2018/02/14

次世代アンドロゲン受容体阻害剤アパルタマイドをFDAが承認

 ヤンセンが開発した次世代のアンドロゲン受容体阻害剤アパルタマイド(予定販売名:エルレアダ ERLEADA)を「非転移性・去勢抵抗性の前立腺がん」に対する治療薬としてFDAが承認した。昨年10月に申請・優先審査となり、2か月足らずの非常に迅速な承認だった。FDAが「非転移性」の前立腺がんを適応症として承認するのは初めてである。無転移生存期間(Metastasis Free Survival, MFS)を40.5か月へと24.3か月改善したフェーズ3試験の成功が報告されFDAが即応した。承認根拠となったP3試験SPARTANは「非転移性の去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)でPSA検査値が急上昇」した患者1,207名を登録し、プラセボ対照、ランダム化二重盲検で実施され、転移または死亡のリスクの72%低減(ハザード比0.28;95%信頼区間0.23-0.35、P<0.0001)を証明した。
 主要な前立腺がん治療薬の2017年のグローバル売上高はアステラス製薬のイクスタンジ2900億円(27億㌦)、ザイティガ(ヤンセン)25億㌦と拮抗している。ヤンセンは市場参入を計画している後発品との特許係争を数多くかかえているアンドロゲン合成酵素阻害剤のザイティガから、エルレアダへの切り替えを早急に進める模様。競合が注目されるアンドロゲン受容体阻害剤イクスタンジもアステラスとファイザーが共同で実施した市販後のフェーズ3試験PROSPERの成績を発表した。非転移性・去勢抵抗性の前立腺がん患者1,400例を対象にMFSを36.6か月へと22か月延長、転移または死亡のリスクを71%減少しており、エルレアダと同等であった。