2017/03/13

ノバルティスのCDK4/6 阻害剤KISQALI(キスクワリ?)をHR+/HER2-乳癌の1 次療法としてFDAが承認

FDAはCDK4/6 阻害剤KISQALI(一般名:リボシクリブribociclib、LEE011)を「閉経後女性のホルモン受容体(HR)陽性、ヒト上皮細胞成長因子受容体2(HER2)陰性(HR+/HER2-)の進行または転移性乳癌」に対する初回の内分泌療法(アロマターゼ阻害剤)との併用療法として承認した。昨年(2016年)8月にFDAのBreakthrough Therapy指定を取得、2016年11月に承認申請、優先審査に指定されていた。
MONALEESA-2試験は、治療を受けていない閉経後のHR+/HER2-進行乳癌患者668人を対象として、KISQALIとアロマターゼ阻害剤(レトロゾール)の併用療法とレトロゾール単剤療法を比較した。「KISQALI+レトロゾール」併用療法は、レトロゾール単剤療法に比べて病勢の進行あるいは死亡のリスクを44%軽減した [PFS中央値は未定(95%CI;19.3ヵ月以上) vs. 14.7ヵ月(95%CI;13.0-16.5ヵ月);HR=0.556 (95% CI: 0.429-0.720); p<0.0001]。その後11ヵ月の追加フォローアップ後の解析におけるPFS中央値は、併用療法群25.3ヵ月、単剤療法群16.0ヵ月となった。全生存期間についても改善が続いているため未定である。
ノバルティス は、MONALEESA臨床試験プログラムを通じてKISAQALIの評価を継続している。MONALEESA-3試験では「内分泌療法の治療経験の無い、あるいは最大1 回の治療経験のあるHR+/HER2-進行乳癌の閉経後の女性」に対して「KISQALI+フルベストラント(抗エストロゲン薬)」併用療法 とフルベストラント単剤療法を比較している。
(参考)
CDK4/6阻害剤として先行するファイザーのアイブランス(IBRANCE、一般名パルボシクリブ)は2015年2月にFDA承認を取得、売上高は2015年7億㌦、2016年21億㌦(2100億円)と好調である。ノバルティスのKisqaliはFDAが承認した2番目のCDK4/6阻害剤となった。さらに、リリーのアベマシクリブは昨年6月のASCO総会で抗ホルモン療法不応患者におけるフェーズII段階の好成績を発表している。

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