2016/08/09

アストラゼネカとリリーが共同開発中のBACE 阻害薬AZD3293をFDA がファストトラックに指定

 アストラゼネカとイーライリリーが共同開発中のBACE 阻害薬AZD3293をFDA がファストトラック(FT)に指定した。AZD3293は、アルツハイマー病(AD)治療薬で、現在第3相試験段階に進んでいる。FT指定の根拠とされたのは、第2/3相AMARANTH試験の結果である。AZD3293はこの試験において脳脊髄液(CSF)中のアミロイドβ(Aβ)を用量依存的に減少させた。
 同試験を継続すると同時に、2本目の第3相試験となるDAYBREAK-ALZ試験が計画されている。この試験は2016年Q3 に被験者登録を開始して軽症AD 患者におけるAZD3293 の安全性と有効性を評価する。

参考:
 BACE阻害薬としてはAZD3293のほかに、エーザイがバイオジェンと共同開発中のE2609にも進展があった。FDA との第2 相202 試験に関するEOP2ミーティングにおいて、第3 相臨床試験開始に向けた十分な非臨床、並びに臨床試験データが得られていることが確認され、今後実施する2 本の第3 相臨床試験プロトコルのデザインの概要が了承された。
 第3 相臨床試験は早期AD 患者を対象にしたプラセボ対照試験とし、実薬群は50 mg /日の1 用量とする。主要評価項目は投与期間24 ヵ月における臨床的認知症重症度判定尺度(Clinical Dementia Rating Sum of Boxes:CDR-SB)を用いる。

Link 企業分析AstraZeneca Eli Lilly エーザイ 新薬開発➜アルツハイマー病