2017/07/07

5 歳以上の鎌状赤血球病患者の合併症軽減剤としてFDAがENDARI を承認

FDA は、5 歳以上の小児および成人経口の鎌状赤血球病患者の血液障害を伴う重症合併症の軽減剤としてEmmaus Medical Inc.のENDARI(L-グルタミン)を承認した。鎌状赤血球病患者の治療薬として過去20 年間で最初の承認薬となった。
鎌状赤血球病は、赤血球が鎌状を呈する遺伝性の血液疾患である。血液の流れが乱れ、身体の組織への酸素供給が制限されて、激しい痛みや臓器の損傷をもたらす。NIH によれば、米国には約10 万人の患者がおり、アフリカ系アメリカ人、ラテン系およびその他の少数民族系に頻繁に発生する。
ENDARIは、酸化の主要な調節作用で知られる補酵素nicotinamide adenine dinucleotide(NAD)の酸化還元電位を改善することにより、赤血球の酸化的損傷を軽減するとされている。承認認申請の根拠は、12 ヵ月以内に2 回以上の痛みを伴う鎌状赤血球病(クライシス)を発症、鎌状細胞貧血あるいはsickle β0-thalassemia を発症している5 歳〜58 歳の患者230 人を登録した、無作為化、二重盲検、placebo 対照、多施設の第3 相臨床試験の結果である。48 週間の継続評価においてENDARI 群はplacebo 群に比べて麻薬あるいはKETROLAC による疼痛治療のための通院回数が少なく(通院回数中央値3 回vs, 4 回)、入院回数も少なく(中央値2 回 vs. 3 回)、入院期間もより短期であった(中央値6.5 日 vs. 同11 日)。また、生命に関わる重篤な急性胸部症候群の発現がより低率であった(8.6% vs. 23.1%)。