2015/05/07

大日本住友製薬と武田薬品が統合失調症治療薬「ラツーダ」の欧州における提携を解消

武田薬品は大日本住友製薬の非定型抗精神病薬「ラツーダ」(Latuda、一般名:ルラシドン)に関して、2011年3月に欧州における共同開発・独占販売契約を締結、2014年3月に欧州医薬品庁(EMA)の承認を取得し、発売したばかりだった。発売初年度の売上げは低調で開示基準に達していなかった模様。

ラツーダは大日本住友製薬が創製した非定型抗精神病薬であり、ドーパミン2、セロトニン2A、セロトニン7の各受容体に対してアンタゴニストとして作用し、セロトニン1A 受容体にはパーシャルアゴニストとして作用する。米国では大日本住友製薬の子会社サノビオンが2011年に発売し、投与患者数は累計100万人を超えたと推定される。

(参考) 大日本住友製薬が2013年度に計上したラツーダの世界売上げは422億円だった。国内では第Ⅲ相臨床試験「PASTEL」が不調に終わり、承認申請を見合わせている。武田薬品は国内では関与していないが今後の海外戦略を見直す気運となったようだ。

統合失調症治療薬は2012年にセロクエル(AZ)、ジプレキサ(リリー)といった大型製品が米国で相次いて特許終了となり、市場規模は激減した。2014年に58億ドル(7000億円)を売上げた最大製品のエビリファイ(大塚製薬)にも今月(2015年5月)からジェネリック製品が参入している。

[リンク] 統合失調症 市場動向 ➜ 新薬開発