2023/11/22

ベーリンガーインゲルハイム, 細菌による癌治療開発企業T3 Pharmaを買収、癌免疫療法に参入

ベーリンガーインゲルハイムは、スイスバーゼルに拠点を置く株式非公開のユニークな細菌による癌治療法を開発しているバイオ企業T3 Pharmaceuticals AG(T3 Pharma)を最大4億5,000 万CHF(1CHF=168JPY)で買収し、癌免疫療法のポートフォリオを拡大すると発表した。
T3 Pharma社は、バーゼル大学の Biozentrum から独立して2015年に設立され、固形癌を治療する細菌ベースの免疫腫瘍療法を開発するバイオ企業で、生細菌を使用して免疫調節機能を提供する独自の治療技術基盤を構築し、ペイロードとして細菌の生産する複数の生理活性タンパク質を、選択的に癌細胞や癌細胞の微小環境に送達するシステムを開発した。同社は、細菌の III 型分泌システム(T3SS)を再利用することにより独自のタンパク質送達技術基盤を構築し、腫瘍と腫瘍微小環境へ目的の治療用タンパク質の送達を実現した。同社の主力製品の T3P-Y058739 は現在、第 I 相臨床試験で評価中である。