2014/06/18

関節リウマチ治療薬ゼルヤンツ(XELJANZ)が2年間の単独投与試験「Oral Start」を終了、好成績をNEJM誌に掲載

ファイザーのJAK 阻害剤ゼルヤンツ(XELJANZ、一般名:tofacitinib)は24ヶ月間単独投与試験で関節破壊の進行抑制と関節リウマチ症状の軽減が確認され、その有効率は対照薬メソトレキサート(methotrexate、MTX、国内製品名リウマトレックス)を大きく上回ったとNew England Journal of Medicine (NEJM) 誌6月19日号で発表した。

投与開始後6ヶ月時点でのACR70達成率は5mg錠1日2回投与で25%、10mg錠1日2回投与では38%と、いずれもメソトレキサート単独投与での達成率12%を大きく上回った(P<0.001)。

「ORAL Start試験」はMTX治療歴のない中等度から重度までの活動性関節リウマチ患者を2年間という長期にわたって観察する第3 相試験である。現在承認されているXELJANZの適応症では、「MTX治療歴のない」患者は適応外とされている。➔ ファイザー発表

PAR ゼルヤンツがFDA承認を取得した2012年11月の時点では、「注射剤の抗体医薬ヒュミラに匹敵する有効性を経口投与で実現する分子標的薬」という位置づけで、月間2055ドル(20万円)という高額の価格設定も抗体医薬に匹敵するものだった。一方でファイザーは、「承認されればDMARDとしては10年ぶりの新薬になる」とも述べていた。長期的にはメソトレキサートなど市場の裾野が広いDMARDs(疾患修飾抗リウマチ薬)との競合も視野に入れているようだ。今後の価格設定に注目が集まる。