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2023/11/22

ベーリンガーインゲルハイム, 細菌による癌治療開発企業T3 Pharmaを買収、癌免疫療法に参入

ベーリンガーインゲルハイムは、スイスバーゼルに拠点を置く株式非公開のユニークな細菌による癌治療法を開発しているバイオ企業T3 Pharmaceuticals AG(T3 Pharma)を最大4億5,000 万CHF(1CHF=168JPY)で買収し、癌免疫療法のポートフォリオを拡大すると発表した。
T3 Pharma社は、バーゼル大学の Biozentrum から独立して2015年に設立され、固形癌を治療する細菌ベースの免疫腫瘍療法を開発するバイオ企業で、生細菌を使用して免疫調節機能を提供する独自の治療技術基盤を構築し、ペイロードとして細菌の生産する複数の生理活性タンパク質を、選択的に癌細胞や癌細胞の微小環境に送達するシステムを開発した。同社は、細菌の III 型分泌システム(T3SS)を再利用することにより独自のタンパク質送達技術基盤を構築し、腫瘍と腫瘍微小環境へ目的の治療用タンパク質の送達を実現した。同社の主力製品の T3P-Y058739 は現在、第 I 相臨床試験で評価中である。

2023/10/08

BMS, KRASG12C 阻害剤 KRAZATI(アダグラシブ)を有する Mirati 買収, 癌領域を強化・多様化

ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)と Mirati Therapeutics, Inc.(Mirati)は、最終的な買収合併契約を締結したと発表した。本契約に基づいて、BMSはMiratiを1株当たり現金58.00$で買収することで同意した。総資本価値は 48 億$相当になる。本買収により、BMS は、重要な肺癌治療薬 KRAZATI を同社の製品 ポートフォリオに追加することができる。同社は、自社のオンコロジーパイプラインを補完し、単剤開発および併用戦略の強力な候補となるいくつかの有望な臨床開発品へのアクセスが可能になる。
Mirati の ポートフォリオ:
1) KRAZATI(アダグラシブ);全身療法歴のある、KRASG12C 変異陽性局所進行性または転移性非小細胞肺癌(NSCLC)の成人患者の治療薬として FDA から加速承認を取得している。
2) MRTX1719;MRTX1719 は、全ての癌の約 10%を占めるMTAP 欠失腫瘍を標的としている。NSCLC、胆管癌、黒色腫を含む MTAP 欠失を伴う複数の腫瘍タイプにわたって有望な初期の有効性データを示している。
3) MRTX1133 ;膵臓癌、NSCLC、結腸直腸癌などに関与する KRASG12D 変異を標的としている。
4)MRTX0902;臨床開発中の SOS1 阻害剤、KRAZATI を含む MAPK/RAS 経路を標的とする他の薬剤との併用の可能性がある。

2023/07/31

InstaDeep の買収、AI による創薬、設計、開発分野における BioNTech の先駆的地位を強化

BioNTech SE (BioNTech)が、人工知能(AI)および機械学習(ML)の分野における世界有数の technology 企業 InstaDeep Ltd. (InstaDeep)の買収を完了した。unmet medical needs の高い疾患に対処するための、AI 主導の創薬と次世代の免疫療法と vaccine の開発における世界をリドする能力の構築を目指す BioNTech の戦略を強化支援するものである。BioNTech の治療の技術基盤と業務全体にわたって AI と ML 技術を活用することで、次世代の免疫療法を大規模に発見、設計、開発する完全に統合された全社規模の機能の構築を可能にする買収になる。

2022/11/21

Merck /MSD、骨髄増殖性腫瘍の治療薬開発企業Imago BioSciences を総額13.5 億$で買収

Merck & Co., Inc./MSD(Merck)とImago BioSciences, Inc. (Imago)の両社は、Merckが子会社を通じて、Imago の公開株式を1 株当たり現金で36.00$、総額約13 億5000 万$でImago を買収する最終契約を締結したと発表した。Imagoは、骨髄増殖性腫瘍 (MPNs) およびその他の骨髄疾患の治療のための新薬を開発する臨床段階のバイオ医薬品企業である。Imago のリード臨床開発候補 bomedemstat (IMG-7289) は、経口で利用可能なlysine 特異的demethylase 1 (LSD1)阻害剤で、現在、本態性血小板血症(ET)、骨髄線維症(MF)、真性多血症(PV)に対する第2 相試験が進行中である。
公開買付けが成功裡に完了すると、Merck 買収子会社はImago に合併され、残りのImago の普通株式はすべてキャンセルされ、公開買付けで支払われる金額と同じ 1 株当たり36$を受け取る権利に変換される。この取引は、2023 年の第 1 四半期に完了する予定。

2022/10/23

Syncona、遺伝性網膜疾患遺伝子治療法開発企業Applied Genetic Technol. Corp.(AGTC)買収

ライフサイエンスの世界的リーダーの設立、構築、および資金提供に焦点を当てた大手医療投資会社 Syncona Ltd.(Syncona)と、希少ならびに消耗性疾患の遺伝性網膜疾患(IRDs)に焦点を絞り、adeno 随伴virus (AAV) ベースの遺伝子治療の開発と商業化に向けて臨床段階にあるバイオ企業Applied Genetic Technologies Corporation (AGTC)は、SynconaがAGTCを買収することで合意した。AGTC は、2022 年以降の継続的な事業への資金不足に直面していた。

AGTC が開発中のリードプロジェクト:
・X 連鎖性網膜色素変性症(XLRP)[AGTC-501 が現在第2/3 相試験段階にある]
・色弱症(ACHM);CNGB3 またはCNGA3 遺伝子のいずれかの突然変異による遺伝性疾患[現在CNGB3 を標的に第1/2 相試験段階にある]

2022/10/20

アッヴィ、DJS Antibodies を買収し特発性肺繊維症治療薬候補を入手し免疫パイプライン強化

アッヴィ が、DJS Antibodies Ltd (DJS)を買収すると発表した。DJS は、G タンパク質共役受容体 (GPCRs)のような、薬剤の投与が困難な疾患の原因となるタンパク質を標的とする抗体医薬品の創薬と開発に専念している英国に本拠を置く株式非公開のバイオ企業である。DJS のリードプログラムはDJS-002 で、特発性肺線維症(IPF)やその他の線維性疾患の治療を目的として、現在前臨床試験段階にあるfirst-in-class のlysophosphatidic acid(LPA)受容体1(LPAR1)拮抗抗体である。 IPF は、肺の線維性瘢痕によって引き起こされる進行性で死亡率の高い疾患であり、アンメットニーズの高い領域である。
この買収の主な利点は、アッヴィが DJS を通じて、バイオ医薬品研究における現行機能を補完する HEPTAD 技術基盤にアクセスできること、DJS はアッヴィの広範な創薬の専門性を活用して、これまでは扱い難かったGPCR 等に対する抗体療法と新しい生物学的知見を生み出すことを継続できることである。

2022/09/13

ノボノルディスクNovo Nordisk、Forma Therapeutics を買収, 鎌状赤血球症と稀な血液疾患のプレゼンス拡大

ノボノルディスク とForma Therapeutics, Holdings Inc.(Forma)は、Novo Nordisk がFormaを1 株当たり現金20 US$、総額11 億US$で買収するという正式契約を締結したと発表した。Forma は、鎌状赤血球症 (SCD) および稀な血液疾患に注力している企業である。Forma のパイプラインは、主要開発候補品のetavopivat を含め、ノボノルディスクの戦略に沿ったもので、赤血球中のヘモグロビンタンパク質の異常な産生または構造を有する一群の障害である赤血球ヘモグロビン症において、科学的プレゼンスとパイプラインを補完し、加速させるものである。

2022/08/11

治験段階の T 細胞エンゲージャーをめぐる企業買収

 08/11, AZN, M&A

Acquisition of TeneoTwo for its clinical-stage T-cell engager completed

  • アストラゼネカは先に買収していたテネオ社に関連する TeneoTwo の買収を完了し、治験段階の T 細胞エンゲージャーを取得した。

2022/08/08

希少血液病におけるプレゼンス強化をめざしたM&A

 08/08, Pfizer, M&A

Pfizer to Acquire Global Blood Therapeutics for $5.4 Billion to Enhance Presence in Rare Hematology

  • ファイザーは 希少血液病におけるプレゼンスを強化するために 54 億ドルを投じてグローバル血液セラピューティクス社を買収した。

2022/08/04

免疫チェックポイント作動薬の開発をめぐるM&A

 08/04, Gilead, M&A

Gilead Sciences to Acquire MiroBio – Acquisition Provides Gilead with MiroBio’s Pipeline of Immune Checkpoint Agonists and Proprietary Discovery Platform –

  • ギリアド・サイエンシズはミロバイオ社(MiroBio) を買収し、免疫チェックポイント作動薬の開発パイプラインおよび独自の研究基盤を取得した。

2022/07/11

1型糖尿病の細胞治療に関連する企業買収

07/11, Vertex, M&A, Cell therapy

Vertex to Acquire ViaCyte, With the Goal of Accelerating its Potentially Curative VX-880 Programs in Type 1 Diabetes

バーテックスは 1型糖尿病の治癒を目指す VX-880の開発プログラムを加速することを目標として幹細胞由来の細胞置換療法に特化するビアサイト(ViaCyte)を買収する。

2022/07/05

血液がんに対する新規がん免疫療法に関連する企業買収

07/05, AZN, M&A

AstraZeneca to acquire TeneoTwo and its clinical-stage T-cell engager, strengthening haematological cancer pipeline 

アストラゼネカはテネオ ツー(TeneoTwo)の買収により、臨床段階のT細胞エンゲージャーを獲得して血液がんパイプラインを強化する。

2022/06/21

Galapagos、CellPoint とAboundBio を買収し、次世代CAR T 細胞療法へのアクセスを加速

Galapagos NV(Galapagos)、CellPoint 及びAboundBio の3 社は、Galapagos がCellPoint 及びAboundBio を買収する最終正式契約を締結し、ポートフォリオと機能を大幅に拡大しつつ、Galapagos の次世代CAR T 細胞療法を推進することに合意した。
CellPoint は、CAR-T 療法の7 日間での製造を可能にし、複雑なロジスティクスを回避することにより、現在のCAR- T 治療の重要な制限に対応した新しい医療現場(Point of Care)での供給モデルを開発した。CellPoint の分散型供給モデルを使用した臨床試験は、ベルギー、スペイン、オランダの規制当局によって認可されている。CD19 CAR-T 療法を用いたR/RNHL およびR/RCLL の2 本の第1/2a 相試験が現在進行中であり、2023 年前半にトップラインの結果が期待され、CAR-T 療法のPoint-of-Care 供給モデルの迅速な臨床での検証の機会を提供する。
AboundBio の業界をリードする完全ヒト抗体library は、重鎖可変(VH) domain、scFv、Fabs2 などの多様な結合フォーマットを、従来のCAR-T 療法に組み込み、多様な開発の可能性を提供する。
CellPoint の分散型Point-of-Care 製造モデルとAboundBio の最先端の完全ヒト抗体ベースの機能により、CAR-T 療法のパラダイムシフトの可能性があり、次世代CAR-T 細胞と二重特異性抗体の技術を提供する。

2022/02/23

Merck KGaA、7.8 億$でExelead の買収完了、Technology Scale-Up に5 億€以上の投資を計画

Merck KGaA(メルク)は、2022 年1 月に公表したExelead 社の買収について、規制当局の認可およびその他の慣習的な買収完了条件の履行に続いて、約7 億8000$の現金を支払い、Exelead の買収を完了したと発表した。今回の取引で、ライフサイエンス事業部門に新たに取得して形成された医薬品製造開発受託機関(CDMO)事業を加え、メルクの成長するグローバルなマルチモダリティとしてCDMO ネットワークを追加した。 Exelead は現在、mRNA バリューチェーン全体で包括的なend-to-end サービスを提供している。メルク は今後10 年間にわたりExelead の機能増強に向けて継続的に総額5 億€超の投資を継続する。
Exeleadは、米国インディアナポリス に拠点を置くバイオ医薬品製造開発受託機関CDMO で、PEG 化製品と複雑な注射用製剤の製造を専門としている。これには、mRNA Vaccine や治療法の鍵となる脂質nano 粒子(LNP)ベースのドラッグデリバリー技術基盤が含まれる。同社は、前臨床開発から、充填および仕上げを含むLNP 製剤の製造に関わる商業契約を数多く締結しており、すべての開発段階における経験を有している。

2022/01/10

2021 年の製薬企業における企業買収額のトップは、CSL によるVifor Pharma の117 億$

2021年の買収規模の特徴は、超高額な買収は無く、CSL の117 億$がトップで、次いでMerck/MSD の115 億$が続き、次は30 億$台のレベルである。注目される点を以下に示す。
1) 複数の企業買収がAmgen、Merck/MSD、Sanofi、武田薬品で行われた。
2) 二重特異抗体のパイオニア企業のAmgen が、多重特異性抗体技術のTeneobio を買収、武田薬品も二重特異性抗体を含むT 細胞抗体技術のMaverick を買収した。
3) Merck/MSD が自己免疫疾患治療薬開発企業Pandion を買収し、循環器系の強化にAcceleron を115 億$で買収した。
4) Sanofi の4 回の買収も記録であるが、mRNA 技術関連企業を2 社買収したのが特徴的。
5) NovoNordisk がRNAi 技術を獲得すべくDicema Pharms.を買収した。

2021/12/22

タケダ薬品株価の現状について

2021年12月21日まで3か月間の株価増減率


主要グローバル製薬企業の株価は直近3か月間でファイザー(+39%)とロシュ(+10%)が好調、メルク(+6.0%)は市場(S&P500、+4.9%)を上回ったがノバルティス(+2.8%)とJ&J(+2.0%)は下回った。一方、タケダ薬品はTAK-994(ナルコレプシー治療薬)の開発中止が報じられたこともあり、マイナス19%と大幅な減少となっている。


過去5年間の株価増減率


次に過去5年間の株価推移(上図)を見ると、グローバル製薬企業は全体として市場(S&P500、+105%)を下回っているがファイザー(+82%)が今年に入って急伸、ロシュ(+66%)とJ&J(+41%)は比較的堅調であり、低調なノバルティス(+30%)とメルク(+27%)を上回った、いずれも株価下落といった異常事態は見られない。しかし、タケダ薬品はシャイーを買収した2018年の年初(6500円)から4年間で100%減少(半減)し、5年間の通算ではマイナス35%となっている。

タケダの株価はTAK-994の開発中断による影響(11%下落)だけでなく、シャイアー買収にともなう問題を反映している。医薬品業界では2018年の武田・シャイアー合併の後にも大型M&Aが続いており、2019年にはブリストルマイヤーズ・スクイブがセルジーンを買収し、5年間の株価推移はマイナス2%と低迷している。一方で、2019年にアラガンを買収したアッヴィ(+111%)とアレキシオンを買収したアストラゼネカ(+105%)の株価は市場平均を上回る好調となっている。M&Aにおける買収算定額の妥当性(のれん代発生の抑制)が反映されていると思われる。

(参考)過去5年間の株価増減率(M&A対象企業、実施年)
アストラゼネカ +105% (Alexion, 2020)
アッヴィ +111% (Allergan, 2019)
ブリストルマイヤーズ・スクイブ -2% (Celgene, 2019)
タケダ薬品 -35% (Shire, 2018)

大型M&Aを実施した製薬企業の株価推移(過去5年間)


シャイアー買収は「のれん代」の問題にとどまらず、足元の業績にも大きく影響している。下の表にみられるように、直近の四半期(7-9月期)のグローバル製薬企業の売上収益は前年同期比10%から17%の増収と好調であり、なかにはCOVID-19ワクチンで成功したファイザー(2.3倍)やM&Aに成功したアストラゼネカ(+48%)に対して、タケダ薬品はわずか3%増にとどまっており、株価の大幅な下落は当然な結果である。


下記の表は、海外企業の直近3か月間(7-9月期)業績と比較するためにタケダ薬品の第2四半期業績から第1四半期の実績を差し引いて売上収益の伸び率を計算した結果を示している。その作業の途中で気になったのはタケダ薬品の決算短信の記述では業績の実態が分かりづらいという問題である。4-9月期の実質売上収益の前年比は0.5%増にとどまるが、決算短信の記述では4.4%増と誤解しやすくなっている。意図的ではないかも知れないが誤解を招きやすい。



下のチャートで見られる通り、タケダ薬品の株価は国内企業との比較でも見劣りしているが、業績の不透明さが影響しているものと思われる。日経平均株価が直近3か月間で6.4%下落したなかでタケダ薬品は20%近く下落している。過去5年間で見ると、第一三共(3.5倍)と中外製薬(3.3倍)が大きく伸びている。アステラス(+12%)とエーザイ(+2%)は日経平均(+44%)を下回ったがタケダ薬品(マイナス32%)はさらに低調であった。原因としてはシャイアー買収による業績悪化、開発パイプラインの実態と足元の業績に対する説明が不十分であるといった要因が総合的に影響した結果と思われる。

国内製薬企業との株価比較







2021/12/03

Recordati、希少ニッチ腫瘍疾患に特化したグローバル特殊製薬企業EUSA Pharma を買収

イタリア ミラノに拠点を置くRecordati が、英国に本社を置き、希少でニッチな腫瘍疾患に焦点を当て、EW Healthcare Partners によって運営されているグローバル特殊製薬企業EUSA Pharma(UK) Ltd を買収するための株式購入契約に署名したと発表した。
EUSA Pharma の販売製品は以下の通り。
① 抗GD2 mAb QARZIBA(高リスク神経芽細胞腫治療薬):EU およびその他の国で承認され、米国で拡大する可能性がある。
② 抗IL-6 mAb 抗体SYLVANT(特発性多中心性キャッスルマン病治療薬):米国および欧州において最初で唯一の承認され、患者の選択肢が限られている市場での地位を確立している。
③ FOTIVDA(VEGF 受容体1、2 & 3 の経口の高選択性低分子TKI):欧州およびその他の国で進行性腎細胞癌の1 次療法として承認されている
④ 化学療法および放射線療法による口腔粘膜炎の医療デバイスCAPHOSOL :米国、EU、およびその他の市場で承認されている。

2021/10/27

武田薬品, 固形癌に対する同種γδ T 細胞療法の開発加速に向けGammaDelta Therap.を買収

武田薬品は、免疫療法剤としてのヒト組織常在型γδ T 細胞療法がもつユニークな特性の探索に特化した英国企業GammaDelta Therapeutics Ltd.(GammaDelta)を買収するoption 権を行使したと発表した。今回の買収により、武田薬品は、GammaDelta の同種可変δ1(Vδ1) γδ T 細胞療法の基盤技術(platforms)を取得する。
当該契約において武田薬品は、GammaDelta の新規γδ T 細胞療法platforms の開発を進め、GammaDelta の株式を取得し、同社買収の独占的option 権を取得した。本買収は、2022 年度Q1 の完了を予定している。
自然免疫反応は、様々な機序や、γδ T細胞やNK 細胞をはじめとする多種多様な細胞がオーケストラのように連携し、疾患と戦う生体防御機構の第一線として活動する仕組みで、これを活用すれば、免疫の監視から逃れる能力をもつ癌の克服に役立つと考えられている。GammaDelta の細胞療法platforms には、血液癌および固形癌の治療を目的とするγδ T 細胞に基づく血液由来および組織由来の同種免疫療法を作成する目的で構築された技術を含んでいる。

2021/09/30

Merck、Acceleronを115億$で買収、肺動脈性肺高血圧症等心血管系パイプライン補完強化

9月30日、Merck/MSDと、上場バイオ製薬企業Acceleron Pharma Inc. (Acceleron)は、Merck子会社が、Acceleronの株式1株当り180$、総額約115億$の現金での買収に合意したと発表した。右表は2021年における >$1bnの買収事例を示す。2021年では最高額になる。

1. Acceleron:

2003年創設の、細胞の成長、分化、修復の調節過程において中心的な役割を果たすことが知られているtransforming成長因子(TGF) βsuper familyのタンパク質のPowerの利用に焦点を当てている。Acceleronのリード開発候補品のsotaterceptは、進行性で生命を脅かす血管障害である肺動脈性肺高血圧症(PAH)患者の短期的および/または長期的な臨床転帰を改善する可能性のある、新たな作用機序を有している。 sotaterceptは、PAHの治療薬として現在の標準療法への上乗せ投与による第3相試験が進行中である。Acceleronのポートフォリオには、sotaterceptに加えて、特定の稀な血液疾患である貧血治療薬として、米国、EU、カナダ、豪州で承認されたfirst-in-classの赤血球成熟組換え融合タンパク質REBLOZYL (luspatercept-aamt)がある。 REBLOZYLは、2008年にCelgeneと提携契約を締結したが、CelgeneがBristol Myers Squibb((BMS)に買収され、現在はBMSと提携し開発および商品化されている。

2. Merck CEO兼社長Rob Davis,氏のコメント:

「戦略的な事業開発は、持続可能な成長を推進し、画期的な科学技術によりパイプラインをさらに強化し、バランスを採ることを目指すMerckにとって最優先事項である。Acceleronの革新的な研究は、成長を続ける心血管ポートフォリオとパイプラインを補完ならびに強化し、Merckの心血管疾患における誇り高いレガシーの上に潜在的な可能性を秘めた、新規な開発後期候補品を創出した。」と述べている。

3. Acceleron CEO兼社長Habib Dable氏のコメント:

「Merckとの今回の合意は、TGF-β super-familyの生物学における当社の深い科学的専門知識を活用し、患者の人生を変えられる治療薬を提供するという揺るぎない献身的努力によって推進された。Acceleronの研究者による数十年にわたる研究の集大成を表している。Merckは、業界をリードする臨床開発ならびに商業面での能力を活用して、患者のベネフィットのために心肺疾患にインパクトを与えるために協力することで、sotaterceptの可能性を推進するのに適した立場にあると信じている。」と述べている。

4. 買収完了予定: 

買収契約の条件に基づいて、Merckは子会社を通じて、Acceleronの発行済み株式全てを取得するための公開買付けを開始する。公開買付けの終了は、Acceleronの発行済み全株式総数の少なくとも過半数を買い付け、適用される規制当局の承認、およびその他の慣習的な要件を含む、関連の特定条件のクリアが条件となる。公開買付けが正常に完了すると、Merckの買収子会社はAcceleronに統合され、Acceleronの残りの普通株式はキャンセルされ、公開買付けで支払われる1株当り180$を受け取る権利に変換される。取引は2021年第4四半期に完了する予定である。

5. sotatercept:

本品は、TGF-β super familyのシグナル伝達のバランスを取り戻すために提案された臨床開発段階にある逆リモデリング(reverse-remodeling)薬である。 PAHの前臨床モデルでは、sotaterceptは、この疾患の特徴である肺動脈壁と右心室に逆リモデリングを生じさせた。PAH患者を対象に、承認されたPAH特異的薬剤と組み合わせてsotaterceptを評価する第2相PULSAR試験では、肺血管の抵抗性の改善という主要評価項目を達成した。試験結果はNEJM誌に掲載されている。 sotaterceptは、PAHの特定の患者の治療薬として複数の第3相試験と、心不全の毛細血管後および前毛細血管性肺高血圧症を併発し、駆出率が保持されている患者を対象にした第2相試験がそれぞれ進行中である。逆リモデリングとは,一旦生じた心室リモデリング(心不全では心筋の構築変化)が何らかの治療により構造的,機能的に改善し,結果として左室径の縮小又は心機能の改善と心臓形状の改善(球状から偏長楕円体へ)を齎すとされる。FDAは、sotaterceptに希少病薬及びBreakthrough Therapyに指定、EC及びEMAは、PAH治療薬としてそれぞれ希少病薬品及びPRIMEスキームに指定している。

6. REBLOZYL(luspatercept-aamt):

特定の稀な血液疾患における貧血の治療薬として、米国、EU、カナダ、豪州で承認された最初で唯一の赤血球成熟剤である。REBLOZYLは現在、BMSとのグローバル提携契約の一環として開発されている。進行中の第3相試験では、骨髄異形成症候群、beta-thalassemiaおよび骨髄線維症の患者集団における貧血の治療薬としてluspaterceptを評価している。(完)

(主な出典:https://www.merck.com/news/merck-to-acquire-acceleron-pharma-inc/他)

2021/09/29

AstraZeneca、Caelum を完全買収し、軽鎖(AL)amyloidosis治療薬CAEL-101の開発を加速

9月29日、AstraZenecaは、Caelum Biosciencesの軽鎖(AL)amyloidosisの潜在的なfirst-in-classの医薬品候補CAEL-101を完全買収により取得し、進行中の第3相試験の臨床開発を前進および加速させると発表した。AstraZenecaにより2021年7月に買収を完了したAlexionが、軽鎖(AL)amyloidosisの治療のための潜在的にfirst-in-classのfibryl反応性mAb のCAEL-101を有するCaelum Biosciencesの残りの全株式を取得するオプション権を行使した。

1. AstraZenecaとCaelum Biosciences: 

2019年、CaelumとAlexionは株式投資を含む、最初の提携契約を締結し、CAEL-101の共同研究開発を開始した。これにより、Alexionは少数株主持分と、Caelumの残りの株式を取得するための独占的オプション権を取得した。 Alexionは現在Caelumを統合しており、1億5,000万$の非支配株主持分を反映している。Alexionは、2021年10月5日に行われる予定の買収を完了すると、合意されたオプション権行使価格約1億5,000万$をCaelumに支払い、許認可および販売のマイルストン達成時に最大3億5,000万$の追加支払いの可能性がある。

2. AL amyloidosis:

稀な疾患であり、誤って折りたたまれたamyloidタンパク質が心臓や腎臓を含む全身の臓器に蓄積し、重大な臓器損傷や機能不全を引き起こし、最終的には致命的となる可能性がある。米国、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、英国全体で約20,000人が、Mayo Stage IIIaまたはIIIbに分類されるAL amyloidosisに罹患している。異常な抗体(免疫グロブリン)タンパク質を産生する骨髄の形質細胞の欠陥によって引き起こされる稀な疾患である。臓器、特に心臓と腎臓にamyloidが蓄積すると、広範囲にわたる進行性の臓器損傷と高い死亡率を引き起こす可能性があり、その結果心不全による高い死亡率に進展する。

3. CAEL-101:

本品は、AL amyloidosis患者の組織および臓器におけるamyloid沈着を減少または排除することにより、臓器機能を改善するように設計された、潜在的にfirst-in-classのmAbである。この抗体は、誤って折りたたまれた軽鎖タンパク質とamyloidに結合するように設計されており、κとλの両方のサブタイプに結合する。CAEL-101は、AL amyloidosis患者の潜在的な治療法として、FDAとECの両方から希少病薬の指定を受けている。さらに、米国FDAは、2021年6月にAL amyloidosisのCAEL-101にFast Track指定を付与した。

4. CARES 第 3相臨床プログラム:

CAEL-101とAL amyloidosisの標準療法(SoC)を組み合わせた第3相臨床プログラムCardiac Amyloid Reaching for Extended Survival (CARES)で評価されている。これは新たに診断され、SoCを受けていないAL amyloidosis患者(cyclophosphamide-bortezomib-dexamethasoneレジメンに基づく)におけるCAEL-101の有効性と安全性を評価する2本の並行グローバル第3相試験で構成されている。1本の試験はMayo Stage IIaの患者約270人が登録され、他の1本の試験にはMayo Stage IIIbの患者約110人が登録されている。両臨床試験の主要評価項目は全生存期間(OS)であり登録が進行中である。各試験で、被験者は2:1の比率に無作為化され、CAEL-101+SoC、またはplacebo +SoCのいずれかを週に1回、4週間投与される。これに続いて、最後に登録された患者が少なくとも50週間の治療を完了するまで、2週間毎(Q2W)に維持量が投与される。患者は12週間毎に追跡調査訪問を継続し、その後非盲検延長試験に登録される。(完)

(主な出典:https://www.astrazeneca.com/content/astraz/media-centre/press-releases/2021/astrazeneca-to-fully-acquire-caelum-biosciences.html他)