第一三共は、抗凝固剤エドキサバン の非弁膜症性心房細動を有する出血リスクの高い高齢患者を対象にした国内での第3 相ELDERCARE-AF 試験において、主要評価項目を達成したと発表した。本試験結果は、欧州心臓病学会議(ESC)2020 において発表されるとともに、NEJM 誌オンライン版に掲載された(DOI: 10.1056 / NEJMoa2012883)。
第3 相ELDERCARE-AF 試験は、既存の経口抗凝固剤の承認用法及び用量での投与が困難と判断された高出血リスクのある80 歳以上の非弁膜症性心房細動患者984 人を対象に、エドキサバン 15 mg 1 日1 回(QD)経口投与時の有効性(脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制)の検証および安全性(出血性イベント等)を検討するプラセボ対照、二重盲検、比較試験である。本試験における主要評価項目である脳卒中および全身性塞栓症の年間発現率は、エドキサバン群2.3%に対し、プラセボ群6.7%で、⒮ドキサバン群の優越性が示され、初期の目的を達成した。安全性評価項目の一つである重大な出血の年間発現率は、エドキサバン 群3.3%に対し、プラセボ 群1.8%で、エドキサバン群において高い傾向にあったが、特に臨床的に問題と考えられる致死的な出血や頭蓋内出血は両群間に差はなく、安全性上の新たな懸念は認められなかった。