アストラゼネカのSGLT2 阻害剤フォシーガ(一般名:ダパグリフロジン)の大規模心血管系アウ トカム試験(CVOT)のDECLARE-TIMI 58 試験果が、シカゴで開催中の米国心臓協会(AHA) 学術集会2018 で報告され、同時にNEJM 誌にも掲載された。
DECLARE-TIMI 58 試験は、複数の心血管リスク因子、又は心血管疾患の既往患者を含む、CV リスクが高い成人2 型糖尿病患者を対象に、フォシーガ による治療が及ぼす影響をプラセボ と比較評価した、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、多施設、共同試験である。試験は、日本を含む世界33 カ国882 施設が参加し17,160 人が登録され、TIMI 試験Group(米 Boston)がHadassah Hebrew 大Medical Center(Israel, Jerusalem)と協力して実施された。
主要評価項目の一つである心不全による入院、又は心血管死の複合評価項目は、フォシーガ群はプラセボ群に対して、有意に17%リスクを減少させた [4.9% vs. 5.8%; HR= 0.83(95%CI:0.73-0.95), p=0.005]。心不全による入院または心血管系死の減少が、心血管リスクを有する患者群ならびに心血管疾患の既往患者群を含む全ての患者群に一貫して認められた。
もう一つの主要評価項目の主要心血管系イベント(MACE)は、統計学的有意差は認められなかった [フォシーガ群8.8% vs. プラセボ 群 9.4%; HR= 0.93 (95% CI:0.84-1.03), p=0.17]。