2012/05/09

JAK3阻害剤の抗リウマチ薬tofacitinib(ファイザー)の承認をFDA諮問委員会が勧告 [5/9]

JAK阻害剤tofacitinibは関節リウマチ症に対して総症例数4800例に上る5本のフェーズ3試験で抗体医薬ヒュミラに匹敵する有効性を証明し、昨年中に米欧日ほぼ同時に申請した。FDA諮問委員会は「中等度から重度の活動性関節リウマチ治療薬」としての承認を勧告、PDUFA審査期限の8月には承認される見通しとなった。ファイザーは、「承認されればDMARDとしては10年ぶりの新薬になる」と述べている。1日2回投与の内服薬であり、長期的にはメソトレキサート(リウマトレックス)など市場の裾野が広いDMARDs(疾患修飾抗リウマチ薬)との競合も視野に入れているようだ。まだフェーズ2段階ではあるがメソトレキセートを対照薬とする臨床試験も進行中だ。年間治療費が200万円を超す注射剤の抗体医薬と、ほとんどが後発品の市場となっているDMARDsとの間で、価格設定をどうするか注目される。昨年11月にJAK阻害剤として初めて承認されたIncyte社の骨髄線維腫治療薬JAKAFIは年間85000ドル(700万円)という高価格が話題となっている。