2014/11/16

オプジーボ、悪性黒色腫を対象とした第3相試験で生存率を改善

未治療のBRAF野生型進行悪性黒色腫(メラノーマ)を対象として、ブリストルマイヤーズ・スクイブ(BMS)/小野薬品工業の抗PD-1抗体オプジーボ(一般名:ニボルマブ)と化学療法剤ダカルバジン(略名:DTIC)を比較した第3相試験(Checkmate-066試験)の結果がNEJM誌および黒色腫研究学会国際会議2014で発表された。

418例をオプジーボ群(3mg/kg、2週に1回投与)とDTIC群(1,000mg/m2、3週に1回投与)に無作為に割り付けた。DTIC群の38%は、治療中止後にヤーボイ(一般名:イピリムマブ、CTLA-4を標的としたモノクローナル抗体)の投与を受けた。

生存期間(OS)中央値は、オプジーボ群では未到達、DTIC群では10.8ヵ月(95%CI: 9.3-12.1)、1年生存率はオプジーボ群73%(95%CI: 66-79)、DTIC群42%(95%CI: 33-51)で、オプジーボ群で死亡リスクが58%軽減され(ハザード比0.42、P<0.0001)、良好な成績が得られた。

参考: 欧州医薬品庁(EMA)は9月26日付でオプジーボの非小細肺癌(NSCLC)に対する販売承認申請(MAA)を受理した。PD-1阻害剤の肺癌に対する承認申請としては世界初となる。米国ではNSCLC、メラノーマ、腎細胞がん(RCC)に関して2013年4月にFDAのファストトラック指定を受け、今年(2014年)4月に肺扁平上皮癌を皮切りにローリング申請を開始した。9月には「治療歴を有する進行期悪性メラノーマ」を適応症とする承認申請が優先審査対象として受理され、PDUFA に基づく審査期限は2015 年3 月30 日に設定された。