アストラゼネカの抗血小板剤ブリリンタ(一般名:チカグレロル)が、冠動脈疾患(CAD)を有するハイリスク患者における心筋梗塞または脳卒中の初回発症リスクの低下に対する効能を米国FDA から取得した。心筋梗塞または脳卒中の既往歴の無い、心血管系疾患のリスクが高い患者に対するアスピリン+ブリリンタの抗血小板剤2 剤併用療法に対する薬事承認は今回が初めてである。実際のFDA のsNDA 承認日は5 月28 日である。
本承認は第3 相THEMIS 試験の良好な結果に基づいている。試験では、心筋梗塞または脳卒中の初回発症リスクの高い2 型糖尿病合併の冠動脈疾患患者を対象に、アスピリン+ブリリンタ 60 mg の併用療法をアスピリン単剤療法と比較検討し、36 カ月の時点で併用療法群において、主要心血管イベントからなる主要複合評価項目のリスクが統計学的に有意に低下した。主要複合評価項目の中では心筋梗塞と脳卒中の発症抑制が顕著に認められた。