2012/12/18

「製薬産業における最高の研究所長」にブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)のElliott Sigal氏

「製薬業界で最高の研究所長」は国際的に有名な医薬品業界誌SCRIPが04年から11年までの研究開発費総額と新薬承認数を定量的に比較して選出した。BMSはこの8年間で280億ドル(2兆3000億円)を使って7品目のFDA承認を取得、1品目当たり3300億円はメルクの6000億円を大きく下回った。メルクの承認取得も7品目だったが、研究開発費の累積は業界最大の500億ドル(4兆円)に達している。 ただし、SCRIP誌の計算方法は単純すぎるかも知れない。メルクはシェリングとの合併によるIPRD(仕掛研究)の一括償却が影響しているかもしれない。反対にBMSは抗血液凝固剤アピキサバンでファイザーと、糖尿病薬FORXIGAではアストラゼネカと提携するなど自社品でも共同開発が多く、品目当たりでは過小に計算されている可能性がある。とは言え、筆者の定性的な印象もSCRIP誌と同様だ。BMSは新薬理の前述2品目の他に抗体医薬でも抗リウマチ薬オレンシア、悪性黒色腫治療薬YERVOYなどを輩出。一方、メルクは7品目のうち3品目がワクチン。大成功をおさめた糖尿病薬ジャヌビアを除くと残る3品目の印象も薄い。