ラベル [3j] アステラス の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル [3j] アステラス の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2023/11/17

経口アンドロゲン受容体阻害薬による生化学的再発リスクが高い非転移性ホルモン 感受性前立腺がん(nmHSPC)の治療

アステラス製薬がファイザーと共同で開発・商業化を進めている経口 アンドロゲン受容体阻害剤 XTANDI(一般名:エンザルタミド)について、FDA が迅速審査プログラム[優先審査(priority)指定、Fast Track 指定及び Real-time Oncology Review(RTOR)の下で、生化学的再発(Biochemical Recurrence:BCR)のリスクの高い非転移性去勢感受性前立腺癌(nmCSPC)、又は非転移性ホルモン 感受性前立腺癌(nmHSPC)の効能を承認した。
EMBARK 試験験において、エンザルタミド 併用群(エンザルタミド+リュープロレリン)は、プラセボ群(プラセボ+リュープロレリン)と比較して、病勢進行または死亡のリスクを低減し、統計学的に有意な改善を認め、主要評価項目である無転移生存期間(MFS)を達成した。また、エンザルタミド単剤群は、エンザルタミド併用群と同様に、プラセボ 群と比較して、病勢進行または死亡のリスクを低減し、統計学的に有意な改善を認め、主要副次評価項目の MFS を達成した。MFS は、無作為化から客観的指標である中央評価での画像診断における増悪または死亡のいずれか早い方までの期間と定義される。

2023/11/06

IZERVAY, 地図状萎縮を伴う加齢黄斑変性第 3 相 GATHER2 試験結果米国眼科学会で発表

アステラス製薬と子会社 Iveric Bio, Inc.(Iveric)は、地図状萎縮 (Geographic Atrophy:GA)を伴う加齢黄斑変性(Age-related Macular Degeneration:AMD)治療薬で補体因子C5 阻害剤 IZERVAY [avacincaptad pegol(ACP)]硝子体内注射液の第 3 相 GATHER 2 試験結果を米国 San Francisco で開催された 2023 年米国眼科学会(AAO)年次総会で口頭発表した。
IZERVAYは、GA を伴う AMD 治療剤として、FDA から 2023 年 8 月 4日に承認を取得しており、EMA では販売承認申請の審査中である。
本試験では、GA を伴う AMD 患者を対象にした ACP の毎月 1 回(QM)投与および隔月 1 回(Q2M)投与のいずれにおいても、偽処置対照群と比較して 2 年間の投与期間中に GA の進行速度を継続的に低下させることが明らかになった。また、ACP による GA 治療効果は投与後 6 カ月から観察され、2 年間経時的に増大し続け、2 年間の QM および Q2M 投与による治療効果は 1 年間の治療効果と比べて 2 倍以上であった。

2023/10/16

EMA/CHMP, 閉経後の中等度~重度のホットフラッシュに対する fezolinetant 承認勧告採択

EMA の CHMP が 10 月 9 日~12 日開催の 10 月度定例会議で、アステラス製薬(株)が開発中の経口の非ホルモン治療薬fezolinetant(EU 製品名 VEOZA)1 日 1 回(QD) 45 mg について、閉経に伴う中等度から重度の血管運動神経症状 [ホットフラッシュ(顔のほてり・のぼせ等)や寝汗:Vasomotor Symptoms(VMS)]に対する販売承認勧告を採択した。これにより、EC は 10 月 12 日から 67 日以内に最終的な承認可否を判断する予定。
fezolinetant は、KNDy(kisspeptin/neurokinin B/dynorphin)neuron に結合する neurokinin B(NKB)をブロックし、脳の体温調節中枢(視床下部)のバランスの回復を助け、閉経に伴う中等度から重度の VMS の頻度と重症度を軽減する。閉経に伴う中等度から重度の VMS の頻度と重症度を軽減する first-in-class の非ホルモン治療薬となる。

2023/07/06

抗 Claudin 18.2 モノクローナル抗体 ゾルベツキシマブの BLA、FDA が受理し優先審査に指定

アステラス製薬が、Claudin 18.2 陽性、HER2 陰性の切除不能局所進行性または転移性胃腺癌および食道胃接合部腺癌の治療薬として開発中の ゾルベツキシマブについて、FDA が生物薬品承認申請(BLA)を受理した。承認された場合、米国で first-in-class の抗 Claudin 18.2 モノクローナル抗体(mAb)になる可能性がある。本申請は優先審査の指定を受け、FDA による審査終了目標日(PDUFA date)は、2024 年 1 月 12 日に設定された。FDA は、本申請に対し Real-Time Oncology Review(RTOR)プログラムを適用して審査する。
今回の BLA は、第 3 相 SPOTLIGHT 試験および GLOW 試験の結果に基づいている。SPOTLIGHT 試験データではゾルベツキシマブ+mFOLFOX6 療法群(ゾルベツキシマブ 群)は、プラセボ+mFOLFOX6 療法群(プラセボ群)と比較して、無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)を有意に延長した。PFS の中央値はゾルベツキシマブ群 10.61 カ月、プラセボ群 8.67 カ月、OS の中央値は、ゾルベツキシマブ 18.23 カ月、プラセボ群で 15.54 カ月であった。

2022/06/28

アステラス製薬とSutro、革新的抗体-薬物複合免疫賦活薬(iADC)創製に戦略的提携契約締結

アステラス製薬(アステラス)は、Sutro Biopharma, Inc.(Sutro)と、抗体-薬物複合免疫賦活薬(immunostimulatory Antibody-Drug Conjugates;iADC)の共同研究・開発に関する全世界における戦略的提携およびライセンスに関する契約を本日締結した。
Sutro の抗体-薬物複合技術と、アステラスの癌領域におけるグローバルな研究開発能力を組み合わせ、次世代モダリティiADC の治療薬創製を目指す。免疫チェックポイント阻害剤を含む主要な癌免疫療法の課題は、免疫細胞が浸潤しづらい癌微小環境下にある非炎症性腫瘍に対して効果が得難いことである。既承認免疫チェックポイント阻害剤の単剤投与による有効性は、様々な癌種においてわずか20%程度とされている。
免疫を活性化する免疫賦活剤に加え、免疫原性細胞死(immunogenic cell death)を誘導する抗癌剤を抗体に結合させたiADC は、より強力な抗癌作用を発揮する可能性を有している。Sutro は、抗体と薬物を結合させる高度な技術と、候補となる抗体および結合可能な抗癌剤、免疫賦活剤を有している。アステラスは、グローバルでの抗体及び低分子化合物の研究・開発及び商業化能力の強みを有している。iADC は、現在有効な治療法のない癌患者に新たな治療の選択肢を提供する可能性を秘めている。

2021/08/18

EC、first-in-class EVRENZO(roxadustat)を慢性腎臓病症候性貧血の成人患者の治療用に承認

8 月18 日、アステラス製薬とFibroGen, Inc.(FibroGen)は、本日、EC が、慢性腎臓病(CKD)に関連する症候性貧血の成人患者の治療に、EVRENZO(roxadustat)を承認したと発表した。roxadustat は、EU で慢性腎臓病に関連する貧血の成人患者に利用可能な最初の経口投与による低酸素誘導因子(HIF) prolyl hydroxylase(PH)阻害剤である。

1. roxadustat

EU で利用可能になった最初の経口投与のHIF-PH 阻害剤である。本品は、通常静脈内に鉄分と同時注射可能であり、赤血球生成促進剤(ESA)とは異なる作用機序により、hemoglobin(Hb)レベルを増加させる。roxadustat は、HIF-PH 阻害剤として、血中の酸素レベルの低下に対する身体の自然な反応を活性化する。この反応には、静脈内の鉄の使用を減らして貧血を管理できるようにする、複数の調整されたプロセスの制御が含まれる。

2. 販売承認

20、50、70、100 & 150 mg のフィルムコート錠により、CKD に伴って発現する症候性貧血の成人患者の治療である。1 日間隔を置き、週3 回経口投与する。投与量は、hemoglobin の目標レベルを10〜12 g / dL として、このレベルを達成し、維持するために必要な用量を個別に設定する。

3. 根拠とした臨床試験データの安全性評価


EU の製品特性概要(SmPC)記載の安全性データ(上表)では、上段に示したroxadustat の安全性をESA との比較で評価したと思われるが、下段のplacebo 対照との比較のみでは、EC 承認の安全性の根拠がどこにあるか不明となる。(完)

(主な出典:https://www.astellas.com/jp/ja/news/24231 他)

EC、first-in-class エベレンゾ(ロキサデュスタット)を慢性腎臓病症候性貧血の成人患者の治療用に承認

EC が、アステラス製薬とFibroGen, Inc.(FibroGen)のエベレンゾ(一般名:ロキサデュスタット)を、慢性腎臓病(CKD)に関連する症候性貧血の成人患者の治療薬として承認した。ロキサデュスタットは、ECで最初の慢性腎臓病に関連する貧血の成人患者に利用可能な経口投与による低酸素誘導因子(HIF) prolyl hydroxylase(PH)阻害剤である。
米国では、諮問委員会の審議で圧倒的多数で承認却下が採択され、FDAは審査完了通知(CRL)を発行し、再申請には臨床試験を追加し安全性の確認をすべきとしている。

2021/07/12

FDA、ADC 薬PADCEV 局所進行性/転移性尿路上皮癌治療の標準承認および効能追加承認

7 月12 日、アステラス製薬とSeagen Inc.(Seagen)は、共同開発を進めている抗体-薬物複合体(Antibody-Drug Conjugate:ADC) PADCEV(enfortumab vedotin-ejfv)(遺伝子組換え)について、FDA から、加速承認から標準承認への移行承認、ならびにcisplatin 不適応で治療歴のある局所進行性または転移性尿路上皮癌患者の治療の効能追加の承認を併せて取得したと発表した。

1. 承認情報

FDA は2019 年に、PD-1 またはPD-L1 阻害剤による治療歴があり、かつ、術前または術後の補助化学療法として、あるいは局所進行または転移した状態において、白金製剤を含む化学療法による治療歴のある、局所進行性または転移性尿路上皮癌の適応で、PADCEV を加速承認した。今回は確認試験で加速承認を標準承認への移行、および効能追加への2 つの一変申請承認である。

2. Real-Time Oncology Review (RTOR) pilot program

今回の正規の標準承認への移行に関する一変承認、および適応追加の承認は、RTOR pilot program の一環として審査された 2 本のsBLA に基づいている。FDA のRTOR pilot program は、安全で効果的な治療法を可能な限り早期に患者に提供すべく、より効率的な審査のプロセスの探索を目的としている。

3. Project Orbis

また、今回の審査には、FDA Oncology Center of Excellence が主導するProject Orbis も適用された。Project Orbis は、癌治療薬の承認申請と審査を、複数の加盟国の規制当局間で同時に行うことを可能とする枠組みである。オーストラリアおよびカナダの規制当局も、Project Orbis の下で、enfortumab vedotin の初回承認申請として EV-301 試験および EV-201 試験の結果を審査している。enfortumab vedotin は、2021 年3 月に日本と欧州において承認申請を行っている。世界では、毎年約57 万3,000 人が膀胱癌と新たに診断され、21万2,000 人が死亡している。

4. EV-301 試験(NCT03474107)

本試験は、国際共同、多施設、非盲検、無作為化、第3 相臨床試験である。本試験は、白金製剤を含む化学療法および PD-1/PD-L1 阻害剤による治療歴のある局所進行性または転移性尿路上皮癌患者608 人を対象に、enfortumab vedotin 投与群を、医師の選択する化学療法(docetaxel、paclitaxel 又はvinflunine)群と比較している。事前に指定された中間解析時点で、PADCEV 投与患者(n = 301)は、化学療法投与患者(n = 307)よりも全生存期間を中央値で3.9 カ月延長した。全生存期間の中央値は、それぞれ12.9 カ月対9.0カ月であった[ハザード比(HR)= 0.70;95%CI;0.56, 0.89;p = 0.001]。最も一般的な全グレードの副作用(20%以上)には、発疹、倦怠感、末梢神経障害、脱毛症、食欲減退、下痢、そう痒症、悪心、便秘、味覚障害、筋骨格痛、乾いた目、発熱、腹痛、貧血が含まれていた。

5. EV-201 試験(NCT03219333)

enfortumab vedotin の国際共同、多施設の第2 相単一群試験で、PD-1/ PD-L1 阻害剤の治療歴のある、局所進行性または転移性尿路上皮癌患者を対象にしており、白金製剤を含む化学療法による治療歴のある患者群(コホート1;n=128))、および白金製剤を含む化学療法未治療かつcisplatin 不適応の患者群(コホート2;n=91)からなっている。主要評価項目は、盲検下独立中央評価で確認された奏効率である。副次評価項目には、奏効期間、病勢管理率、無増悪生存期間、全生存期間、安全性と忍容性が含まれる。コホート2 の結果はLancet Oncology 誌に発表した。(完)

(主な出典:https://www.astellas.com/jp/ja/news/17061他)

2021/05/20

ネクチン-4標的抗体薬物複合体(ADC)enfortumab vedotin のフェーズ2臨床試験成績

5 月20 日、アステラス製薬は、Seagen Inc.(Seagen)と共同開発を進めている抗体-薬物複合体(Antibody-Drug Conjugate: ADC) enfortumab vedotin(遺伝子組換え)( enfortumab vedotin)について、cisplatin 不適応の局所進行または転移性尿路上皮癌患者を対象にしたEV-201 試験のコホート2、およびEV-103 試験の用量漸増コホートと用量拡大コホートA の最新データを発表するとプレスリリースした。なお、これらの試験データは2021 年6 月4 日~8 日にかけて開催される2021 年米国臨床腫瘍学会(American Society of Clinical Oncology: ASCO)バーチャル年次総会において発表予定で、発表概要は以下の通りである。

1. EV-201 試験コホート2(抄録番号4524):

第2 相EV-201 試験コホート2(NCT03219333)では、PD-1 またはPD-L1 阻害剤による治療歴があり、白金製剤による化学療法未治療かつcisplatin 不適応の局所進行性または転移性尿路上皮癌患者を対象に、enfortumab vedotin を評価した。中央値16 カ月の追跡調査で、主要評価項目の盲検下独立中央評価により評価された奏効率( ORR)は51%(95%CI:39.8, 61.3)であり、22%に完全奏効(CR)が認められた。奏効期間( DOR)の中央値は13.8 カ月(95%CI:6.4, 未達)、無増悪生存期間(PFS)の中央値は6.7 カ月(95%CI:5.0, 8.3)、全生存期間(OS)の中央値は16.1 カ月(95%CI:11.3, 24.1)であった。頻度の高い治療と関連のある有害事象(TRAE)は脱毛症(51%)、末梢感覚神経障害(49%)および倦怠感(34%)であり、頻度の高いグレード3 以上でTRAE は、好中球減少症(9%)、斑状丘疹状発疹(8%)および倦怠感(7%)であった。グレード3 以上で注目すべきTRAE は、皮膚反応(17%)、末梢神経障害(8%)、高血糖(6%)であった。また、初回解析において、75 歳以上で複数の合併症を有する患者4 例の死亡が、TRAE として治験担当医師より報告された。なお、EV-201 試験コホート2 の主要解析(The Lancet Oncology)に基づいたenfortumab vedotinの生物薬品一部変更承認申請(sBLA)は、FDA の優先審査の指定を受けた。

2. EV-103 試験コホートA(抄録番号4528):

 第1b/2 相EV-103 試験(NCT03288545)の用量漸増コホートおよび用量拡大コホートA では、cisplatin 不適応、局所進行または転移状態において全身治療を受けておらず、かつ12 カ月以内に術前または術後の補助化学療法として白金製剤の治療を受けていない局所進行または転移性尿路上皮癌患者を対象に、enfortumab vedotin とKEYTRUDA(pembrolizumab)との併用療法を評価した。中央値24.9 カ月の追跡調査後の長期解析において、安全性プロファイルはこれまでの知見と概ね一貫しており、新たな安全性上のシグナルは報告されなかった。 頻度の高いTRAE は末梢感覚神経障害(55.6%)、倦怠感(51.1%)、脱毛症(48.9%)であり、頻度の高いグレード3 以上でTRAE はlipase 増加(17.8%)、斑状丘疹状発疹(11.1%)、および倦怠感(11.1%)であった。グレード3 以上で注目すべきTRAE は、皮膚反応(20%)、高血糖(8.9%)、末梢神経障害(4.4%)であった。また、初回解析において、関連の可能性があるとして1 人の死亡(多臓器不全症候群)が報告された。また、前回の解析で報告されているが、ORR は73.3%(95%CI:58.1, 85.4)であり、15.6%に完全奏効(CR)がみられ、PFS の中央値は12.3 カ月(95%CI:8.0, 未達)であった。追跡調査後の長期解析において、DOR の中央値は25.6 カ月(95%CI:8.3, 未達)、OS の中央値は26.1カ月(95%CI:15.7, 未達)であった。(完)

(主な出典:https://www.astellas.com/jp/ja/news/16926 他)

2020/12/07

アステラス製薬とKaliVir、全身投与型腫瘍溶解性 virus VET2-L2 の共同研究開発契約締結

アステラス製薬は、KaliVir Immunotherapeutics LLC(KaliVir)と、癌免疫療法のための静脈内投与が可能な腫瘍溶解性virus VET2-L2 および2 番目となる後続の開発候補品の共同研究開発および商業化に関する全世界における独占的ライセンス契約を締結した。今回の契約により、KaliVir が有する腫瘍溶解性ウイルスに関する高い専門性とアステラス製薬が有する新薬開発能力およびグローバルビジネスにおける豊富な経験を活かした新たな癌免疫療法の創出を目指している。
KaliVir は、遺伝子組換え vacciniavirus を用いた独自の技術基盤を持ち、複数の導入遺伝子を搭載した全身投与型腫瘍溶解性virus VET2-L2 をリードプログラムとして開発している。VET2-L2 は、静脈内投与により全身の腫瘍に到達し、腫瘍細胞を直接破壊すると同時に癌免疫を活性化させることで腫瘍細胞を破壊する。静脈内投与により腫瘍に到達するため、腫瘍内投与の複雑な手順を必要とせず、表層化していない腫瘍や直接のアクセスが難しい部位の腫瘍にも効果が期待でき、より多くの癌患者の治療への適応が期待できる。なお、VET2-L2 は、現在、前臨床の開発段階にある。

2020/10/20

FDA、PPARδ調節薬ASP 0367 :原発性ミトコンドリア・ミオパチー 治療薬をFast- Trackに指定

アステラス製薬が開発中の、原発性ミトコンドリア・ミオパチー(Primary Mitochondrial Myopathies: PMM)治療薬ASP 0367/MA-0211(ASP 0367)について、FDA がFast-Track に指定した。
PMMは、遺伝子の変異によりミトコンドリア の機能が障害されるミトコンドリア病であり、筋肉の機能低下、運動における持久力の低下(運動不耐性など)や疲労の増加、ならびに筋萎縮といった症状が現れる。さらに心筋の機能低下による心筋症や心不全、横隔膜など呼吸筋の機能低下による呼吸不全や肺炎などの重篤かつ生命を脅かす合併症を引き起こす可能性がある。ミトコンドリア病は、ミトコンドリア DNA や核DNA のゲノムに病因となる遺伝子変異を有することで引き起こされる疾患であり、この疾患の点有病率は少なくとも8,000 人に1 人(Mitochondrial Myopathies の症状を呈する患者に限定した場合)、もしくは4,300 人に1 人(症状がない患者を含めた場合)であることが報告されている。PMM は、現在FDA から承認された治療法のない、アンメットメディカルニーズの高い疾患である。
ASP 0367は、経口による服薬が可能なPPARδ調節剤である。前臨床試験および健常成人被験者を対象とした第I 相試験結果から、ASP 0367 は筋肉細胞のミトコンドリアの数を増やし、また、ミトコンドリアの機能を高めることで、PMM 患者の運動不耐性や疲労を改善すると考えられている。現在、PMM 患者におけるASP 0367 の安全性と有効性を検証する第2/3 相MOUNTAINSIDE 試験の準備中である。

2020/10/15

アステラス、極小体内埋め込み型医療機器とバイオエレクトロニクス技術のiota 社を買収

アステラス製薬は、米国企業iota Biosciences, Inc.(iota)との間で、アステラス製薬が米国子会社を通じてiota を買収することに合意し、最終契約を締結したと発表した。
アステラス製薬とiota は2019 年8 月に共同研究開発契約を締結し、アンメットメディカルニーズの高い複数の疾患を対象に、体内埋め込み型医療機器の詳細な仕様を共同で検討してきた。本買収により、アステラス製薬はiota 独自の技術とバイオエレクトロニクス分野におけるトップタレントを獲得することになる。
iota は、電力供給および無線通信に超音波を用いた独自の技術を活用し、バッテリーやケーブルの搭載が不要なこれまでにない極小サイズ(数mm 以下)の体内埋め込み型医療機器の開発を行っている。従来の埋め込み型医療機器は電力を供給するバッテリーや情報通信用のケーブルおよび大きな電子回路の搭載が必要であるため、サイズの小型化が難しく、多くの場合、その埋め込みに侵襲性の高い手術を要するという課題があった。Iota の技術により、電力供給および無線通信に超音波を用いて極小の体内埋め込み医療機器を開発することでその課題を克服し、手術時だけでなく手術後の生活においても患者にかかる身体的な負担を軽減することが期待される。

2020/10/12

ADC 薬PADCEV(enfortumab vedotin-ejfv), 進行性膀胱癌に対し良好な第2 相試験結果発表

Seagen Inc.(Seagen)とアステラス製薬は、共同開発中の抗体-薬物複合体(ADC)抗nectin-4 PADCEV(enfortumab vedotin-ejfv)について、局所進行性または転移性尿路上皮癌に対する第2 相単一群EV-201 試験のコホート2 で良好な結果が得られたと発表した。当試験では、抗PD-1 抗体薬または抗 PD-L1 抗体薬による治療歴があり、白金製剤ベースの化学療法は未治療で、かつシスプラチン 不適用の局所進行性または転移性尿路上皮癌患者を対象に、PADCEV を評価している。独立画像判定機関により評価された奏効率(ORR)が52%(95%CI:40.8,62.4)であり、奏効期間(DoR)の中央値は 10.9 カ月であった。
PADCEVは、ほぼ全ての尿路上皮癌細胞に発現し細胞間の接着に関連するタンパク質nectin-4 を標的とするfirst-in-class のADC 薬である。FDA は、白金製剤を含む化学療法および抗PD-1/ PD-L1 抗体薬による治療中または治療後に病勢の進行が認められた、局所進行性または転移性尿路上皮癌患者を対象とした本試験コホート1 の結果に基づいて、2019 年12 月に PADCEV を加速承認プログラムの下で承認した。本試験はシスプラチン による治療が適用されない免疫療法後の患者にとって有望な結果を示した。

2020/03/23

CytomX とアステラス製薬、二重特異性抗体Probody による次世代癌免疫療法研究開発拡充

CytomX Therapeutics, Inc.(CytomX)とアステラス製薬は、CD3 抗原および癌細胞表面の抗原を標的とした新規の二重特異性T 細胞誘導抗体について、癌治療を対象とした共同研究開発、ならびに商業化に関する契約を締結したと発表した。CytomX 所有のProbody 技術基盤およびその技術を用いた独自の二重特異性抗体とCD3タンパクを活用して、革新的な癌治療薬の創出を目指す。
癌抗原を標的とした通常の抗体は、癌細胞に結合するが、その標的癌抗原が発現している正常細胞にも結合することが知られている。一方で、Probody 技術により作製された抗体は、癌微小環境内でプロテアーゼ によって活性化されるまで不活性状態を維持するため、正常細胞への結合を最小限に抑制する。その結果、抗体は癌細胞へ選択的に結合し、毒性が低減され、より有効性と安全性に優れた治療を実現できる可能性がある。

2020/02/11

PADCEVの進行膀胱癌の1 次療法の第1b/2 相試験結果

Seattle Genetics とアステラス製薬が共同開発中のADC薬PADCEV(enfortumab vedotin-ejfv)について、未治療の局所進行性又は転移性尿路上皮癌の第1b/2 相EV-103 試験の最新データを米国臨床腫瘍学会泌尿生殖器癌Symposium(ASCO GU 2020)で口頭発表され、2 月19 日には本効能がFDA からBreakthrough Therapy に指定された。
EV-103 試験では未治療の局所進行性又は転移性尿路上皮癌で、シスプラチンによる化学療法に不適な患者45 人を対象に、PADCEV と抗PD-1 抗体薬ペムブロリズマブとの併用における安全性と有効性を評価した。追跡期間11.5 カ月(中央値)後の解析において、管理可能な安全性プロファイルを持続しており、臨床での有用性も期待できる結果が示された。
追跡期間(中央値:11.5 カ月、範囲:0.7‐19.2 カ月)後の奏効率(ORR)は73.3%(n=33/45)(95%CI:58.1‐85.4)で、そのうち完全奏効(CR)は15.6%(n=7/45)、部分奏効(PR)が57.8%(n=26/45)であった。奏効期間の中央値は未達である(範囲:1.2‐12.9 カ月以上)。解析時点で、ORR 患者33 人のうち18 人(55%)が奏効状態を持続しており、そのうち83.9%が6 カ月間以上、53.7%が12 カ月以上、奏効状態を持続すると推定された(Kaplan-Meier 推定)。無増悪生存期間(PFS)の中央値は12.3 カ月(95%CI:7.98, -)で、12 カ月の全生存率は81.6%(95%CI:62‐91.8)であった。全生存期間(OS)の中央値は未達であった。

2020/01/16

アステラス製薬/Adaptimmune、他家CAR-T・TCR-T 細胞療法の共同開発・商業化提携契約

アステラス製薬は、子会社Universal Cells, Inc.(Universal Cells)を通じて、癌領域の細胞医療製品の開発に特化したAdaptimmune Therapeutics plc.(Adaptimmune)と、癌患者を対象にした新たな多能性幹細胞由来の他家T 細胞療法の共同開発・商業化に関する契約を締結した。
Adaptimmune は、以前から、多能性幹細胞からT 細胞を分化誘導させる独自の技術を開発している。Universal Cells とAdaptimmune は、2015 年、T 細胞領域におけるユニバーサルドナー細胞に関する独占的ライセンス契約を締結し、共同で遺伝子編集TCR‐T 細胞医療の研究を推進してきた。今回の契約は、既存の共同研究を拡大する契約内容である。
両社は、本契約に基づき最大3 つの標的分子に対して、特異的に作用する新しいT 細胞療法候補を共同開発する。この共同開発では、Adaptimmune が確立した、あるいは開発中の、特定の癌抗原とヒト白血球型抗原(HLA)の複合体を認識する親和性を向上させたT 細胞受容体(TCR)、癌細胞のHLA 型に関わらず特定の癌抗原を認識するHLA 非依存TCR ( HLA-independent TCR:HiT )、および特定の癌抗原を認識するCAR の同定・検証能力の他、フィーダー細胞を使用せずに多能性幹細胞からT 細胞を分化誘導する技術を活用する。アステラス製薬は、これらと、Universal Cell ドナー細胞と遺伝子編集技術を組み合わせることで、免疫拒絶を抑えた革新的な他家T 細胞製品の創製、開発ができると期待している。

2019/12/27

アステラス製薬は、Xyphos 社が有するCAR(Chimeric Antigen Receptor:キメラ抗原受容体)-細胞療法に関する技術基盤であるACCELTM(Advanced Cellular Control through Engineered Ligands)とともに、癌免疫の分野をリードする優秀な人材を獲得することになる。買収の対価として、買収手続完了時に1 億2,000 万$が支払われ、Xyphos 社はアステラス製薬の完全子会社となった。当該支払いと、開発の進捗に応じたマイルストン支払いを合わせ、最大で総額6 億6,500 万$が支払われる可能性がある。
Xyphos 社独自のACCELTM 技術は、タンパク工学により創製した受容体とリガンドタンパクの特異的な結合を利用した合成生物学的手法に基づいている。受容体を発現させたナチュラルキラー(NK)細胞やT 細胞といった免疫細胞 (convertibleCAR® 細胞)と、攻撃標的である癌抗原を認識する抗体をリガンドタンパクと融合させた抗体-リガンド融合タンパク(MicAbody)を患者に投与し、治療する技術である。攻撃対象とな癌細胞の特徴に応じて、MicAbodyを取り換え、複数使用することで、convertibleCAR®細胞に異なる癌抗原や複数の癌抗原を認識させ、様々な癌細胞を攻撃することができる。また、MicAbody の投与量を調節することで、免疫細胞による過剰な免疫反応を制御し、従来のCAR-T 療法で見られるサイトカイン放出症候群(cytokine release syndrome)の発生を抑制できることも期待される。さらに、MicAbodyの抗体部分を別のタンパクに替えることにより、convertibleCAR®細胞の増殖や生存制御も可能になる。Xyphos のconvertibleCAR®-T 細胞のリードプログラムは現在、前臨床開発段階にあり、2021 年に初めての臨床試験が行われる予定である。

2019/12/17

FDA、現行治療法で病勢が進行したHER2 陽性乳癌患者に対する新治療法の選択肢を承認


FDA が、アステラス製薬とPfizer Inc.(Pfizer)と共同開発・商業化を進めている経口アンドロゲン 受容体阻害剤XTANDI(一般名:エンザルタミド)(XTA)に関し、転移性去勢感受性前立腺癌(CSPC: Castration-Sensitive Prostate Cancer)の効能追加を承認した。本承認により、XTA は米国において、既に承認を取得している非転移性および転移性去勢抵抗性前立腺癌(CRPC:Castration-Resistant Prostate Cancer)に加えて、転移性CSPC の効能を有する最初で唯一の経口治療薬になった。今回のsNDA は2019 年6 月21 日に提出し、2019 年12 月16 日に承認されたことから、審査期間は凡そ6 カ月であった。
今回の承認は、転移性CSPC 患者1,150 人を対象に実施した第3 相ARCHES試験結果に基づいている。本試験において、主要評価項目である画像診断による無増悪生存期間(rPFS)を有意に延長した

2019/12/16

イクスタンジの転移性・去勢感受性前立腺がん(mCSRP)に対するFDA承認

  • XTANDI® (enzalutamide) Approved by U.S. FDA for the Treatment of Metastatic Castration-Sensitive Prostate Cancer (イクスタンジ(一般名エンザルタミド)が米国FDAにより転移性・去勢感受性前立腺がんの治療にしょうにんされた)
  • 今回の承認によりイクスタンジはFDAによって3種類の進行性前立腺がん(非転移性、転移性・去勢抵抗性mCSRP、転移性・去勢感受性mCSRP)すべてに承認された初めての抗がん剤となった。

(参考)
前立腺がん治療薬の2018年売上高はヤンセンのザイティガが10憶㌦増の35憶㌦へと急増し、4億㌦増の30憶㌦にとどまったイクスタンジを抜いて最大製品となった。2018年2月にプレドニゾンとの併用で承認されたmCSPC(転移性・去勢感受性前立腺がん)の寄与が大きかった。

2019/12/02

Seattle Genetics/アステラス製薬、enfortumab vedotin とKEYTRUDA との併用臨床試験契約

Seattle Genetics, Inc.(Seattle Genetics)とアステラス製薬は、両社が共同開発中の抗体-薬物複合体(ADC 薬)enfortumab vedotin とMerck & Co., Inc.(Merck)の抗PD-1 抗体キイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)(遺伝子組換え)の併用療法を評価する、前治療歴の無い転移性尿路上皮癌患者を対象とした臨床試験に関して、Merck と提携契約を締結した。
本契約に基づいて、3 社は、Seattle Genetics が実施するグローバルな申請を目的とした国際共同、第3 相臨床試験において資金を共同で出資する。本試験では、未治療の局所進行性または転移性尿路上皮癌患者を対象として、enfortumab vedotin とペムブロリズマブの併用療法による有効性を評価する。3 社は現在、規制当局と協議を行いながら試験計画の最終化を進めており、2020 年前半には試験を開始する予定である。なお、本試験には日本も参加する予定。
Seattle Genetics 社独自の最先端のリンカー技術を用いて、抗nectin-4 モノクローナル抗体に微小管阻害作用を持つ MMAE(monomethyl auristatin E)を結合させた ADC 薬である。本品はアステラス製薬が ADC の標的として同定したさまざまな固形癌に発現する細胞接着分子nectin-4 を標的とする薬剤である。ほぼ全ての尿路上皮癌細胞に発現し、細胞間の接着に関連するタンパク質nectin-4 を標的とするfirst-in-class の ADC 薬である。抗PD-1 抗体または抗 PD-L1 抗体による治療歴があり、かつ、術前または術後の補助化学療法として、あるいは局所進行または転移状態において白金製剤による治療歴のある、局所進行性または転移性尿路上皮癌への適応について、米国FDAに承認申請をしておりFDAによる審査終了目標日(PDUFA date)は 2020 年 3 月 15 日に設定されている。なお、日本では、enfortumab vedotin は承認申請に向けた開発段階にある。