2019/10/21

テセントリクが肝細胞がんに対するP3試験に成功

Oct 21, Roche, PD-1 inhibitor, Hepatocellular carcinoma (HCC)

Roche’s Tecentriq in combination with Avastin increased overall survival and progression-free survival in people with unresectable hepatocellular carcinoma

ロシュのPD-1阻害薬テセントリクは抗VEGF抗体アバスチンとの併用により、切除不能の肝細胞がん患者において全生存期間および無増悪生存期間を改善した。

(参考)
ロシュによると「全生存期間の改善」が切除不能・肝細胞がんの一次療法で実現されたのは10年以上ぶり。肝細胞がんは全世界で毎年75万人が罹患するがその半分は中国。アジアでの罹患率が高いものの、米国でも1980年の3倍以上に増加している、という。

PD-1阻害薬によるHCC治療はオプジーボが2017年9月にソラフェニブ(ネクサバール)服用後に悪化した患者の二次療法として承認された。その後、キートルーダが2018年11月に同様の二次時療法として承認された。メルクはエーザイと共同開発するマルチキナーゼ阻害薬レンビマの単独投与による一時療法の承認を2018年8月に取得し、さらにキートルーダとレンビマの併用による一時療法ではFDAのブレークスルー指定を受けている。

今回のテセントリクとアバスチン併用の成功により、PD-1阻害薬の他剤との併用による一時療法ではロシュがメルクを逆転して一番乗りの承認を取得することになりそうだ。一方、オプジーボは単独投与によるHCC一時療法のP3試験に失敗したことを本年(2019年)6月に発表した。肺がんでの適応症拡大に遅れたオプジーボはHCCでも失敗が繰り返されているようだ。