2013/05/15

米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会、発表演題の抄録をWeb上で公開

ASCO年次総会 は昨年と同様、6月第1週にシカゴで開催される。世界中のがん専門家が集まり、さらには投資家まで押しかける世界最大の学会である。株価への影響も大きいため、学会抄録の公開と同時に製薬企業のプレスリリースが相次いだ。 ポスター発表を含めた演題総数4500に対して、ロシュの発表数275は6%を占める、そのうち1/3は討論(oral)セッションに採用されたという。慢性リンパ性白血病(CLL)の抗体医薬リツキサンの糖鎖を修飾して活性を増強したobinutuzumab(GA101)の注目度は高い。がん領域でのロシュのプレゼンスの大きさを再認識させられる。 他にはノバルティスが乳がん効能を追加したmTOR阻害剤アフィニトールの臨床試験BOLERO-3のデータなど63本、ブリストルマイヤーズがアポトーシス(細胞死)関連の抗PD-1受容体抗体nivolumabなど50本、といったところが活発だ。 一方で、米メルクとファイザーからはASCO関連のリリースが出ていない。メルクは最近、P1段階の悪性黒色腫治療薬lambrolizumabがFDAのブレークスルー指定を取得した。しかし、抗がん剤の開発パイプラインは依然として手薄だ。ASCOでの演題は11本と少ない。 ファイザーの24本も少ないが、ザーコリ(肺がん)、インライタ(腎がん)、ボスチニブ(白血病)が短期間に相次いで承認された直後で小休止といった様子だ。