Takeda Announces Results from Phase 3 Clinical Trial Evaluating NINLARO™ (ixazomib) in Newly Diagnosed Multiple Myeloma
多発性骨髄腫の新規患者を対象としたニンラーロ(一般名:イキサゾミブ)の第3相試験結果を武田薬品が発表した。標準的な一次治療であるレナリドマイド(販売名:レブラミド)とステロイド薬デキサメタゾンの併用療法にニンラーロを追加した。無増悪生存期間(PFS)は35.3か月となり、プラセボを追加した対照群の21.8か月を13.5か月(62%)も上回った。しかしながらp値は0.073と大きく、統計的有意差を証明するには程遠かった。
プロテアソーム阻害薬の競合品であるカイプロリスは8月にFDAがダーザレックスとの併用を承認した。承認根拠とされたフェーズ3試験CANDORは466症例を登録して従来のKd療法(カイプロリス+デキサメタゾン)とダーザレックスを追加したDKd療法を比較し、病勢進行リスクを37%軽減、統計的有意差はp値0.0014をもって証明された。
武田薬品の発表には登録症例数が示されていないため、失敗の原因は判然としないが症例数が大きければ余裕をもって有意差が得られたのではないかと推察される。多発性骨髄腫はレブラミドが110億ドル(1兆2000億円)を売上げる巨大市場である。カイプロリスはニンラーロ(8億ドル)を抜いて10億ドルに達しており、急伸して30億ドルに達したダーザレックスとの併用が承認されたことから20憶ドルへ倍増する可能性も見えてきた。武田薬品は1000億円を投じてでも、症例数を数倍にして有意差を出さねばならない状況だった。