・ヴィレブランド因子(VWF)による分子シャペロン作用に影響されず、ファクターVIII作用の半減期は3~4倍となっている。

2021/07/19

重度の血友病A の治療を目指す遺伝子療法valoctocogene roxaparvovec の最新データを発表

7 月19 日、BioMarin Pharmaceutical Inc.(BioMarin)は、本日、バーチャル形式で開催される国際血栓止血学会(ISTH)2021 において、重度の血友病A 成人の治療を目指して臨床評価中の遺伝子療法valoctocogene roxaparvovec(val-rox)の最新データを口頭で報告したと発表した。

1. ピボタル第3 相試験

主要臨床有効性評価項目において第VIII 因子の予防投与よりも優れていることを示した。134 人の被験者による、血友病の遺伝子療法でこれまでで最大規模のグローバルな第3 相臨床試験である。この試験に登録された被験者全員が、val-rox の単回投与を受け、1 年以上の追跡調査を完了した。この1 年間の解析結果は、2021 年1 月に公表した。ISTH 発表新データには、試験参加者全員の年間出血率(ABR)と、第VIII 因子補充療法における年間体重Kg 当りの国際単位(IU / kg /年)による第VIII 因子利用率の詳細が含まれる。

2. 試験結果

GENEr8-1 試験の全参加者の90% 以上(N =134)は、val-roxよる治療後4 週目以降、年間出血率(ABR)がゼロまたはベースラインよりも低レベルに改善された。ISTHで発表した新しいデータには、val-rox による治療後の第VIII 因子の利用に関する情報も含まれている。非介入ベースライン観察研究(ロールオーバー患者集団;N = 112)の事前に指定されたグループの事前参加者の平均年間第VIII 因子利用率は、val-rox による治療後4 週後に、第VIII 因子予防投与のベースラインの3961.2(中央値3754.4)から56.9(中央値0)IU/ kg /年に99%減少した(p 値<0.001)。2021 年1 月に報告したように、GENEr8-1 試験の事前に指定されたロールオーバー母集団(N = 112)のデータは、平均71.6 週間の追跡調査で、ABR の事前に指定された1 次解析で、被験者の直近の最終評価では、val-rox の単回投与により、ベースラインで前向きに収集された4.8(中央値2.8)から年間0.8(中央値0.0)の出血エピソードまで平均ABR が84%有意に減少した(p 値<0.001)。試験参加者は、また、内因性第VIII因子発現の臨床的に意味のある増加を経験した。 val-rox 注入後1 年目の終わりに、mITT 患者集団(N = 132)の参加者は、推定ベースラインの1 IU/ dL から平均内因性第VIII 因子発現レベルが42.9 IU / dL(中央値23.9)(p 値<0.001)に有意に増加した。(完)

2021/02/18

ファクターVIII補充療法による血友病治療

02/18, Sanofi, Hemophilia, Factor VIII
Efanesoctocog alfa granted FDA Fast Track Designation for treatment of hemophilia A -- previously known as BIVV001, is an investigational factor VIII replacement therapy
  • サノフィが開発中のエファネソクトコグ・アルファが血友病Aの治療薬としてFDAの迅速審査指定を受けた。バイオジェンの子会社だったバイオベラティブが開発したBIVV001として知られていたファクターVIII補充療法である。
(参考)
サノフィによると、従来のファクターVIII補充療法はフォン・ウィレブランド因子(VWF)のシャペロン効果に影響され、体内の持続時間が制限されてきた。VWFと半減期延長ポリペプチド鎖を付加した画期的なFc融合技術により、エファネソクトコグ・アルファは1週間に1回の投与でほぼ正常にちかいF-VIII血中濃度が維持される。既存のファクターVIII補充療法は、タケダ薬品のアドベイトは週に3-4回、後継品のアディノベイトは週2回に改善したが、両製品の2020年合計売上は前年比10%減少、1900億円を下回った。二重特異性抗体医薬ヘムライブラの影響に加えて、今後は週1回投与に改善されたファクターVIII補充療法の参入が脅威となりそうである。

2021/01/06

タケダ薬品のR&D説明会(2020年12月9日開催)について(あらためてシャイアー問題を検証する)

10年後 2030年の目標とする売上収益5兆円の根拠を示す説明が不十分であったためか、株式市場の反応は冷ややかだった。量的にも直ちに理解することは難しい内容だったが会社説明の論点を、

① シャイアー統合後の売上収益は3兆3000億円前後のまま低迷しているが、「 5 年後の2024 年度には、主力品の落ち込み 45億ドル(ほぼ5000億円)を上回るグローバル製品の増加 80 億ドルが貢献して3兆5000 億円へと拡大する」、

② 「 10 年後の 2030 年にはパイプラインから 1兆 5000億円が貢献して 5 兆円に達する」、

という2つの段階に分けて考察してみたい。

まず、②「10年後(2030年)のパイプライン評価額1兆5000億円」については、全品目の成功確率を100%と仮定した非現実的な数値であった。一方で、その成功確率を半分以下に見積もった 6000億円程度が「WAVE 1 PTS調整後」としてグラフに示されており、全体としては信憑性が保たれているよう見える。しかしながら、根拠がないとさえ感じられる過大な数値を10年後の目標としてCEOが説明会の冒頭に発表しており、無責任な印象が強く残った。また、内容を詳細に見ていくと、個々の数値目標にも多くの疑問が残る。

特に問題なのは、 最大プロジェクト として60億ドル(6500億円)を見込むオレキシン化合物のナルコレプシー治療薬である。額面通りに実現すれば、グローバル製品の売上ランキングでトップ10に入ることになる。しかし、希少病治療薬におけるこれまでの最大売上は、アレクシオンのヘモグロビン尿症治療薬ソリリスの39億ドル(4200億円)であり、ランキングは21位である。

タケダのナルコレプシー治療薬がソリリスを2300億円も上回るという計画の根拠は不明である。経口剤のTAK-994は登録症例数202例を目標とするフェーズ2試験段階にあり、完了するのは2021年5月の予定、注射剤のTAK-925はフェーズ1を終了したばかりである。フェーズ2も終了していない段階ではどうのような根拠であれ、責任ある説明にはならない。2021年4月6日に開催される投資家イベントでの詳細説明が待たれる。

前後したが、①「5年後(2024年)に想定される既存製品の減少」については45億ドルにとどまらないと予測される。説明資料8ページのグラフでは、2019年度に3300億円だった血友病領域は2000億円前後へと40%ほどしか減少しない想定と見えるが、さらに1000億円減少して3分の1(1100億円)以下となる可能性が高いと思われる。

その根拠は、ロシュの二重特異性抗体ヘムライブラだけでなく、バイエルのJivi、ノボノルディスクのESPEROCT、サノフィのEloctateといったPEG化遺伝子組み換えファクターVIII製剤との競合が激化していることにより、アドベイトの後継品アディノベイトの成長が見込めないからである。さらに、ファイザーが発表した新規抗TFPI抗体やフェーズ3に進んだ遺伝子治療SB-525など、5年後にはさまざまな競合品が市場に参入している可能性が大きい。

仮に、全体の売上減少額が想定通り45億ドルにとどまるとしても、グローバルブランドによる上乗せ額として想定する80億ドルが45億ドル(4800億円)を下回る可能性が高く、売上収益は横ばいを維持することさえ困難な状況と見える。

タケダが期待する上乗せ額45億ドルの2/3以上は、2024年度売上65億ドル(2019年比33億ドル増加)を見込む潰瘍性大腸炎治療薬エンティビオの増加である。しかし、市場競合と開発パイプラインの状況を見ると、エンティビオの売上は47億ドル(5000億円)程度、15億ドルの増加にとどまりそうである。

最大の競合品であるヤンセンの抗IL-23抗体ステラーラ(適応症:潰瘍性大腸炎/クローン病、尋常性乾癬、乾癬性関節炎)の2019年売上は、グローバル医薬品売上8位となる67億ドルである。比較すると、エンティビオには消化器領域の適応症しかないうえ、最大市場の米国では皮下注製剤の承認が遅れている。さらに経口JAK阻害剤の抗リウマチ薬が続々と潰瘍性大腸炎へ適応拡大されてくる状況から、競合が激化すると予想される。

多発性骨髄腫治療薬ニンラーロに対する期待も過剰気味である。一次療法の効能追加に失敗し、高位予想20億ドルどころか、低位予想の15億ドルも厳しい状況である。同じ2015年に発売されたヤンセンのダーザレックスは、昨年、一次療法の効能追加が承認され、売上は1000億円増加、3000億円に達している。

「武田薬品の将来を考える会」のレポートでは、エンティビオとニンラーロの現状を分析し、タケダ薬品が想定する3つの数値、

(1) 2030年5兆円の売上収益

(2) 2024年までの主力品減少額 45億ドル

(3) 2024年までのグローバル製品の上乗せ80億ドル

について、現実性を分析している。

おわりに(シャイアーの買収統合を振り返って)

タケダ経営陣が想定する以下3つの数値からみて、シャイアー社統合の成否について考察する。
  ① 2030年5兆円の売上収益
  ② 2024年までの主力品の売り上げ減少額 45億ドル
  ③ 2024年までのグローバル製品の上乗せ 80億ドル

まず、① 2030年(10年後)の売上収益目標5兆円については、タケダ経営陣が想定する研究開発パイプラインの貢献額 1兆5000億円において旧シャイアー社製品の合計は4000億円以下(34億ドル)であり、現実的には2000億円にも満たない。

一方、②5年後(2024年)に想定する45億ドル(4800億円)の売上減少は、2/3以上(3300億円)がシャイアー社製品によるものである。さらに、2024年までに米国において特許満了となる11品目の内、10品目(2019年度売上合計4300億円以上)がシャイアー社製品である。

このような状況から、タケダが公表した2030年までの売上予想額において シャイアー社買収はマイナス要因となっているように見える。さらに、③ 5年後(2024年度)にタケダが期待する「グローバルブランド12品目による80億ドル以上の上乗せ」については、実現の可能性が低いと思われるが、この数値においても旧シャイアー品目の貢献は26億ドル(2800億円)と1/3以下である。

このようにタケダが示している製品売上予想を分析してみると、シャイアー社買収に起因する問題が浮かびあがってくる。いずれにしても当面の焦点はタケダが5年後(2024年度)に想定する既存製品の減少45億ドルと、これを上回るとするグローバルブランドによる貢献80億ドルの現実性である。

現実的な想定で試算すると減少額は45億ドルを上回り、グローバルブランドによる上乗せ額は45億ドル前後にとどまる。すなわち、今後5年間の成長はほとんど見込めず、最終損益の回復も見通せない状況が続くと判断される。

2020/12/31

血友病治療薬の開発動向

12月に開催された米国血液学会(ASH)において、ファイザーが遺伝子治療薬giroctocogene fitelparvovec(SB-525)のP3成績を詳細に発表するなど、血友病治療薬の有望な成績が報告された。ファイザーは前月(11月)には新規の抗TFPI抗体マルスタシマブのフェーズ3試験開始を発表している。二重特異性抗体ヘムライブラは長期フェーズ3追跡調査の最新データに基づき、患者の良好な状態が3年以上持続していることをロシュが報告した。ロシュは遺伝子治療薬でもSPARK社を買収しており、血友病AではSPK-8011がP1/2段階にある。サノフィは一時、投与を中止していたsiRNA核酸医薬フィツシランの臨床試験を再開した。血友病治療薬を重点としていたシャイアーを2018年に買収統合した武田薬品からのASH関連の発表記事はなかった。

12/10, SNY, Hemophilia, siRNA

Sanofi to resume dosing in fitusiran clinical studies in the U.S. -- an investigational, small interference RNA therapy in development for the treatment of people with hemophilia A or B, with or without inhibitors.
  • サノフィは米国でもフィツシラン臨床試験において薬剤投与を再開する。フィツシランは治験段階のsiRNA核酸医薬として、インヒビターの有無にかかわらず血友病AおよびBのすべての患者を対象として開発されている。

12/07, PFE, Hemophilia, Gene therapy

Pfizer and Sangamo announce updated phase 1/2 results showing sustained factor VIII activity levels in 3x10¹³ vg/kg cohort through one year following Hemophilia A gene therapy
  • ファイザーとSangamoは血友病Aに対する遺伝子治療のフェーズ1/2臨床試験の最新成績を発表した。3x10¹³ vg/kg投与群において血液凝固第8因子の血中濃度が1年間を通して保持された。

12/07, ROG, Hemophilia, Bispec-Ab

New follow-up phase III data reinforce the long-term benefit of Roche’s Hemlibra for people with haemophilia A
  • ロシュのヘムライブラを投与された血友病A患者のフェーズ3追跡調査の最新データで良好な長期成績が確認された。

2020/10/07

血友病Aに対する遺伝子治療薬のフェーズ3試験

 10/07 PFE, Hemophilia A, Gene therapy

Pfizer and Sangamo dose first participant in phase 3 study evaluating Hemophilia A gene therapy treatment 

ファイザーとサンガモは血友病Aに対する遺伝治療薬のフェーズ3試験参加者への投与を開始した。

(参考)血友病Aに対する遺伝子治療薬の開発競争が終盤に入ってきた。最先端を行くバイオマリンの Valoctocogene Roxaparvovec は本年(2020年)2月にFDAが承認申請を受理し、PDUFA期限を2020年8月21日としていたがCRLを発行した。FDAは継続中のフェーズ3試験において2年間にわたる年間出血率を主要評価項目とすることを推奨した。フェーズ1/2試験段階で追い上げていたファイザー/サンガモのSB-525プロジェクトもフェーズ3試験を開始した。ロシュは昨年(2019年)2月に買収したスパークのSPK-8011がフェーズ1/2に進んでいる。一方、武田薬品が買収した時点でシャイアーのパイプラインにあった遺伝子治療薬は昨年11月の新生タケダのR&Dパイプラインから脱落していた。

2020/09/10

半減期を4倍とした凝固第8因子補充薬による血友病A患者の治療

09/10 SNY, Hemophilia A
New England Journal of Medicine publishes positive final results from Phase 1/2a study of BIVV001 in people with severe hemophilia A

重症の血友病Aの患者に対する凝固第8因子補充薬BIVV001のフェーズ1/2a臨床試験の良好な最終結果をNEJM誌が掲載した。BIVV001はサノフィがスウェーデンのSobi社と提携して開発中の、フォン・ヴィレブランド因子(VWF)に依存しない血液凝固第8因子製剤である。VWFは血管損傷部位における血小板粘着、血小板凝集、凝固第8因子の安定化作用をもつ高分子の血漿糖タンパク質である。

一週間に1回のBIVV001の投与により、正常に近い第8因子濃度が維持された。フェーズ1/2a臨床試験において単回投与で高水準の活性を示し、半減期は従来の第8因子補充療法と比較して3~4倍であった。フェーズ1/2a試験の登録患者数は8名だったが、12歳以上の血友病A患者150名を登録するフェーズ3試験を実施中である。

2020/06/29

血友病Aに対する遺伝子治療

血友病Aに対する遺伝子治療の開発が順調に進んでいる。最先端を行くバイオマリンの開発品は投与開始から4年間を経て効果を持続しており、高い評価を受けている。昨年(2019年)12月に3年間のフェーズ1/2試験成績に基づいて承認申請を提出し、FDAはPDUFA期限を2020年8月21日とした。これを追いかけてフェーズ1/2試験段階にあるファイザーのプロジェクトも好成績を発表した。ロシュは昨年(2019年)2月に買収したスパークのプロジェクトSPK-8011がフェーズ1/2に進んでおり、7月中旬の学界で好結果を発表する予定である。武田薬品が買収した時点でシャイアーのパイプラインにあった遺伝子治療薬は昨年11月の新生タケダのR&Dパイプラインから脱落していた。

05/31 BioMarinGene TherapyHemophilia A
  • BioMarin Provides Highlights of 4 Years of Clinical Data from Ongoing Phase 1/2 Study of Valoctocogene Roxaparvovec Gene Therapy for Severe Hemophilia A > All Study Participants Remain off Prophylactic Therapy
  • バイオマリンは重症の血友病Aに対する遺伝子治療薬バロクトコジーン・ロクサパブロベックが実施中のフェーズ1/2試験の4年間におよぶ臨床データを発表した。すべての治験参加者が予防薬を必要としなくなっている。
06/18 PFE, Gene therapy, Hemophilia A
  • Pfizer and Sangamo announce updated phase 1/2 results showing sustained factor VIII activity levels and no bleeding events or factor usage in 3e13 vg/kg cohort following giroctocogene fitelparvovec (SB-525) gene therapy
  • ファイザーとサンガモはギロクトコジーン・フィテルパルボベック(SB-525)のフェーズ1/2臨床成績を更新した。3e13 vg/kg用量の投与群では血液凝固第8因子活性レベルが維持され、出血事故も第8因子補充投与も起きなかった。
06/29 Roche, Gene therapy, Hemophilia A
  • Roche announces new data at the ISTH 2020 Congress, demonstrating ongoing commitment to advancing care for people with haemophilia A > data from the initial dose cohorts of its phase I/II SPK-8011 gene therapy study, showing stable and durable factor VIII expression
  • ロシュは血友病A治療の進歩に継続して取り組んでおり、フェーズ1/2試験段階にある遺伝子治療SPK-8011の初回量投与群において安定した持久性のある第8因子の内分泌が確認された最新データを7月14・15日にバーチャル開催されるISTH 2020(国際血栓止血学会議)において発表する。

2020/06/19

血友病AおよびBに対するRNAi治療薬

06/19 Sanofi, RNAi, Hemophilia
  • Sanofi announces positive long-term efficacy and safety data for fitusiran from interim analysis of Phase 2 extension study in people with hemophilia A and B, with or without inhibitors
  • サノフィは6月19日に開催された世界血友病連盟(World Federation of Hemophilia) のバーチャルサミットにおいて、インヒビターの有無を問わない血友病AおよびBの 患者を対象としたRNA干渉薬fitusiranの第2相延長試験の中間解析における長期有効性と安全性の好成績を発表した。
fitusiran(フィツシラン)は月1回50mgまたは80mg投与の皮下注射製剤である。2020年3月10日の中間解析時点での投与期間は最長4.7年、中央値で2.6年であった。アンチトロンビン作用の低下率75%、年間出血回数はインヒビター非保有患者で0.84、インヒビター保有患者で1.01と半減した。ベースラインは予防治療中の患者で2.0、オンデマンド治療の患者では12回であった。

2020/03/16

血友病に対する抗TFPI抗体のフェーズ3試験

03/16 Novo, Haemophilia A and B
Novo Nordisk pauses the clinical trials investigating concizumab (anti-TFPI mAB) in haemophilia A and B with or without inhibitors

ノボノルディスクは抗TFPI(Tissue Factor Pathway Inhibitor)抗体コンシズマブによるインヒビター非保有血友病AおよびB患者を対象に実施中の臨床試験を中断する。フェーズ3試験の登録患者3名で致死的ではないものの血栓性の副作用が確認された。独立モニター委員会が因果関係を調査中であり、臨床試験の続行に関しては結論にいたったいない。コンシズマブは1日1回投与の皮下注射製剤で2019年10月にフェーズ3試験を開始した。2本のフェーズ3試験で合計293例の登録を計画し、109例に投与されている。


2020/02/20

血友病の遺伝子治療valoctocogene roxaparvovec の承認申請

FDA が、BioMarin Pharmaceutical Inc.(BioMarin)が開発中のAAV5 遺伝子治療valoctocogene roxaparvovec の成人の血友病A に対する生物薬品承認申請(BLA)を受理し、優先審査に指定した。FDA による今回の申請受理により、米国のあらゆる種類の血友病に対する遺伝子治療製品について最初の販売承認申請となる。また、FDA はvaloctocogene roxaparvovec のコンパニオン診断検査を目的としたAAV5 Total Antibody アッセイの市販前承認申請(PMA)も受理している。AAV5 の抗原性が低いことから、BioMarin は、米国の血友病A 患者の約80%は、AAV5 による遺伝子治療が不適となるようなAAV5 に対する既存の抗体を有していないと推定している。このアッセイ法は、Utah 大学の研究所ARUP Laboratories によって創製された。

2020/01/16

バイエルがレバークーゼンの血友病治療薬製造設備を中国企業WuXiに譲渡

  • Bayer and WuXi Biologics enter into an agreement on a Leverkusen drug product plant

上海を本拠地とする生物学的製剤の専門企業Wuxi Biologicsはバイエルの本拠地レバークーゼンの製造設備を購入し、バイエルの血友病A治療薬の最終製造工程をバックアップする。工場の建物と敷地については長期リース契約を結んでいる。血友病A治療薬の主力生産はカリフォルニア州バークレイにあるバイエルの工場で継続する。

(参考)
バイエルの血友病治療薬はコージネイト(Kogenate)がピークとなった2013年には16億ドル(1800億円)を売り上げていたが2018年には8憶ドルと半減している。2016年3月にFDA承認を取得し、後継品と目されたコバールトリイ(Kovaltry)の売上高は開示基準に達していない模様。さらに2018年8月に週1回投与も可能なPEG化遺伝子組み換えファクターVIII製剤ジビイ(Jivi)のFDA承認を取得している。シャイアー(現、武田薬品)のアディベイトに対抗できるラインアップとなった。一方、ロシュの二重特異性抗体ヘムライブラが出現し、ファクターVIII製剤の市場が急変している。本社工場の製造設備をWuXiに譲渡した真の理由は不明である。

2019/12/07

血友病Aに対する遺伝子治療薬SB-525の44週間成績

  • Sangamo and Pfizer Announce Updated Phase 1/2 Results Showing Sustained Increased Factor VIII Activity Through 44 Weeks Following SB-525 Gene Therapy Treatment (血友病Aを対象にファイザーがSangamoと共同開発中の遺伝子治療薬SB-525のフェーズ1/2試験において、ファクターVIII活性の上昇が投与後44週間を通して確認された)

2019/10/09

bluebird bio とNov Nordisk、血友病を含む重篤な遺伝病ゲノム編集の研究開発研究契約締結

bluebird bio, Inc.(bluebird bio)とNovo Nordisk は、血友病を含む遺伝病の次世代in vivo ゲノム編集治療薬を共同開発するために3 年間の研究契約を締結した。この共同研究では、遺伝子構成成分をサイレンシング、編集、または挿入するための非常に具体的かつ効率的な方法を提供する可能性のあるbluebird bio 独自のmRNA ベースのmegaTAL 技術基盤を利用して進める提携である。Novo Nordisk の血友病ポートフォリオと連携して、研究協力は当初、FVIII 凝固因子欠乏症の修正に焦点を当て、更なる治療標的を探索する可能性を秘めている。
megaTALs は、Homing Endonucleases(HEs)の自然のDNA 切断プロセスと転写活性化因子様(TAL)エフェクターのDNA結合領域を組み合わせる単鎖融合酵素である。TAL は、特定のDNA 配列を簡単に認識できるよう設計されたタンパク質で、このタンパク質の融合構造により、現在のすべてのvirus および非virusベクターによるデリバリー法と互換性の非常に活性で特異的でコンパクトなnucleases を生成することができる。

2019/02/11

inhibitor 非保有重症血友病A に対する治療薬としてHEMLIBRA の承認勧告をCHMPが採択(2月1日)

 中外製薬創製の血友病A 治療薬HEMLIBRA(emicizumab)に関して、ロシュ がEMA のヒト用医薬品委員会(CHMP)から、血液凝固第VIII 因子に対するインヒビター(抗体)非保有の成人あるいは小児の重症血友病A 患者に対する週1 回、2 週に1 回または4 週に1 回皮下投与による定期予防療法を適応症として、承認勧告が採択された。同時に血液凝固第VIII 因子に対するインヒビター保有の成人あるいは小児の血友病A に対する2 週または4 週に1 回の用法・用量の追加の承認勧告も採択された。

 本勧告は、ロシュ/ジェネンテック と共同で実施された第3 相国際共同HAVEN 3 試験(NCT02847637)およびHAVEN 4 試験(NCT03020160)の結果に基づいている。
HAVEN 3 試験は、血液凝固第VIII 因子に対するインヒビター非保有の12 歳以上の血友病Aの患者を対象に、HEMLIBRA の週1 回または2 週に1 回皮下投与による出血抑制効果を検討した。HAVEN 4 試験では、血液凝固第VIII 因子に対するインヒビター保有/非保有の12歳以上の血友病A の患者を対象に、4 週1 回HEMLIBRA 定期投与の有効性、安全性および薬物動態を検討した。この 試験で、第VIII 因子の保有の有無にかかわらず、56.1%(95%CI; 39.7, 71.5).の患者が4 週毎にHEMLIBRA の投与受けて出血の治療ゼロを達成した。

LINK > Hemophilia

2018/05/09

武田薬品によるShire plc買収に関して(2)

武田薬品とシャイアーが最終的に合併に合意したことが報じられました。ウェバー会長の談話では希少疾患領域の基盤を評価しています。7兆円の巨額投資の根拠としては非常に危険です。以下、弊社の見解です。弊社が運営するファーマセットLibraryの「血友病」と「希少疾患」のページを公開しました。文中のリンク(➔)をクリックしてご覧ください。

血友病について

Shireは血友病治療薬の市場で最大となる40%前後の市場シェアを持っていますが、競合する有望な新薬が登場してきました。競合新薬の開発状況を展望したうえで、シャイアーの開発パイプラインの評価を考える必要があります(➔ 血友病)。中外製薬(ロシュ)のヘムリブラだけでなく、ファイザーがSpark社と共同開発中の遺伝子治療薬SPK-9001なども注目されています。血友病の主要製品の売上高を見ると合計(市場規模)は2017年85億ドル(9400億円)で伸び率は0.4%、ほぼ横ばいでした。市場シェアはシャイアーが最大でAdvateとFeibaを合わせて45%になります。それだけに発明新薬の登場が与える影響がおおきくなると懸念されます。

希少疾患について

希少病の治療薬として10億㌦(1000億円)以上を売り上げる製品はほとんどなく、マルチビリオン($B)製品となるブロックバスターは出てこないと考えていましたがアレクシオン社が開発した抗体医薬エクリズマブ(販売名 SOLIRIS)は例外となりました。「発作性夜間ヘモグロビン尿症」に対する治療薬として2017年の売上高は3000億円を超えました。オーファンドラッグの開発に弾みをつける素晴らしい成果だと思います。とは言え、企業の経営戦略として希少病領域でブロックバスターを狙うのは間違っていると思います。これは倫理的な問題だけではなく、これまでの市場の現実を踏まえるべきだと考えるからです。

ポンペ病、ファブリー病、ゴーシェ病といった希少病の治療薬を開発して映画にもなったジェンザイムをサノフィが2011年に買収しました。その事業部(Rare Diseases)の業績はずっと20億ドル(2000億円)台で低迷しています。希少疾患は患者数が極端に少なく、新薬の普及率は発売と同時に100%に達します。価格は非常に高額なので値上げは許されません。希少疾患の新薬開発は行政やアカデミアの支援が手厚いので、競合品が想定以上の速さで出現します。シャイアー自身がファブリー病治療薬Replagalやゴーシェ病治療薬Vprivでジェンザイムのシェアを奪ってきました(➔難病・希少病)。武田薬品が支払う7兆円のうち3兆円がのれん代または無形固定資産となる超過支出です。この投資を希少疾患の領域で回収しようという考えは非現実的です。また倫理的にも問題です。余力をもって社会的な使命を果たせる企業になってもらいたいものです。

2018/05/01

武田薬品によるShire plc買収に関して(1)

表題の件、とくに株主が被る損害について弊社の見解を発表しました。

現金プレミアムを組み合わせて株式交換を提案した武田薬品のシャイアー合併計画は、発表と同時に武田側株主が明白な損害を被るという、異例なスキームである。

M&Aにはあらゆる危険が潜む、としても極めて異例である。4月25日の「改定申出」によって解消されたが、それまでの問題点は次のとおりである。
  1. 武田薬品経営陣によると、シャイアーに提案した一株7050円(47ポンド)の買取価格は憶測前(3/20)の株価 4470円(29.8ポンド)に対して2580円(58%)のプレミアムになる 
  2. 7050円は現金3150円(21ポンド)と新株3900円(26ポンド)で提供される 
  3. シャイアー株主は合併によって現金3150円を受領すると同時に、3900円で取得した新株を現時点(4/20) の市場価格(4857円)で売却すると、差額957円の追加利益を得ることができる 
  4. 合併提案の公表によって下落した株価 4510円(4/25)でさえ、シャイアー側株主には取得額 3900円との差額 620円が追加利益となる 
  5. このように、シャイアー側株主は新会社の株価が 3900円に低下するまで追加利益を確定するために、先を争って売り抜けようとする 
  6. 合併成立を待つまでもなく、市場で空売りして 3900円で買い戻す裁定取引が成立するので、武田薬品経営陣が提案を撤回しない限り、この状態が持続する 
  7. 従って、4857円(4月20日)の武田株を保有していた株主は会社声明が発表されると同時に3900円との差額 957円の損失が決定されたことになる

4月25日の「改定申出」について
  1. Shire社株式1株あたり7424円(49ポンド)へと前回の7050円(46ポンド)から5.3%引き上げた。プレミアムの言及はないが計算では64%へ6ポイントの追加となる 
  2. Shire株主は現金3295円(21.75ポンド)および 4130円(27.26ポンド)に相当する新株0.839株を取得する。 
  3. 一株あたりの価格に換算すると4月23日の終値4923円と同じとなる。 
  4. この改定によってShire側株主が得る追加利益が裁定取引を誘引して、株価が下落する問題は解消された。 
  5. しかし、憶測が始まった3月23日以降、武田薬品の株価が4月25日までに下落した問題は解決されず、むしろ現状の株価が価格算定の基準として定着される恐れがある。 

下のグラフは3月23日を起点とし、4月25日まで1カ月余りの株価増減率である。シャイアー(青色)は25%も上昇したが、武田薬品は19%減少し、市場指数(TOPIX +0.3%)を大きく下回った。


株主価値をこれ以上毀損しないためには、価格算定の基準とする武田薬品の株価はShireと同じ基準日(3月23日)の 5487円とするべきである。

5487円であれば持ち分を50:50とする係数0.839を乗じた4603円(30ポンド)が株式部分となり、残りの現金部分は2820円(=7423-4603)となる。今回、3295円に増額した現金部分を475円(14%)減額できる。

そもそも、Shire側株主への対価に現金部分があるかぎり、武田側株主には不平等な負担が生じる。特に新会社の経営リスクに対する負担において一層顕著となる。

次のセクション「株式交換による株主損失:合併会社のバランスシート」で、詳細に検討する。

4月25日に発表された「改定申出」によるとシャイアー 1株に対して新株0.839の交換比率によって武田側とシャイアー側の持ち分は50:50となる。従って新会社の発行株数は15憶8000万株となる。 株主への影響を一株あたりに換算して表にまとめた。
  • 株価純資産倍率(PBR)は武田株が2.03倍だったのに対し、シャイアー株は1.04倍であり資産の簿価に対する株式市場の信頼度には大きな開きがあった。(29ページ参照)

  • グローバル製薬企業のPBRはブリストルマイヤーズ 7.3倍、リリー 7.2倍、ロシュ 7.0倍などが高位にあり、サノフィ 1.4倍、バイエル 2.2倍、ノバルティス 2.6倍などが低位にある。いずれにしてもシャイアーのPBRは極端に低い。 
  • シャイアーの「のれん代および無形資産」 6,261円は株価4,470円(29.8ポンド)を大きく上回っていた。新会社ではさらに悪化する。 「のれん代および無形資産」 は6906円、これを賄うための借入金は4013円に拡大し、純資産3819円を大きく上回る。 
  • 合併による金融費用と償却費用の増加は一株あたり160円に達し、武田側株主の一株利益のほとんどを費消する。シャイアー側は合併時に取得する現金プレミアムによって20年分が補償されている。
まとめ

武田側の株主にとって非常に不公平な配分となる。さらに深刻なのはリスク負担の不公平である。バクスアルタの血液製剤事業は化血研やかつてのミドリ十字のようにリスクが大きい。シャイアー側の株主が負っていた減資リスクは武田側の株主がすべてを肩代わりする形で解消される一方、新会社は重大な破産リスクを背負ってスタートすることになる。


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