成人の「中等度~重度の活動性潰瘍性大腸炎」および「中等度から重度のクローン病」の治療薬として、標準療法(ステロイド、免疫抑制剤、または抗TNF-α抗体)による治療で管理不十分な症例を対象として承認された。➔FDAリリース
ENTYVIO(一般名:vedolizumab)はα4β7 integrinに対するヒト化モノクローナル抗体である。α4β7 integrin は潰瘍性大腸炎やクローン病の炎症発生の段階に関与するとされる循環白血球のサブセットに発現し、消化管の血管やリンパ節に特異的に存在する細胞接着分子に結合して炎症反応を引き起こす。ENTYVIO はα4β7 integrin に特異的に結合し、α4β7 integrin の細胞接着分子への結合を阻害し、特定のリンパ球の消化管細胞への浸潤を阻害する。
潰瘍性大腸炎は米国で62万人が罹患している慢性疾患で、大腸の内璧での炎症と潰瘍に起因し、慢性炎症性腸疾患の主要な2 疾病の1 つである。炎症は、腹部の不快感、消化管出血および下痢を誘発する。クローン病は、あらゆる消化管の部位で炎症、あるいは膨化および刺激の原因になる慢性の炎症性疾患で、米国では50万人以上の患者がクローン病と診断されている。
PAR 欧州医薬品庁EMAの審査は承認申請(2013 年3 月)から1年で順調に進み、2014年3 月のCHMP 定例会議において承認勧告を受けている。欧州委員会ECの承認を待つ最終段階。