2017/06/23

FLT3を含むマルチキナーゼ阻害剤RYDAPT(一般名:ミドスタウリン)の急性骨髄性白血病(AML)第3相試験成績

ノバルティス が開発中のRYDAPT(一般名:midostaurin)の第3 相RATIFY [CALGB 10603 (Alliance)]試験の完全解析結果がNEJM 誌に掲載された。本試験の最新データ(TLD)は以前に2015 年米国血液学会年次総会の総会会場で発表されている。
RYDAPTは、FLT3、KIT を含むマルチキナーゼ阻害剤で、多くの細胞にとって必須のプロセスを制御し、癌細胞の成長および増殖を阻害する。
NEJM 誌に発表された新たな有効性データは下記の通り。
1) 全生存期間(OS);標準シタラビン+ダウノルビシン導入療法、およびシタラビン の地固め化学療法との併用療法において、RYDAPT群は、プラセボ群に比べて死亡のリスクを22%軽減し、OSを顕著に改善した。RYDAPT 群の (OS)は74.7 カ月(95%CI, 31.5-未達) に対してプラセボ 群のOS は25.6 カ月(95%CI, 18.6-42.9)(片側検定log-rank、p=0.009, HR=0.78)を示し、約3 倍生存期間を延長させた。4 年目の時点で、RYDAPT 群の生存率は51.4%であったのに対して、プラセボ群の生存率は44.3%であった。
2) 無イベント生存率(EFS);RYDAPT 群のEFS の中央値は8.2 カ月(95%CI, 5.4-10.7)に対して、プラセボ群は3.0 カ月であった(95%CI, 1.8-5.9)(片側log-rank 検定 p=0.002, HR=0.78)。
3) 無病生存期間(DFS);プラセボ群に比べて、RYDAPT群のDFS はより延長された [26.7 カ月(95%CI, 19.4-未達) vs. 15.5 カ月(95%CI, 11.3-23.5), p=0.01]。
4) 完全寛解(CR);治療開始60 日以内に報告されたCR は、RYDAPT群58.9%、プラセボ群53.5%(p=0.15)であった。

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