追加申請は2016 年9月2日に提出され、FDA は優先審査品目として受理した。2016 年6 月には「白金製剤を含む化学療法による治療中または治療後に病勢が進行」、または「白金製剤を含む化学療法による術前または術後の補助療法から12 ヵ月以内に病勢が進行」した、局所進行または転移性の尿路上皮癌を対象としてBreakthrough Therapy に指定されていた。
第2相、多施設、非盲検、単群、臨床試験であるCheckMate-275 試験は奏効率(ORR)を主要評価項目とし、患者の19.6%(95%CI:15.1 - 24.9; 270 例中53 例)が、オプジーボによる治療に奏効を示した。完全奏効を達成した患者割合は2.6%(270 例中7 例)、部分奏効達成患者の割合は 17%(270 例中 46 例)であった。奏効例において、奏効期間の中央値は10.3 ヵ月(範囲:1.9+~12.0+ヵ月; +は打ち切り値)であった。奏効までの期間の中央値(TTR)は 1.9 ヵ月(範囲: 1.6~7.2 ヵ月)であった。被験者の年齢の中央値は66 歳(範囲:38~90 歳)、患者の 29%が本試験への登録前に 2 種類以上の全身療法を受けていた。本試験において、患者は PD-L1 の発現状態に関係なく組み入れられた。本試験データは、2016年欧州臨床腫瘍学会で発表された。
参考:PD-1/L1阻害剤の適応症として「膀胱がん」が認められるのはロシュのPD-L1阻害剤テセンテリク(一般名:アテゾリズマブ)に続いて、オプジーボが2剤目となる。テセンテリクは「進行性膀胱がん」が初回承認(2016年5月)、つづいて10月に「転移性非小細胞肺癌の二次療法」が承認されている。PD-1/L1阻害剤による膀胱がん治療は他にも、ダーヴァルマブ(アストラゼネカ)が昨年12月に申請(初回)、キートルーダ(メルク)とアヴェルマブ(独メルク/ファイザー)はフェーズIII段階にある。