グローバル企業の2012年決算は主力製品の特許終了が影響し、大手10社のうち8社で連結売上高が減少、うち3社は2ケタの大幅減収だった。2011年世界売上トップのコレステロール低下薬リピトール(ファイザー)、2位の抗血小板薬プラビックス(BMS/サノフィ)、9位の抗精神病薬セロクエル(AZ)の特許が終了、「2012年問題」として懸念されてきたとおりの惨状となった。連結売上はBMSが17%、AZが15%、ファイザーが10%と大幅に減少した。しかし、12年のファイザーの株価は15%上昇し、2年間の累積上昇率は42%となり、サノフィ(48%)に続く2位だった。BMSも2年間で20%上昇、NY市場の上昇率12%を上回った。いつもながら気の早い株式市場は「パテントクリフを乗り越える高分子シフト」の成功を織り込んできたようだ。一方、抗リウマチ薬fostamatinibが難航するなど、高分子医薬品の開発に遅れたAZの株価は2年間横ばいだった。