3 月22 日、AstraZeneca は、米国で進行中のCOVID-19 Vaccine AZD1222 (EU ではCOVID-19 Vaccine AstraZeneca)の第3 相臨床試験の中間解析で、有効性の主要有効性評価項目を達成したと発表した。
1. D8110C00001 試験:D8110C00001 と呼ばれる米国の第3 相試験は、国防総省の化学、生物、放射線、核防衛合同プログラム事務局(JPEO-CBRND)と陸軍契約司令部、および米国国立衛生研究所の国立アレルギー感染症研究所(NIAID)の協力の下、AstraZeneca が主導し、米国保健社会福祉省(HHS)の事前準備・対応担当次官補局(ASPR)の一部である生物医学先端研究開発局(BARDA)が資金を提供した。D8110C00001 は、COVID-19 の予防を目指して、placeboと比較したAZD1222 の安全性、有効性、免疫原性を評価する第3 相、無作為化、二重盲検、placebo 対照、多施設共同試験で、、米国、ペルー、チリの88 センターで登録された32,449 人を対象に実施された。健康であるか、医学的に安定した慢性疾患があり、SARS-CoV-2 virusとCOVID-19 に曝露されるリスクの高い18 歳以上の参加者を2:1 に無作為化し、AZD1222を5 x 1010 virus 粒子またはplacebo の生理食塩水を4 週間間隔で2 回筋肉内に投与した。
2. 有効性:症候性COVID-19 の予防に対して有効性79%、重症あるいは入院に対する有効性は100%、65 歳以上の参加者の有効性80%は、民族や年齢を超えて一貫していた。また、反応原性並びに全体の安全性プロファイルは好ましいプロファイルであった。この安全性と有効性に関する中間解析は、症候性COVID-19 について141 例の発症を伴う32,449 人の参加者のデータに基づいている。
3. 安全性:vaccine の忍容性は良好で、独立データ安全性モニタリング委員会(DSMB)は、vaccine 関連の安全性の懸念を見出せなかった。DSMB は、独立の神経内科医の支援を得て、血栓性イベント、および脳静脈洞血栓症(CVST)の症例を見出すべく調査を行ったが、DSMBは、少なくとも1 回のvaccine 接種を受けた21,583 人の参加者の中に、血栓症または血栓症を特徴とするイベントのリスクの増加を見いだすことはできなかった。 CVST を特定するための特別の調査でも、この試験において関連事象を見いだせなかった。AstraZeneca は引き続きデータを分析し、今後数週間以内にFDA に緊急使用許可(EUA)の申請準備を行い、それと並行して、査読付き学術誌に掲載すべく投稿の準備を進める予定である。
4. その他の情報:中間解析の参加者の人種は、約79%が白人、8%が黒人、4%が米国先住民、4%がアジア人、22%がヒスパニック系であった。参加者の約20%が65 歳以上で、約60%は、糖尿病、重度の肥満、心臓病などの重度のCOVID-19 の進行リスクの上昇に関連する基礎疾患を有していた。このAstraZeneca 主導の米国での第3 相試験には、4 週間間隔で2 回投与された。以前の試験では、最大12 週間まで延長した間隔でより高い有効性を示したことが示されたが、これは免疫原性データによっても裏付けられた。この証拠は、4 週間より長い間隔で2 回目の投与を行うと、有効性がさらに高まり、1 回目の投与を受けることができる人の数を増やせる可能性を示唆している。Vaccine は、通常の冷蔵条件(2℃~8℃)で少なくとも6カ月間保存、輸送、および取り扱いが可能で、既存の医療環境で特別の準備を必要とせずに投与することができる。