第一三共が開発したファクターXa阻害剤の抗血液凝固薬SAVAYSA(一般名:エドキサバン)をFDAが承認した(22015年1月8日)。適応症はFDA諮問委員会の承認勧告(2014年10月30日、リンク➔ par news)にそって「非弁膜症性心房細動患者における脳卒中(SPAF)及び全身性塞栓症(SE)のリスク低減」及び「静脈血栓塞栓症(VTE)(深部静脈血栓症及び肺塞栓症、DVT/PE)の治療」となった。ただし、「クレアチニン・クリアランスが95以上」の患者では他の抗凝固薬を選択するよう指示された。1月9日の株価急落(-5%)はこの黒枠警告に反応したようだ。
クレアチニン・クリアランス(ml/min)の正常範囲は男性90-120、女性80-110だが腎機能障害などにより低下する。SAVAYSAを処方する医師はクレアチニン・クリアランスを事前に測定することが義務付けられ、正常値の場合はその患者に投与できなくなる。非常に不思議な指示である。先行して発売されているベーリンガーのPRADAXA(日本名:プラザキサ)やバイエルとJ&Jが共同販売するXAELTO(日本名:イグザレルト)で腎機能が問題とされたことはなかった。
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