2021/06/15

Biogen、アルツハイマー病に対する抗Tau 抗体gosuranemab の第2 相臨床試験を失敗中止

6 月16 日、Biogen Inc.(Biogen)は、アルツハイマー病(AD)の潜在的な治療法として評価されていた開発中の抗Tau 抗体であるgosuranemab(BIIB092)の第2 相TANGO 試験のトップライン結果を発表した。

1. gosuranemab:

本抗体はTau のN 末端に対する抗体である。ターゲットの関与は、以前の研究と一致して、脳脊髄液(CSF)のN 末端Tau の低下で実証された。しかし、TANGO 試験では、どの用量群でも78 週目にTau-PET で統計的に有意な治療効果が観察されなかった。


2. 試験結果:

gosuranemab、AD および軽症AD による軽度認知障害(MCI)の患者において、placebo と比較して、臨床認知症評価尺度-Boxes 合計(CDR-SB)
でベースラインからの変化という主要有効性評価項目の達成に失敗した。AD 評価尺度-認知Subscale(ADAS-Cog 13)、日常生活動作のAD 共同研究活動(ADCS-ADL)、Minimental state 検査(MMSE)および機能評価アンケート(FAQ)など、探索的有効性評価項目での治療効果は認められなかった。gosuranemab の忍容性は全体的に良好で、安全性結果はこれまでの試験と一致していた。

3. 第2 相TANGO 試験:

gosuranemab の第2 相TANGO 試験(NCT03352557)は、その後の用量盲検の長期延長期間を追跡調査したAD または軽度AD を伴う、軽度認知障害(MCI)による臨床進行速度の低下に対する安全性と有効性の両方を評価するための、78 週、二重盲検、placebo 対照、並行群間試験であった。この試験では、97 の施設で654 人の被験者が登録された。 AD または軽度AD によるMCI のすべての臨床基準を満たしていて、6 カ月以上にわたって記憶機能の段階的かつ進行性の変化を伴う50〜80 歳の被験者が登録された。

4. 試験終了:

これらの結果に基づき、TANGO 試験は終了し、Biogen は、gosuranemab の臨床開発を中止した。 CSF バイオマーカーを含む追加データの分析が進行中であり、Biogen はこれらのTANGO 試験結果を今後の医学会議で発表する予定。(完)

(主な出典:https://investors.biogen.com/news-releases/news-release-details/biogen-announces-topline-results-phase-2-study-gosuranemab-anti