2012/12/29
BMSとファイザーが共同開発したファクターXa阻害剤ELIQUISをFDAが承認 [2012/12/29]
ファクターXa阻害剤はワーファリンに代わる、より安全で有効な抗血液凝固薬として期待されている。「心房細動(AF)患者の脳卒中リスク」に対する治療(SPAF: Stroke Prevention in Atrial Fibrillation)は現在でも、60年前に登場したワーファリンが中心で、薬物相互作用や患者ごとに必要な用量設定に起因する致死的な頭蓋内出血など、大出血の副作用が解決されていない。2012年12月末にFDAが承認したELIQUIS(日本名:エリキュース)は、非弁膜性心房細動患者18000を対象にワーファリンと比較した大規模臨床試験「ARISTOTLE(アリストテレス)」において脳卒中発症を21%低下、大出血副作用を31%抑制、そして全死亡率を11%低下させた。
SPAF効能を取得した抗血液凝固薬は全てワーファリンを対照薬とする大規模アウトカム試験を実施している。10年10月に承認されたベーリンガー インゲルハイムの直接トロンビン阻害剤Pradaxa(日本名:プラザキサ)の「RE-LY試験」は18000例、11年11月に承認されたバイエル/ジョンソン&ジョンソン(J&J)共同開発のファクターXa阻害剤Xarelto(日本名:イグザレルト)の「ROCKET-AF試験」は1万4000例だったが、統計的有意差を得たのはELIQUISが初めてである。