2022/06/03

エンハーツ、HER2 低発現転移性乳癌に対し化学療法より/病勢進行/死亡のリスク50%低減

第一三共とアストラゼネカのエンハーツ (一般名:トラスツズマブデルクステカン [DS-8201/T-DXd、HER2 に対する抗体薬物複合体(ADC)]の、HER2 低発現(IHC1+または IHC2 + / ISH-)乳癌患者を対象にした第 3 相臨床試験(DESTINY-Breast04)における有効性と安全性に関する最新データについて、米国臨床腫瘍学会(ASCO2022)において発表した。本試験データは、NEJM 誌にも同時に掲載された。
本試験は、 HR 陽性またはHR 陰性に関わりなく、以前に1 回または2 回の化学療法レジメンの治療を受けた、HER2 低発現、切除不能、および/または転移性乳癌患者における、エンハーツ(5.4 mg / kg)の有効性と安全性を、医師が選択した化学療法((カペシタビン, エリブリン, ゲムシタビン, パクリタキセル又は なb-パクリタキセル)と比較して評価する、グローバル、無作為化、オープンラベルのピボタル第3 相試験である。日本を含むアジア、欧州、北米において557 人の対象患者が登録され、エンハーツまたは化学療法のいずれかの投与を受けるために2:1 に無作為に割り付けられた。本試験の主要評価項目である「ホルモン 受容体(HR)陽性のHER2低発現乳癌患者における無増悪生存期間(PFS)において、治験医師選択薬投与群と比較して、病勢進行または死亡リスクを49%低下させ、中央値は治験医師選択薬投与群(163 人)の5.4 カ月に対し、本剤投与群(331 人)では10.1 カ月と約2 倍近い改善効果を示した。