2位はコレステロール低下剤としてサノフィがリジェネロンと共同開発しているPCSK9阻害剤の抗体医薬「アリロクマブ」alirocumabで予想は44億ドル(5200億円)。同様のPCSK9阻害剤で先行して申請段階にあるアムジェンの「エボロクマブ」evolocumabについては18億ドル(2100億円)と一段低い予想となっている点が興味深い。
PCSK9阻害剤の開発競争ではアムジェンが先陣を切って昨年(2014年)8月にFDAに申請、ほぼ同時にサノフィを特許侵害で提訴している。日本ではアステラス製薬との合弁子会社「アステラス・アムジェン・バイオファーマ」が2015年3月に承認申請した。
実は、臨床段階ではサノフィ陣営が大きく先行していた。2011年のAHA(米国心臓病学会)ではアリロクマブのフェーズ2の好結果が発表されて注目を集めたが、エボロクマブはその時点ではまだP1段階だった。このような経緯から、「学会での認知度に差があり、これから市場浸透の段階で逆転が見込まれる」、という予想なのか(?)注目したい。
実は、臨床段階ではサノフィ陣営が大きく先行していた。2011年のAHA(米国心臓病学会)ではアリロクマブのフェーズ2の好結果が発表されて注目を集めたが、エボロクマブはその時点ではまだP1段階だった。このような経緯から、「学会での認知度に差があり、これから市場浸透の段階で逆転が見込まれる」、という予想なのか(?)注目したい。
3位以下は次の通り: LCZ-696(ノバルティス、慢性心不全、37億ドル)、イブランス(ファイザーpalbociclib、乳がん、27億ドル)、ルマカフトール(バーテックス、嚢胞性線維症、27億ドル)、ヴィエキラ・パック(アッヴィ、C型肝炎、25億ドル)、エボロクマブ(アムジェン、高コレステロール血症、18億ドル)、ガーダシル9(メルクMSD、HPVワクチン、16億ドル)、ブレクスピプラゾール(大塚製薬、統合失調症、13億ドル)、Toujeo(サノフィ、時効型インスリン、12億ドル)、セクキヌマブ(ノバルティスCosentyx、乾癬、10億ドル)
選出された11品目のうち7品目が抗体医薬、ペプチドホルモンなどの「バイオ医薬品」だった。のこる「低分子医薬品」4品目のなかではノバルティスの慢性心不全治療薬LCZ-696が最も注目される。世界初のネプリライシン(NEP)阻害剤で、hANPなどの利尿ホルモンを分解する酵素(NEP)を阻害して心臓ストレスを軽減する。大塚製薬の主力品「エビリファイ」の後継品として非常に重要な「ブレクシピプラゾール」も選出されていたが予想は13億ドルにとどまった。年間50億ドル(6000億円)を超えていたエビリファイの米国特許は今年5月で満了となる。
(参考) par library ➔ 市場分析
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