海外大手 10 社の 2013 年決算は半数の5社で売上高が減少した(前年は7社)。このうち前年に続き減収となったのはファイザー(4%減)、メルク(5%減)、AZ(6%減)、ブリストトル・マイヤーズ(BMS、6%減)の4社で、残り1社は減収に転じたサノフィ(1%減)だった。前年減収だったノバルティ ス(4%増)、リリー(2%増)、GSK(1%増)の3社は回復。残る2社、J&J(8%増)とロシュ(6%増)、は前年に続いて増収だが医療用医薬品だけを見ると J&J(12%増)の好調ぶりが突出している。とくに新製品の前立腺がん治療薬 Zytiga と抗血液凝固薬イグザレルトが大きく伸びた。
減収の企業では主力製品が特許切れとなった「2012 年問題」の影響が続いている。12 年にはコレステロール低下剤リピトール(ファイザー)、抗ぜんそく薬シングレア(メルク)、抗精神病薬セロクエル(AZ)、抗血小板薬プラビックス(BMS /サノフィ)など各社の大型製品が合計で2兆円減少したが。13 年も1兆円近く減った。
医療用医薬品の売上順位は、ロ シュがメルクとサノフィを抜いて前年の5位から3位へ躍進、J&Jは AZ を追い越し8位から7位に上昇した。1 位ファイザー、2 位ノバルティスの順位は変わらないが1 兆円以上あった差は半減した。