2022/06/06

DS-6000、進行性卵巣癌または腎細胞癌患者に対する初期の臨床評価結果をASCO で発表

第一三共とSarah Cannon 研究所が開発中の、進行性卵巣癌または標準治療後の病勢進行を伴う腎細胞癌患者を対象にしたCDH6 を標的としたDXd 抗体薬物複合体(ADC) DS-6000 について、ヒトに最初に投与する第1 相試験の初期データが、開催中の米国臨床腫瘍学会年次総会の口頭発表Session(Abstract#3002)で報告された。
CDH6は、複数の癌種中、特に卵巣癌と腎細胞癌で過剰発現しているcadherin family タンパクで、CDH6 過剰発現は、癌の成長と増殖に関連し、腎細胞癌患者の予後不良と相関している。現在、CDH6 を標的とする癌治療薬は承認されていない。DS-6000 は、第一三共の癌領域パイプライン中、臨床開発中のfirst-in-class の抗CDH6 ADCを含む5 製品候補のADC 薬の1 つである。
DS-6000 1.6 ~9.6 mg/kg の用量が評価され、9.6 mg/kg で2 人に用量制限毒性が観察された [グレード(GR) 3 の発熱性好中球減少症とGR 4 の血小板減少症]。有害事象(TEAE)は、悪心(60.0%)、倦怠感(56.7%)、嘔吐(30.0%)、好中球数の減少(23.3%)などであった。20 人の評価対象患者における予備的有効性結果では、卵巣癌(n = 5)および腎細胞癌(n =1)の計6 人の部分奏効(PR)が含まれていた。