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2022/08/25

ノバルティスのジェネリック事業

 08/25 Novartis, Generic, M&A

Novartis announces intention to separate Sandoz business to create a standalone company by way of a 100% spin-off

  • ノバルティスはサンド事業を分離し、100%スピンオフにより独立した会社を設立する計画を発表した。 

2022/08/24

ジョンソン・エンド・ジョンソンの大衆薬事業

 08/24 JNJ, Consumer health

Johnson & Johnson Appoints Larry Merlo as Non-Executive Chair Designate of Planned New Consumer Health Company

  • ジョンソン・エンド・ジョンソンは新たに分離独立させるコンシューマーヘルス企業の取締役会会長の候補としてラリー メルロ(大手ドラッグストアCVS会長)を指名した。 

2022/07/21

ロシュのCEO交代

07/21, Roche, Governance

Change in the Board of Directors and Corporate Executive Committee in Spring 2023

ロシュの取締役会および執行委員会は2023年春の取締役会および経営会議において現CEOのシュバン氏(Severin Schwan)が会長となり、診断薬事業トップを勤めるシネッカー氏(Thomas Schinecker)がCEOに就任する人事を発表した。 

2022/06/01

海外製薬産業ニュース(2022年5月)

  リリーが開発した世界初のGIP/GLP-1受容体デュアル作動薬マウンジャロ(Mounjaro、チルゼパチド注射剤)を成人の2型糖尿病治療薬としてFDAが承認した。申請用臨床試験SURPASS-2では最大の競合品となるノボノルディスクのGLP-1受容体作動薬セマグルチドを対照薬とし、ベースラインからのHbA1cの低下 2.0%(5mg投与群)~2.3%(15mg投与群)と、セマグルチド(1mg)の1.9%を上回る結果を得た。GLP-1作動薬の2021年売上高は最大製品であるリリーのトルリシティ―が28%(15億ドル)増加して64億ドルとなったものの、ノボノルディスクのセマグルチド製品が注射剤オゼンピック(44億ドル)とサキセンダ(抗肥満、9億ドル)の合計で53億ドル、さらに経口剤のライベルサス(37億ドル)を加えると90億ドルを超えてトルリシティ―を大きく上回る状況となった。リリーは今回承認された GIP/GLP-1デュアル受容体アゴニストでセマグルチド製品群に対抗することになる。一方で、ノボノルディスクは本年3月にHbA1cの減少幅 2.1%を実現したオゼンピック 2mg(倍量)製剤のFDA承認を取得、また経口剤ライベルサスは昨年の増加率が100%(倍増)と急成長しており、リリーにとっては厳しい競合となりそうだ。5月の初回承認は他にも欧州で 1品目あり、合計2品目であった。サノフィのASMD(酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症)に対する初めての治療法となるゼンポザイム(オリプダーゼアルファ)の承認を欧州委員会CHMPが推奨した。

 追加承認(5件)ではアストラゼネカと第一三共が提携するHER2標的ADC抗体薬エンハーツのHER2陽性転移性乳がん患者に対する二次治療のFDA承認が注目される。2019年の初回承認は2回以上の抗HER2療法を経た転移性乳がん患者に対する三次療法だった。その後、2021年に胃がん効能追加が承認された。本年4月には肺がんの追加申請、さらにHER2低発現の乳がん患者への適応拡大が控えている。ノバルティスのCAR-T細胞療法キムリアは 3番目の適応症として再発性または難治性の濾胞性リンパ腫の成人患者に対する治療が承認された。ブリストルマイヤーズ・スクイブのPD-1阻害薬オプジーボは二つのレジメン(化学療法剤またはCTLA-4阻害薬ヤーボイとの併用)で切除不能な進行性または転移性食道扁平上皮がんの第一選択治療が承認された。サノフィの抗IL-4/13受容体抗体デュピクセントの好酸球性食道炎が承認された。ロシュの脊髄性筋萎縮症(SMA)治療薬Evrysdiの2ヶ月未満乳児への使用が承認された。

 その他の薬事では新薬の初回承認申請が2件あり、エーザイは昨年9月に開始していた抗 Aβプロトフィブリル抗体の早期アルツハイマー症治療薬レカネマブのローリング申請が完了したと発表。もう1件の初回申請はアッヴィの進行性パーキンソン病治療薬で持続性の皮下投与を特徴とするレボドパとカルビドパの合剤 ABBV-951である。追加承認の申請2件はいずれも抗がん剤である。アストラゼネカがPD-1阻害薬イムフィンジと化学療法剤の併用による胆道がん患者の治療、バイエルが前立腺がん治療薬ダロルタミド(販売名:ニュベクオ)とドセタキセルの併用による転移性ホルモン感受性の患者への適応拡大を申請した。現在のダロルタミド適応症はホルモン非感受性(去勢手術不適応)の患者に限定されている。

 申請用臨床試験では抗IL-23抗体、S1P受容体作動薬、さらにJAK阻害薬がいずれも潰瘍性大腸炎を標的効能として最終段階の好成績を発表している。リリーは抗IL-23抗体ミリキズマブが申請用第3相試験において患者の50%が1年で臨床的寛解を達成、ファイザーは S1P作動薬エトラシモドが52週間の投与で臨床的寛解率32%を達成しクラス最高のプロファイルを実証したと発表した。アッヴィのJAK阻害薬リンボックはすでに3月に米国で承認されているが欧州承認にむけてす既発表の臨床成績をまとめてランセット誌に掲載した。これまでに、抗TNFα抗体のレミケード(2005年)とヒュミラ(2012年)、抗インテグリン抗体エンティビオ(2014年)、JAK阻害薬ゼルヤンツ(2018年)、抗IL-23抗体ステラーラ(2019年)、S1P受容体作動薬ゼポシア(2021年)が潰瘍性大腸炎の適応症を取得している。

 経営事項およびビジネス案件ではファイザーが経口CGRP阻害薬の片頭痛治療薬の開発に成功したバイオヘイブンを一時金116億ドル(ほぼ1兆5000億円)、グラクソが次世代肺炎球菌ワクチンに取り組むバイオテク企業を33億ドル、という企業買収を発表した。ジョンソンエンドジョンソンは大衆薬事業の分離に向けて設立する専業子会社のCEOとCFOを任命した。リリーは本拠地のインディアナ州で21億ドルを投じて新しい製造拠点を建設する計画を発表した。

2022/05/01

海外製薬産業ニュース:2022年4月

 初回承認された新薬4件の適応症は心筋症、片頭痛、濾胞性リンパ腫と過成長スペクトル、さらに追加承認3件も強直性脊椎炎、重症筋無力症と大型B細胞リンパ腫と多岐にわたった。疾患領域としてもオンコロジー 2件、希少病 2件のほか、自己免疫、循環代謝、中枢神経系と様々だった。心筋症はファイザーのビンダケルがトランスサイレチン心筋症で20億ドルを超えており、ブリストルマイヤーズ・スクイブのマバカムテンが取得した肥大型心筋症にはこれを上回る市場性が期待される。
 経口CGRP阻害薬の片頭痛治療薬はすでにアッヴィのQULIPTAが承認されているが、ファイザーによると急性治療と予防効能が同時に承認されるのは初めてとなる。抗CGRP抗体Aimovig(アムジェン/ノバルティス)とEmagality(リリー)の2021年売上高は 6億ドル前後で低迷している。経口剤の登場が市場を拡大すると期待される。
 新規の濾胞性リンパ腫治療薬として承認されたロシュのモスネツズマブは抗CD20抗体リツキサンの後継品となるがCD3も標的とする二重特異性抗体である。ロシュにとっては不発に終わったADCC活性のガザイバ(2021年4億ドル)に代わるライフサイクルマネジメントとして期待が大きい。ノバルティスの過成長スペクトル(PROS)治療薬ビジョイスは乳がん治療薬ピクレイ(PI3K阻害薬)と同成分のアルペリシブを新規の新薬として開発した。

 追加承認ではアッヴィのJAK阻害薬リンボックが前月に承認された潰瘍性大腸炎に続いて5番目となる強直性脊椎炎の適応症を取得した。発売3年目(2021年)に17億ドルに達した売上高はファイザーが25億ドルを売上げるゼルヤンツを大きく上回ると予想される。申請段階では、日本を含め各国で承認されているGSKの低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素(HIF-PHI)阻害薬ダプロデュスタットの米国申請、第一三共とアストラゼネカが共同開発するHER2標的ADC薬エンハーツの非小細胞肺がん効能追加が注目される。エンハーツは2019年に乳がん、2021年に胃がん(いずれもHER2陽性)に承認されている。

最終臨床段階では糖尿病市場で競合するノボノルディスクとリリーが異なるアプローチの新規治療薬で最終臨床段階に達している。ノボの週1回投与インスリン・アイコデックは第 3a 相試験 において一日一回投与のランタスよりも優れたHbA1c 減少を示した。GIP/GLP-1デュアル受容体作動薬としてリリーが開発中のチルゼパチドは肥満症成人を対象とした臨床試験において最大22.5%の体重減少を確認した。

その他の研究開発では先述したロシュのモスネツズマブと同様のCD3xCD20二重特異抗体を開発中のアッヴィが大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)患者を対象とした第1/2相試験で全奏効率(ORR)63%、奏功期間(DOR)中央値12か月との結果を発表した。アストラゼネカの核酸医薬AZD8233はP2b段階で高リスクの高コレステロール血症患者のLDLコレステロール値を73%低下させた。バイエルのファクターXIa(eleven a)阻害薬アサンデキシアンの心房細動における第2b相試験の安全性データを発表した。骨髄異形成症候群(MDS)と急性リンパ性白血病(AML)を対象とするギリアドの抗CD47抗体マグロリマブに対するFDAの臨床試験保留措置(Clinical Hold)が解除された。アッヴィの新規 BCL-2阻害薬ナビトクラクスは第2相試験で良好な抗線維症活性を示した。アムジェンのKRAS阻害薬ルマケラス(ソトラシブ)はKRAS g12c変異を有する進行性非小細胞肺がん患者において 2年全生存率 32.5%を達成した。リリーはRET阻害薬レテブモ(セルペルカチニブ)の進行性 RET融合陽性非小細胞肺がん(NSCLC)におけるに関する最新データを2欧州肺がん会議で発表した。

ビジネス案件および経営事項:ファイザーはライム病ワクチン候補 VLA15 の第2相小児データ、RSウイルス治療薬を開発中のリバイラルの買収統合、およびALK陽性進行肺がん第一選択治療でローブレナが無増悪生存期間を延長した3年間追跡データを発表した。ノバルティスは成長加速、またパイプライン強化、生産性向上を目的とする組織改革、およびノースカロライナ州でのゾルゲンスマ製造能力拡大を発表した。アストラゼネカはマサチューセッツ州ケンブリッジに戦略的研究開発センターとアレキシオン本社を建設する計画、抗体医薬エブシェルの 6カ月以上にわたる症候性COVID-19予防効果を発表した。バイエルはオンコロジー戦略事業部の開発部門トップに、米国メルクとGSKでオンコロジー開発リーダーを務めたフランクル女史を任命した。GSKは臨床段階のバイオベンチャー企業シエラ・オンコロジーを19億ドルで買収する契約を発表した。ギリアドのCAR-T細胞療法専門企業カイトの最新製造施設をFDAが承認した。バイオジェンは合弁企業の持ち分をサムスンに売却してバイオシミラーから撤退する。ベーリンガーインゲルハイムは馬のステム細胞療法を商業化した。

2022/04/01

海外製薬産業ニュース:2022年3月

ブリストルマイヤーズ・スクイブが開発した世界初のLAG-3阻害薬が転移性メラノーマを適応症としてオプジーボとの併用で承認された。ノバルティスは2018年に承認されたルタセラ(NET、すい臓神経内分泌腫瘍)に次ぐ標的放射性リガンド療法として転移性前立腺がん治療薬プルビクトのFDA承認を取得した。

追加承認では成長著しいJAK阻害薬リンボックに承認された潰瘍性大腸炎が注目される。同じ適応症で最終の申請用P3段階にあるファイザーのS1P阻害薬エトラシモドが12週間投与と52週間投与でいずれも主要評価項目とした臨床的寛解を達成した。前月(2月)にはリリーの抗IL-23抗体ミリキズマブが4週間投与で28%、12週間投与で45%の症状寛解率を報告している。S1P阻害薬は昨年(2021年)5月にブリストルマイヤーズ・スクイブのゼポシア(オザニモド)が多発性硬化症(2020年)についで潰瘍性大腸炎に承認されている。

その他の臨床試験ではバーテックスの選択的 NaV1.8阻害薬 VX-548の概念実証(POC)試験が成功した。一方、転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)でメルクとアストラゼネカが提携するキイトルーダとリンパルザの併用試験は失敗した。ビジネス関連ではメルクの最高医療責任者(CMO)の引退が発表された。C5抗体に関する特許係争が和解し、アストラゼネカは中外製薬に930億円を支払う。

2022/03/04

BeiGene の血液学最高医学責任者Dr. Jane Huang、血液癌から固形癌へのシフトで辞表提出

BeiGene のBRUKINSA について、2 月22 日に欧米当局に慢性リンパ性白血病などの効能追加の一変申請を提出し、抗PD-1 抗体tislelizumab をノバルティスと共同開発を進めるなど、同社の血液癌分野をリードしてきた最高医学責任者(CMO)のDr. Jane Huang であったが、2 月25 日開催の2021 年決算報告の中で、新たにCMO が固形癌担当の上級副社長, Dr. Mark Lanasa が任命され去就が注目されたが、Dr. Hung が辞表を出したとのニュースをFierce Pharma が報じた。BeiGene の基本方針が血液癌から固形癌へと転換したことを意味している。
Dr. Huang は、3 月初めまでその職責を継続し、11 月中旬までコンサルタントとしてBeiGeneと協力関係を維持する。BeiGene は、Dr. Huang の監督下で開始された臨床試験を含む一連のevents への対応に彼女の協力を得て進める。

2022/03/01

海外製薬産業ニュース:2022年2月

初回承認FDAが多発性骨髄腫を適応症とするヤンセンのBCMA標的CAR-T細胞療法を承認した。一方、FDAが昨年1月に申請を受理しながら結論に至っていないファイザーのソマトロゴンが欧州で承認された。追加承認リリーのSGLT-2阻害薬ジャディアンスが2021年に承認されたHFrEF(左室駆出率低下型心不全)に続いてHFpEF(左室駆出率保存型心不全)にも承認された。GSKのHIV専門子会社ヴィーブヘルスケアのカベヌバは2カ月1回投与の用法追加が承認された。ノバルティスのジェネリック専門子会社サンドはBMSの最大製品レナリドミド(販売名:レブラミド)に対するジェネリック承認を欧州 19か国で取得した。BMSは非小細胞肺がんに対するオプジーボの術前補助療法の追加承認を申請した。申請用臨床試験アストラゼネカと第一三共が共同開発するHER2標的ADC薬エンハーツがHER2低発現の患者を対象に好成績を収めた。リリーの抗IL-23抗体ミリキズマブは潰瘍性大腸炎に対して投与後12週間で患者の2/3で効果が確認された。

企業経営GSKから分離される大衆薬事業の社名Haleonが発表された。サノフィは新規の企業ブランドおよびロゴへの変更を発表した。ファイザーは開発担当役員にロシュ探索研究所トップをスカウトした。新型コロナウイルス感染症リリーの抗体医薬ベブテロビマブが緊急承認されたほか、メディカゴ(田辺三菱子会社)とGSKの植物由来アジュバント化ワクチンがカナダで承認された。

2022/02/28

GSKは大衆薬事業を社名Haleonとして分離する計画を発表

 

02/28, GSK, Organization, OTC drugs
GSK introduces Haleon to investors - Global leader in consumer health set to be a newly independent company
  • GSKは大衆薬事業を新規の独立企業として分離し、会社名Haleonとした。投資家向け説明会を開催し、消費者向けヘルスケア事業でグローバルなトップ企業になると述べた。

2021/11/17

ファイザーの最高財務責任者(CFO)が引退

11/17, PFE, Governance
Pfizer Announces Retirement of Chief Financial Officer Frank D’Amelio
  • ファイザーは最高財務責任者(CFO)フランク・ダメリオ氏の引退を発表した

2021/11/12

ジョンソンエンドジョンソンが大衆薬事業を分離する計画を発表

 11/12, JNJ, OTC, Divestiture

Johnson & Johnson Announces Plans to Accelerate Innovation, Serve Patients and Consumers, and Unlock Value through Intent to Separate Consumer Health Business
  • ジョンソンエンドジョンソンは大衆薬事業を分離する計画を発表した。発明を加速して患者と消費者に奉仕し、企業価値を顕在化する、、、

2021/11/04

ロシュ株式の33%を保有していたノバルティスが全持分を207億ドルでロシュに売却

11/04, NVS, ROG, Governance, Finance
Novartis to sell its Roche stake in a bilateral transaction to Roche

  • ノバルティスはロシュ株式の持ち分をロシュとの二社間取引により売却する

 11/26, ROG, Finance

Extraordinary General Meeting of Roche Holding Ltd of the capital reduction by cancellation of the shares to be repurchased from Novartis and of the interim financial statements prepared for the purpose of this transaction
  • ロシュは臨時株主総会を開催してノバルティスから買い取る自社株式を償却して減資すること、およびこの手続き反映した財務諸表を承認した

2021/03/29

グローバル新薬の2020年実績アップデート「市場の変化と研究開発の動向」

Webセミナー「製薬産業分析の基礎」シリーズ 第1回

「グローバル新薬の2020年実績まとめ:市場の変化と研究開発の動向」

標記のZOOMミーティングを4月26日(月)10:00-11:30(90分間)または15:00-16:30(90分間)、参加費9000円の予定で開催します。ご希望の方は4月9日(金)までに弊社ホームページからお申し込みください。請求書メールを送付させて頂き、ご入金を確認次第、ZOOMリンクをお届けします。ご都合に合わせて、27日(火)と28日(水)にも開催します。

「トップ50品目の動向」(一部サンプル)


「主力製品が交代するロシュ」


医療用医薬品ランキング(一部サンプル)


エスタブリッシュド製品のアップジョン部門をマイランと合併させ、バイアトリスとして分離したファイザーは2019年1位の496億ドルから2020年は419億ドルと減少し、6位に後退した。一方、セルジーンを買収統合したブリストルマイヤーズ・スクイブは9位から5位へと上昇してファイザーを上回った。激変の2020年となったが、5年前(2016年)にはある程度、予想された通りの展開だった。薬事ハンドブック2017にも掲載頂いた弊社ブログ「グローバル製薬産業の2020年アウトルック」をご参照ください。あらためて2025年アウトルックを準備中です、構想段階ですがセミナーでは簡単に触れさせていただきます。

2021/02/04

メルクがフレイザーCEOの引退予定を発表

02/04, MRK, Governance
Kenneth C. Frazier to Retire as Merck CEO; Board Elects Robert M. Davis as Successor; Frazier to Continue as Executive Chairman
  • メルクの会長とCEOを兼任するケネス・C・フレイザー氏の引退予定と、後任CEO(ロバート・M・デービス氏)の選出が発表された。
(参考)メルク取締役会は定年制度を停止してフレイザー氏の任期を延長することを2018年に決定していた。2021年6月をもってCEOを引退することは既定路線であったが、引き続き会長としてとどまり、今後もリーダーシップを発揮すると期待される。新たにCEOとなるデービス氏はリリーで14年間過ごしたのち、2004年から2010年までCFOとしてバクスターに在籍し、メルクでは2014年からCFOを務めている。

2021/01/06

タケダ薬品のR&D説明会(2020年12月9日開催)について(あらためてシャイアー問題を検証する)

10年後 2030年の目標とする売上収益5兆円の根拠を示す説明が不十分であったためか、株式市場の反応は冷ややかだった。量的にも直ちに理解することは難しい内容だったが会社説明の論点を、

① シャイアー統合後の売上収益は3兆3000億円前後のまま低迷しているが、「 5 年後の2024 年度には、主力品の落ち込み 45億ドル(ほぼ5000億円)を上回るグローバル製品の増加 80 億ドルが貢献して3兆5000 億円へと拡大する」、

② 「 10 年後の 2030 年にはパイプラインから 1兆 5000億円が貢献して 5 兆円に達する」、

という2つの段階に分けて考察してみたい。

まず、②「10年後(2030年)のパイプライン評価額1兆5000億円」については、全品目の成功確率を100%と仮定した非現実的な数値であった。一方で、その成功確率を半分以下に見積もった 6000億円程度が「WAVE 1 PTS調整後」としてグラフに示されており、全体としては信憑性が保たれているよう見える。しかしながら、根拠がないとさえ感じられる過大な数値を10年後の目標としてCEOが説明会の冒頭に発表しており、無責任な印象が強く残った。また、内容を詳細に見ていくと、個々の数値目標にも多くの疑問が残る。

特に問題なのは、 最大プロジェクト として60億ドル(6500億円)を見込むオレキシン化合物のナルコレプシー治療薬である。額面通りに実現すれば、グローバル製品の売上ランキングでトップ10に入ることになる。しかし、希少病治療薬におけるこれまでの最大売上は、アレクシオンのヘモグロビン尿症治療薬ソリリスの39億ドル(4200億円)であり、ランキングは21位である。

タケダのナルコレプシー治療薬がソリリスを2300億円も上回るという計画の根拠は不明である。経口剤のTAK-994は登録症例数202例を目標とするフェーズ2試験段階にあり、完了するのは2021年5月の予定、注射剤のTAK-925はフェーズ1を終了したばかりである。フェーズ2も終了していない段階ではどうのような根拠であれ、責任ある説明にはならない。2021年4月6日に開催される投資家イベントでの詳細説明が待たれる。

前後したが、①「5年後(2024年)に想定される既存製品の減少」については45億ドルにとどまらないと予測される。説明資料8ページのグラフでは、2019年度に3300億円だった血友病領域は2000億円前後へと40%ほどしか減少しない想定と見えるが、さらに1000億円減少して3分の1(1100億円)以下となる可能性が高いと思われる。

その根拠は、ロシュの二重特異性抗体ヘムライブラだけでなく、バイエルのJivi、ノボノルディスクのESPEROCT、サノフィのEloctateといったPEG化遺伝子組み換えファクターVIII製剤との競合が激化していることにより、アドベイトの後継品アディノベイトの成長が見込めないからである。さらに、ファイザーが発表した新規抗TFPI抗体やフェーズ3に進んだ遺伝子治療SB-525など、5年後にはさまざまな競合品が市場に参入している可能性が大きい。

仮に、全体の売上減少額が想定通り45億ドルにとどまるとしても、グローバルブランドによる上乗せ額として想定する80億ドルが45億ドル(4800億円)を下回る可能性が高く、売上収益は横ばいを維持することさえ困難な状況と見える。

タケダが期待する上乗せ額45億ドルの2/3以上は、2024年度売上65億ドル(2019年比33億ドル増加)を見込む潰瘍性大腸炎治療薬エンティビオの増加である。しかし、市場競合と開発パイプラインの状況を見ると、エンティビオの売上は47億ドル(5000億円)程度、15億ドルの増加にとどまりそうである。

最大の競合品であるヤンセンの抗IL-23抗体ステラーラ(適応症:潰瘍性大腸炎/クローン病、尋常性乾癬、乾癬性関節炎)の2019年売上は、グローバル医薬品売上8位となる67億ドルである。比較すると、エンティビオには消化器領域の適応症しかないうえ、最大市場の米国では皮下注製剤の承認が遅れている。さらに経口JAK阻害剤の抗リウマチ薬が続々と潰瘍性大腸炎へ適応拡大されてくる状況から、競合が激化すると予想される。

多発性骨髄腫治療薬ニンラーロに対する期待も過剰気味である。一次療法の効能追加に失敗し、高位予想20億ドルどころか、低位予想の15億ドルも厳しい状況である。同じ2015年に発売されたヤンセンのダーザレックスは、昨年、一次療法の効能追加が承認され、売上は1000億円増加、3000億円に達している。

「武田薬品の将来を考える会」のレポートでは、エンティビオとニンラーロの現状を分析し、タケダ薬品が想定する3つの数値、

(1) 2030年5兆円の売上収益

(2) 2024年までの主力品減少額 45億ドル

(3) 2024年までのグローバル製品の上乗せ80億ドル

について、現実性を分析している。

おわりに(シャイアーの買収統合を振り返って)

タケダ経営陣が想定する以下3つの数値からみて、シャイアー社統合の成否について考察する。
  ① 2030年5兆円の売上収益
  ② 2024年までの主力品の売り上げ減少額 45億ドル
  ③ 2024年までのグローバル製品の上乗せ 80億ドル

まず、① 2030年(10年後)の売上収益目標5兆円については、タケダ経営陣が想定する研究開発パイプラインの貢献額 1兆5000億円において旧シャイアー社製品の合計は4000億円以下(34億ドル)であり、現実的には2000億円にも満たない。

一方、②5年後(2024年)に想定する45億ドル(4800億円)の売上減少は、2/3以上(3300億円)がシャイアー社製品によるものである。さらに、2024年までに米国において特許満了となる11品目の内、10品目(2019年度売上合計4300億円以上)がシャイアー社製品である。

このような状況から、タケダが公表した2030年までの売上予想額において シャイアー社買収はマイナス要因となっているように見える。さらに、③ 5年後(2024年度)にタケダが期待する「グローバルブランド12品目による80億ドル以上の上乗せ」については、実現の可能性が低いと思われるが、この数値においても旧シャイアー品目の貢献は26億ドル(2800億円)と1/3以下である。

このようにタケダが示している製品売上予想を分析してみると、シャイアー社買収に起因する問題が浮かびあがってくる。いずれにしても当面の焦点はタケダが5年後(2024年度)に想定する既存製品の減少45億ドルと、これを上回るとするグローバルブランドによる貢献80億ドルの現実性である。

現実的な想定で試算すると減少額は45億ドルを上回り、グローバルブランドによる上乗せ額は45億ドル前後にとどまる。すなわち、今後5年間の成長はほとんど見込めず、最終損益の回復も見通せない状況が続くと判断される。

2020/06/24

バイエルがモンサント買収にともなうラウンドアップ訴訟で和解

06/24 Bayer, Litigation, Agro
  • Bayer announces agreements to resolve major legacy Monsanto litigation > Company will make a total payment of $10.1 billion to $10.9 billion (EUR 9.1 billion to EUR 9.8 billion) to resolve current and address potential future Roundup™ litigation
バイエルは2016年に買収したモンサントが抱えていた訴訟問題について解決への合意にいたったことを発表した。除草剤ラウンドアップの製造物責任訴訟の和解金は総額で101億ドルから109億ドル(1兆2000億円)に達する。

Weber氏の報酬は20億7300万円

本日の武田薬品株主総会において坂根取締役会議長が有価証券報告書に記載しているとして、回答を避けたCEO報酬の金額が明らかになりました。先ほど公開された有価証券報告書の112ページに記載されています。本来は総会前に招集通知書において公開しておくべきです。>2019年度有価証券報告書

考える会としては今日の総会での質問で、シャイアー買収に伴うROE等の業績指標の回復は未了だとの認識を共有していただく糸口を探りました。多少は理解されたと感じましたが、公表されたCEO報酬は考える会が推測したようにファイザーを抜いて、メルクに次いでグローバル医薬品企業の第2位まで来ました。

昨年の総会資料で報酬開示を公約し、事前質問が提出されていたのですから、タケダイズムを尊重するなら総会で回答して欲しかったとの思いは強くあります。また、成果に応じた報酬の供与が原則であるはずです。会社とのギャップがさらに広がった感があります。

社外取締役の報酬も今回はじめて開示されました。全員がほぼ一律4000万円という破格の報酬です。ちなみにファイザーの社外取締役報酬は2000万円から4000万円です。国内の標準1000万円前後を大きく上回る大盤振る舞いのおかげでタケダの社外取締役は全員がウェバーCEO・坂根議長コンビに同調し、コーポレート・ガバナンスが甘くなっているのではないでしょうか?。

2020/05/29

サノフィはリジェネロンとの資本関係を解消

05/29 Sanofi, Restructuring
  • Sanofi announces closing of Regeneron stock sale > As a result of the offering, Sanofi has sold its entire equity investment in Regeneron, for total gross proceeds amounting to $11.7 billion.
サノフィは保有するリジェネロンの株式売却を完了し、売却額は117億ドル(1兆2000億円)に達した。資本関係を解消したのちも2003年から続く提携関係は変更しない。

2020/05/28

タケダ薬品の株主総会に向けて「考える会」の見解3 > 株主提案権の行使について

株主提案権行使に至る理由について

武田薬品の将来を考える会
代表 武田和久

非常事態宣言は解除されたものの、第2波第3波に備え、予断を許さない状況は今後も続くと予想されている今、私たちには、ウィルスと共生していく知恵と工夫がより求められています。そして企業も株主もまた、知恵と工夫、さらには大きな変革が求められています。

さて、「武田薬品の将来を考える会」は今回、ガバナンス強化に資すべく社外取締役の候補者を推薦し、株主提案権を行使することにいたしました。そこに至る理由につきまして、ご報告いたします。

先ずは、この代表的なグローバル製薬企業4社(ロシュ、ノバルティス、ファイザー、メルク)のCEO報酬の表をご覧ください


タケダのCEO報酬18億円は、メルクの30億円、ファイザーの20億円に次いで3位となっています。

最高額であるメルクのCEO報酬は、2014年から2015年にかけて倍増し、その後更に4億円増加しています。その背景には、2014年に発売した抗がん剤・キートルーダの好調があります。メルクは、2015年に9.9%だったROEを38%へと28ポイント改善し、5年間の配当成長は年率平均5.1%、TSR(株主総利回り)は75%。これによりフレイジャーCEOの手腕が高く評価され、取締役会は定年制度を一時停止し、CEOの続投を決定しています。

また、この5年間のTSRは、ロシュ(31%)、ノバルティス(31%)、ファイザー(46%)において、市場(S&P指標)の伸び率(57%)を下回ったことから、CEO報酬は減額となっています(ただし、ファイザーとノバルティスは、途中でCEOが交代、2019年は新しいCEOの報酬)。

ロシュは、全世界における血友病治療薬・ヘムライブラの好調に起因し、ROEを3.7%ポイント改善し(直近実績42.6%)、年率2.7%の配当成長を実現しました。しかし、株価上昇率が市場を下回ったことから、CEOの報酬は減額されています。


さて、タケダはどうでしょう。ウェバーCEOの報酬(18億円)はなんと、この4年間(2018年度まで)で倍増、2019年度には20億円とさらに増加し、2位のファイザーを超えるのではと予想されています。

ウェバーCEOは、経営の選択と集中と称して、ノンコア事業、優良資産などの多くを売却し、さらに国内を中心に多くの従業員を解雇することによって業績改善を図りました。しかし、現在タケダのROEは0.9%へと3.0ポイント低下し、配当成長率はゼロ、TSRはマイナス27%、タケダの株主は、シャイアー社買収案件の前後に、全体で2兆円の損害を被っているのです。このような経営者の報酬がなぜ、増加し続けるのでしょうか。欧米企業であれば、CEO報酬の返還と解任を要求されて然るべきことと思っています。

このような事態を招いている要因の一つは、経営者による自己利益の追求を監視するガバナンス(企業統治)が機能していないことにあります。

「考える会」では、タケダはグローバル化を急ぐ一方で、ガバナンス機能は世界水準に全く追い付いていないと判断し、ガバナンス強化に資すべく社外取締役の候補者を推薦し、株主提案権を行使することにしました。

上記事情ご勘案の上、「考える会」としての株主提案につきまして、株主の皆様のご賛同を賜りたく、ここにお願いする次第です。

何卒よろしくお願いいたします


タケダ薬品の株主総会に向けて「考える会」の見解2>株価の現状

株価の現状

シャイアー統合の前後を通じて初めてとなるR&D説明会が昨年(2019年)11月に開催された。しかし、株価は4400円前後で横ばいに推移し、シャイアーとのM&Aを討議した定時株主総会(2018年6月)当時の4600円台を回復できなかった。ウェバーCEO就任時(2015年4月)6000円台だった株価は1年後には5000円へ低下し、2017年は6000円台を回復したものの、2018年以降シャイアーとのM&Aが表面化してからは3000円以下まで半減、その後4000円台を回復したところである。

株主総利回り(TSR, Total Shareholder Return)

タケダ薬品の2020年3月期ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)は0.9%となり、15%前後にある国内の同業他社、さらに15%から42%にある海外製薬企業とは比較の仕様がない低水準である。また、ISSなど著名な議決権行使助言会社が最低ラインとする5%にも届かない状況が続いている。そのために株価が低迷し、株主総利回り(配当金総額と株価増減額の合計)はウェバーCEOが就任した2015年4月1日から2020年3月31日までの5年間でマイナス29%となった。アステラス(-5%)、エーザイ(+3%)、第一三共(+309%)、さらに市場(TOPIX -9%)に対しても大きく下回る結果となった。海外企業は2015年1月初から2019年12月末の暦年データであるが、継続的に増配を維持し、配当成長率は年率平均2.2%から6.5%だった。加えて株価の上昇もあり、5年間のTSRは31%から75%となった。タケダ薬品の配当成長率はゼロだった。

LINK > 株主総利回り(武田薬品の将来を考える会ホームページ)