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2022/08/04

慢性リンパ性白血病(CLL)に対する固定期間併用治療法

 08/04, Janssen, BTK, CLL

European Commission Approves IMBRUVICA® (ibrutinib) in a Fixed-Duration Combination Regimen for Adult Patients with Previously Untreated Chronic Lymphocytic Leukaemia (CLL)

  • 欧州委員会は未治療の慢性リンパ性白血病(CLL)成人患者に対するイムブルビカ(イブルチニブ)による固定期間併用治療法を承認した。

2022/07/05

血液がんに対する新規がん免疫療法に関連する企業買収

07/05, AZN, M&A

AstraZeneca to acquire TeneoTwo and its clinical-stage T-cell engager, strengthening haematological cancer pipeline 

アストラゼネカはテネオ ツー(TeneoTwo)の買収により、臨床段階のT細胞エンゲージャーを獲得して血液がんパイプラインを強化する。

2022/06/21

Galapagos、CellPoint とAboundBio を買収し、次世代CAR T 細胞療法へのアクセスを加速

Galapagos NV(Galapagos)、CellPoint 及びAboundBio の3 社は、Galapagos がCellPoint 及びAboundBio を買収する最終正式契約を締結し、ポートフォリオと機能を大幅に拡大しつつ、Galapagos の次世代CAR T 細胞療法を推進することに合意した。
CellPoint は、CAR-T 療法の7 日間での製造を可能にし、複雑なロジスティクスを回避することにより、現在のCAR- T 治療の重要な制限に対応した新しい医療現場(Point of Care)での供給モデルを開発した。CellPoint の分散型供給モデルを使用した臨床試験は、ベルギー、スペイン、オランダの規制当局によって認可されている。CD19 CAR-T 療法を用いたR/RNHL およびR/RCLL の2 本の第1/2a 相試験が現在進行中であり、2023 年前半にトップラインの結果が期待され、CAR-T 療法のPoint-of-Care 供給モデルの迅速な臨床での検証の機会を提供する。
AboundBio の業界をリードする完全ヒト抗体library は、重鎖可変(VH) domain、scFv、Fabs2 などの多様な結合フォーマットを、従来のCAR-T 療法に組み込み、多様な開発の可能性を提供する。
CellPoint の分散型Point-of-Care 製造モデルとAboundBio の最先端の完全ヒト抗体ベースの機能により、CAR-T 療法のパラダイムシフトの可能性があり、次世代CAR-T 細胞と二重特異性抗体の技術を提供する。

2022/04/25

2 つの他家CAR NK 細胞プログラムの用量設定試験のポジティブな予備的結果を発表

人工NK 細胞療法による癌治療薬の開発を目指すバイオ医薬品企業Nkarta, Inc.(Nkarta,)は、2 つの細胞療法のリード開発候補品NKX101 及びNKX019 の他家CAR NK 細胞療法の独立した第1 相用量設定試験におけるポジティブな予備的データを発表した。
NKX-101 試験では、再発または難治性(r / r)急性骨髄性白血病(AML)および高リスク骨髄異形成症候群(MDS)の患者を対象に、リンパ球枯渇後のNKX101 の安全性と予備的有効性を評価する。
CART 細胞療法に関連する副作用は、サイトカイン放出症候群、移植片対宿主病、免疫エフェクター細胞関連神経毒性(ICANS)などが知られているが、NKX101 ではどの用量でもこれらの症状は観察されなかった。最も一般的な高悪性度の有害事象は骨髄抑制であり、NKX101 の安全性プロファイルは、多くの細胞療法と明確に区別された。
NKX019 試験では、B 細胞抗原CD19 を標的とするように設計されたNK 細胞を使用し、r/r B 細胞悪性腫瘍患者のリンパ球枯渇後のNKX019 の安全性と抗腫瘍活性を評価する。NXK109 においてもサイトカイン放出症候群、移植片対宿主病、ICANS などの有害事象は観察されなかった。

2022/03/24

MEI と協和キリン、FDA との会合後にzandelisib に関する承認申請の最新情報を提供3

MEI Pharma, Inc.(MEI)と協和キリンは、phosphatidylinositol-3-kinase δ (PI3Kδ)阻害薬zandelisib の、21 CFR Part 314.500、Subpart H に基づいて加速承認経路を介した、単一群第2 相TIDAL 試験データに基づいた販売承認申請について、FDA との最近の会議の後に最新情報を公開した。zandelisib は、B 細胞悪性腫瘍の患者を対象にした1 日1 回の経口治療として開発中の癌治療薬である。臨床試験では、間欠投与レジメン(IDT)で投与し、単剤として、および他のモダリティと併用して、有効性と安全性を評価中である。FDA は、少なくとも2 回の全身療法を受けたR/R 濾胞性リンパ腫の成人患者の治療にzandelisib をFast track に指定し、濾胞性リンパ腫患者の治療薬として希少病薬にも指定した。会議で、FDA は、zandelisib,を含むPI3K 阻害薬候補を適切に評価するために、無作為化試験が現在必要であるとの立場を企業側に示した。第2 相TIDAL 試験(NCT03768505)において、zandelisib は、主要有効性評価集団(n= 91)に対する独立効果判定委員会(IRC)による評価で、70.3%の奏効率(ORR)を示し、うち35.2%が完全奏効を達成した。データカットオフ時点で、奏効期間(DOR)を正確に推定するには、データが十分に成熟していなかった。試験に登録された患者の安全性とDOR を評価するため引き続き追跡調査を継続する

2021/11/18

quizartinib の急性骨髄性白血病(AML)患者への1 次療法第3 相臨床試験で主要評価項目達成

11 月18 日、第一三共は、新たにFLT3-ITD 陽性急性骨髄性白血病(AML)と診断された患
者を対象に、非常に強力で選択的なFLT3 阻害剤であるquizartinib を評価するグローバルな
pivotal 第3 相QuANTUM-First 試験のポジティブなトップライン結果を発表した。

1. 発表概要
QuANTUM-First 試験の最初の主要評価項目を達成した。標準的な導入化学療法と強化化学療法と併用したquizartinib を投与された後、単剤のquizartinib 投与を継続した患者は、標準療法のみを受けた患者と比較して、統計的に有意な臨床的に有意な全生存期間(OS)の改善が認められた。quizartinib の安全性は管理可能であり、既知の安全性プロファイルと一致していることが示された。詳細は今後開催される関連学会で発表される。

2. AML
成人の白血病の最も一般的な形態の1 つであり、全症例の約3 分の1 を占める。AML の5 年生存率は約29%であり、特にFLT3-ITD 陽性AML 患者の予後は不良で、再発のリスクは高い。大多数のAML 患者の生存率改善に向けunmet medical needs が残されている。

3. 第3 相QuANTUM-First 試験デザイン
新たに診断された(NDx) FLT3-ITD AML およびECOGPS 0-2 の18〜75 歳の患者が対象。重要な除外基準は、前治療歴 [quizartinib(Q) またはFLT3 阻害剤を含む]、30 日以内の被験薬またはデバイス使用、2 週間以内の免疫療法、中枢神経系白血病の病歴、重大な心血管疾患(QTcF> 450 msec)、活動性肝疾患であった。患者は1:1 に無作為化され、Q 40 mg (35.4 mg free base 相当)、またはplacebo(P)に割り付けられ、それぞれ導入(IND)および強化(CON)化学療法 (≤ 4 cycle の高用量cytarabine ±造血幹細胞移植)を併用投与、その後維持療法として(Q 30 mg は60mg に増量、≤ 12 28 日cycle ;またはP)が投与された。IND のcycle 1 では、患者はcytarabine 100 mg (または更新protocol による200 mg / m2 / d)を7日間、1〜3日目に anthracycline (daunorubicin 60 mg/m2/d 又は idarubicin
12 mg/m2/d) (7+3)をそれぞれ投与された。各IND の8 日目と各CON cycle の6 日目から、患者は14 日間1 日1 回Q 40 mg またはP を投与された。IND のcycle 2 では、患者はcycle 1 同様protocol 規程のcytarabine と anthracycline を 7 + 3 日投与されるか、試験担当医医師の判断で5+2 日に変更し、8 日目または6 日目からQ またはP の投与開始への置き換えが可能。主要評価項目は、無イベント生存期間である。副次評価項目は、OS、CR、CRc(最新のIWG 定義によるCR + CRi)である。試験はグローバルの275 施設で536 人の患者登録を目指している(NCT02668653)(ANNLS ONCOLOGY; Vol. 28, supplement 5, September 01, 2017 より)

4. 参考 (2019 年6 月FDA がCRL 発行)
FLT3-ITD 変異陽性の再発または難治性(R/R)急性骨髄性白血病(AML)を治療対象としたquizartinib 30 mg→60mg 増量のNDA について、FDAは審査完了通知(CRL; Complete Response Letter)を発行した。これに先立ち、同年5 月、FDAの腫瘍薬諮問委員会(Oncologic Drugs Advisory Committee)が本NDA を審議し、投票の結果、
8:3 で承認勧告を否決した。ITT 集団のOS の分析では、ハザード比(HR);0.77(95%CI 0.59、0.99; p = 0.019)と統計学的に有意な改善が示されたが、有効性データとしては脆弱との判定であった。因みに、副次評価項目の無イベント生存期間(EFS)の分析では、統計学的に有意な改善は認められなかった(HR 0.9; 95%CI; 0.71, 1.16; p= 0.114)。NDx のAML 患者に対するquizartinib の1 次療法の有効性のレベルが注目される。(完)

(主な出典:https://daiichisankyo.us/press-releases/-/article/364091/11880925他)

2021/10/29

FDA、慢性骨髄性白血病治療薬として新機序のSTAMP 阻害剤SCEMBLIX(asciminib)承認

FDA が2つの異なる効能で慢性骨髄性白血病(CML)の治療薬として、ノバルティスのSCEMBLIX (一般名:asciminib)を承認した。
SCEMBLIXは、 ABL myristoyl pocket に結合するABL/BCR-ABL1 チロシンキナーゼ 阻害剤(TKI)で、初めてFDA に承認されたCML 治療薬である。文献上、STAMP 阻害剤としても知られている。
FDA は、SCEMBLIX を優先審査と希少病薬に指定し、①治療開始24週時点における分子遺伝学的大奏効(MMR)率に基づいて、これまでに2 回以上TKIで治療された慢性期のPhiladelphia 染色体陽性CML(Ph + CML-CP)成人患者に対しては加速承認プログラムで、②T315I 変異陽性のPh + CML-CP 成人患者に対しては完全承認で、それぞれを認可した。SCEMBLIX は、第3 ASC4FIRST 試験を含めCML-CP の複数の治療ラインについて評価されている。また2021 2 月にFDA からBreakthrough Therapy に指定された。

FDA、慢性骨髄性白血病治療薬としてNovartis の新作用機序のSCEMBLIX(asciminib)承認

10 月29 日、Novartis は、FDA が2 つの異なる効能からなる慢性骨髄性白血病(CML)の
治療薬としてSCEMBLIX(asciminib)を承認したと発表した。

1. FDA 承認概要
 24 週間の分子遺伝学的大奏効(MMR)率に基づいて、これまでに2 回以上のtyrosine kinase 阻害剤(TKI)の治療歴の有る、慢性期のPhiladelphia(Ph)染色体陽性CML(Ph+ CML-CP)の成人患者に対してSCEMBLIX を加速承認、および T315I 変異を有するPh +CML-CP の成人患者に対する完全な承認をそれぞれ認可した。加速承認プログラムに従って、最初の効能の継続的な完全承認に移行させるには、確認試験により臨床上のベネフィットの確立とその旨のラベルへの記載が必要である。

2. SCEMBLIX のFDA 承認の根拠
第3 相ASCEMBL 試験とT315I 変異を有するPh+CML-CP の患者を対象にした第1 相試験(NCT02081378)結果に基づいている。SCEMBLIX は、24 週間でBOSULIF(bosutinib)と比較してMMR 率をほぼ2 倍に向上させた [25% vs. 13% (P = 0.029)]。副作用のために治療を中止した患者割合は、bosutinib 群(n = 76)の患者と比較してSCEMBLIX 群(n = 156)で3 分の1 以上低率であった(7% vs. 25%)。SCEMBLIX 群で最も一般的な(発生率 ≥20%)副作用と検査値異常は、それぞれ上気道感染症と筋骨格痛でであった。血小板および好中球数の減少、hemoglobin の減少、triglyceride、creatine kinase およびalanine transferase(ALT)の上昇が観察された。T315I 変異を有する患者に関するデータを含む、SCEMBLIX の追加の有効性と安全性の詳細および全処方情報は、 https://www.novartis.us/sites/www.novartis.us/files/scemblix.pdf.を参照のこと。

3. SCEMBLIX
ABL myristoyl pocket に結合することによって機能する最初のFDA 承認のCML 治療薬であり、現在利用可能なTKI 療法に対する耐性および/または不耐を経験している患者にとって重要な進展を示している。科学文献上、STAMP 阻害剤としても知られているSCEMBLIX は、CML-CP について複数の治療ラインにわたって研究が進展されており、SCEMBLIX を1 次療法として評価する第3 相ASC4FIRST 試験が含まれる。

4. CML の治療の現状
多くのCML 患者にとって、現在の治療法は不耐性や抵抗性によって制約を受ける可能性があり、使用可能なTKI の連続使用は失敗率の増加につながると想定される。 2 回のTKI による治療歴の有るCML 患者の解析では、約55%が以前の治療に不耐であったと報告している。さらに、2 次療法の設定におけるプール解析では、最大70%の患者がフォローアップから2 年以内にMMR を達成できないことが示された。さらに、T315I変異陽性患者では、利用可能なほとんどのTKI に耐性であり、病勢進行のリスクが高くなることが知られている。

5. Memorial Sloan Kettering Cancer Center (MSK).の血液学者で骨髄増殖性腫瘍プログラムLeader Dr. Michael J. Mauro のコメント
現在使用可能な治療法で失敗した場合、治療の副作用が不耐の場合、またはその両方の場合、CML の治療が困難に直面する可能性が高くな
る。CML 治療の展望は、この血液癌と闘うためのこの新しい治療法を使用して、2 番目の治
療に切り替えたが、病勢の改善に至らない患者や、T315I 変異を発症し、著しく悪化してい
る患者の治療に役立つと期待している」と述べた。(完)(主な出典:https://www.novartis.com/news/media-releases/fda-approves-novartis-scemblix-asciminib-novel-mechanism-action-treatment-chronic-myeloid-leukemia他)

新規メカニズムSTAMPを標的とする慢性骨髄性白血病(CML)の治療薬

10/29, NVS, BCR-ABL, CML

FDA approves Novartis Scemblix® (asciminib), with novel mechanism of action for the treatment of chronic myeloid leukemia
  • FDAは慢性骨髄性白血病の治療薬として新規メカニズムを持つノバルティスのセンブリックス(Scemblix、一般名アシミニブ)を承認した。

2021/10/01

B細胞急性リンパ性白血病(ALL)の成人患者に対する初めてのCAR-T療法

10/01, GILD, CAR-T, ALL

U.S. FDA Approves Kite’s Tecartus® as the First and Only Car T for Adults With Relapsed or Refractory B-cell Acute Lymphoblastic Leukemia

米国FDAはカイト(ギリアド子会社)のテカルタス(Tecatus)を再発・難治性のB細胞急性リンパ性白血病の成人患者に対する初めてのCAR-T療法として承認した。

2021/09/02

急性骨髄性白血病に対するpevonedistat+azacytidine 併用1 次療法、第3 相臨床試験で失敗

9 月2 日、武田薬品は、pevonedistat の第3 相PANTHER 臨床試験(Pevonedistat-3001)において、主要有効性評価項目の無イベント生存期間(EFS)について、事前に規定した統計学的に有意な延長の達成に失敗したと発表した。2022 年申請目標の3 品目中の1 品目の挫折である。

1. 試験結果概要
高リスク骨髄異形成症候群(MDS)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)および低芽球性急性骨髄性白血病(AML)患者を対象に、1 次療法としてpevonedistat とazacytidineの併用療法とazacytidine 単剤療法を比較しEFS の延長を評価した。この第3 相PANTHER 試験におけるEFS の定義は、高リスクMDS またはCMML 患者では死亡またはAML への移行のいずれか早い方までの期間、AML 患者では死亡までの期間としている。安全性プロファイルは、これまでに報告された併用療法のデータと一致するものであった。全データの解析結果は、今後の関係医学会にて発表を行う予定である。臨床責任医師には結果を伝えており、試験によるあらゆる影響について、被験者と話し合いを持つ予定。武田薬品としては、被験者の個々の状況に応じた最適な対応を試験責任医師と協力して進めていく。

2. pevonedistat
本品はubiquitin 様タンパク質[ NEDD8 (Neural precursor cell Expressed 
Developmentally. Down-regulated protein 8)]の活性化酵素(NAE)阻害剤で、タンパク質の環境の恒常性を阻害することで癌細胞の死滅をもたらすことが示されている。

3. 武田薬品オンコロジー疾患領域事業部門責任者Dr. Chris Arendt のコメント:
「今回の結果は遺憾ではあるが、我々は得られた全データへの理解を深めるように努め、本試験から得られた知見を十分な治療を受けることができない患者のために、治療の選択肢の可能性に対する研究開発の指針となる情報を提供する予定である。この試験に参加いただいた患者とそのご家族、支援団体や治験責任医師の方々に感謝申し上げる。これらの方々の協力なしでは、この意義深い試験は実施できなかった」と述べている。

2020/10/30

ノバルティス、アジアで初めてCAR-T 細胞療法キムリア の製造施設が承認され規模を拡大

ノバルティス は、厚生労働省(MHLW)から、神戸の公益財団法人神戸医療産業都市推進機構(FBRI)において、日本の患者向けの市販のCAR-T 細胞療法KYMRIAH(tisagenlecleucel)を製造および供給するための製造販売承認事項一部変更についての承認を取得したと発表した。これにより、FBRI において、アジアで初めて、唯一、国内で初めてキムリア の市販製品の製造および供給が可能となった。
2019 年5 月に、再発又は難治性のCD19 陽性B細胞性急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)および再発又は難治性CD19 陽性びまん性大細胞型B 細胞リンパ腫(DLBCL)を対象にキムリアを発売して以来、米国の製造施設で製造して日本の患者に届けてきた。本治療法を必要とする患者に安定的に製品を届けるために、ノバルティスでは世界的に細胞・遺伝子治療薬の生産体制を強化している。2019 年1 月にはFBRI にキムリア製造技術移転を完了し、被験薬製品の製造を開始した。日本向けの市販製品の製造は、今回承認されたFBRI に加え、引き続き米国の製造施設でも製造を行う。

2020/09/01

DNAメチル化阻害薬アザシチジンによる急性骨髄性白血病の治療

09/01 BMY, Epigenetics, AML
U.S. Food and Drug Administration Approves Onureg® (azacitidine tablets), a New Oral Therapy, as Continued Treatment for Adults in First Remission with Acute Myeloid Leukemia

急性骨髄性白血病(AML)成人患者の初回緩解期に投与する治療薬としてDNAメチル化阻害薬アザシチジンの経口剤Onuregu(オヌレグ?)をFDAが承認した。ブリストルマイヤーズ・スクイブ(BMY)が買収したセルジーンが注射剤として開発し、2004年に骨髄異形成症候群(MDS)治療薬として発売したVidaza(ビダーザ)を錠剤とした。BMYが2019年に計上したビダーザの売上高は前年比2%増6億ドル(650億円)だった。国内では日本新薬がセルジーンに買収される直前のPharmionから導入しており、2020年3月期売上高はほぼ150億円だった。

2020/08/26

慢性骨髄性白血病に対するSTAMP阻害薬のフェーズ3試験成績

08/26   NVS   STAMP inhibitor   Chronic myeloid leukemia (CML)  
Novartis investigational novel STAMP inhibitor asciminib (ABL001) meets primary endpoint of Phase III chronic myeloid leukemia study

ノバルティスが開発している世界初のSTAMP阻害薬asciminib(アッシミニブ?)が慢性骨髄性白血病に対するフェーズIII臨床試験ASCEMBLEにおいて主要評価項目を達成した。ボスチニブ(販売名:ボシュリフ)を対照薬としてチロシンキナーゼ阻害薬2~3種類の前治療歴がある慢性段階のフィラデルフィア染色体陽性患者を登録したASCEMBLE試験の詳細は今後の学界で報告する予定。FDAはファストトラック指定している。

(参考)STAMPはSpecifically Targeting ABL myristoyl pocket の略語らしく、グリベックに始まる既存のABL-BSR標的チロシンキナーゼ阻害薬に対する抵抗性や不耐性に関連しているようである。これを阻害することにより、スプリセル、タシグナ、ボシュリフといった第二世代のABL-BCR阻害薬を置き換える、革新的な新薬となるか注目される。


2020/07/07

FDA/Health Canada、Astex 申請のINQOVI (ASTX727)をMDS・CMML 治療藥として承認

大塚製薬および米国子会社Astex Pharmaceuticals, Inc.(Astex)、大鵬薬品および米国子会社Taiho Oncology, Inc.(Taiho Oncology)が開発中の新規抗癌剤INQOVI (decitabine+cedazuridine)(経口C-DEC:ASTX727)配合錠について、骨髄異形成症候群(MDS)と慢性骨髄単球性白血病(CMML)治療薬として、Project Orbis イニシアチブの一環としてFDA がCanada Health と共同で承認した。
INQOVI (経口C-DEC)は、Astex 社が創製したDNA methyl 化阻害剤DACOGEN (decitabine、剤型:注射剤)の有効成分に、経口投与時のdecitabine の分解を抑制する新規代謝酵素阻害剤cedazuridine を加えた世界初の経口DNA methyl 化阻害配合剤である。

2020/06/12

EMA、欧州におけるKite のCAR T 細胞療法イエスカルタ の新規製造施設の追加を承認

Gilead Sciences(ギリアド)傘下のKite Pharma が、CAR T 細胞療法イエスカルタ(一般名:axicabtagene ciloleucel)の全製造工程を完了できるend-to-end (2E) 製造施設を追加する販売承認の変更申請がEMA から承認された。この承認によりKite の欧州の新製造施設は、個別化された細胞療法の製造に特化して設計されており、現在完全稼働を開始した。このKite の欧州における細胞療法製造施設はアムステルダム 郊外にある。Kite は、欧州とイスラエルの16 カ国に約90 カ所の認定治療センターを確保している。この新しい欧州の施設は、欧州最大の空港の1 つAmsterdam 空港Schiphol.に隣接している。市の中心地域とこの地域とは交通機関で結ばれていることから、治療センターへのアクセス時間が短縮される。本施設は、年間最大4,000 人の患者にCAR T 細胞療法を提供する。

2020/05/01

エピジェネティクス制御薬CC-486による急性骨髄性白血病の治療

05/01 BMY, Epigenetics, AML

U.S. Food and Drug Administration (FDA) Accepts for Priority Review Bristol Myers Squibb’s Application for CC-486 for Maintenance Treatment of Adult Patients in Remission with Acute Myeloid Leukemia

ブリストルマイヤーズ・スクイブはエピジェネティクス制御薬CC-486を急性骨髄性白血病の寛解期にある成人患者の維持療法として承認申請を提出、FDAはこれを優先審査とした。

2020/03/23

BCL-2阻害薬とDNAメチル基転移酵素阻害薬の併用によるAML治療

03/23 AbbVie, BCL-2 inhibitor, AML
AbbVie Announces Positive Topline Results from Phase 3 Trial of VENCLEXTA® (venetoclax) in Combination with Azacitidine in Patients with Acute Myeloid Leukemia (AML)

アッヴィは急性骨髄性白血病患者を対象にBCL-2阻害薬ベネクレクスタ(一般名:ベネトクラックス)とDNAメチル基転移酵素阻害薬アザシチジン(製品名:ビダーザ)を併用したフェーズ3試験の良好なトップライン成績を発表した。独立モニター委員会の勧告および事前に規定した中間解析における基準(全生存期間)が達成されたことから、臨床成績を早期段階でFDAに提出する予定である。

2020/03/12

EC、治療歴の無い慢性リンパ性白血病患者の治療法としてVENCLYXTO 併用療法を承認

EC が、前治療歴の無い成人の慢性リンパ性白血病(CLL)患者の治療法として、アッヴィのVENCLYXTO (一般名:べネトクラクス)+obinutuzumab の併用療法を承認した。本承認は、EU 全27 加盟国、およびアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー及び英国で有効である。EC 承認は3 月9 日で、英国 の承認はEU 離脱に関わる1 年間の移行期間の処置である。
承認の根拠としたCLL14 試験では、 German CLL Study Group との共同作業の下、併存疾患があり(累積疾患評価尺度のスコアが6 超またはクレアチニンクリアランス 70 mL/min 未満)、未治療のCLL 患者を対象に、べネトクラクス+obinutuzumab 併用レジメン(n=216)の有効性および安全性をobinutuzumab+クロラムブシル 併用レジメン(n=216)との比較により評価をした。主要評価項目は、試験担当医師の評価に基づくPFS、重要な副次評価項目は、末梢血中および骨髄中の微小残存病変陰性、奏効率および完全奏効率であった。

参考

米国ではFDAが慢性リンパ性白血病(CLL)を適応症として2016年4月に初回承認し、2018年11月には化学療法不適応の急性骨髄性白血病(AML)新規患者に対する治療薬として加速承認している。

2019/12/10

遺伝子低メチル化剤CC-486による急性骨髄性白血病の維持療法

  • Bristol-Myers Squibb Presents Overall Survival and Safety Data From Pivotal CC-486 Study QUAZAR AML-001 (ブリストルマイヤーズ・スクイブがCC-486の申請用臨床試験から全生存期間と安全性に関するデータを発表した)
  • CC-486はエピジェネティック作用を有する遺伝子低メチル化剤である。新たに診断され集中的な導入化学療法により症状が緩和した急性骨髄性白血病(AML)患者の維持療法としてCC-486を一次選択薬として投与した。投与群238例とプラセボ群234例を比較した結果、全生存期間の中央値24.7か月はプラセボ群14.8か月に対してハザード比0.65(95%CI:0.55,0.81) p=0.0001となった。