優先審査の根拠となったOlympiAD 試験は、BRCA1またはBRCA2遺伝子変異のあるHER2陰性転移性乳癌患者302人を対象とした、無作為化、オープンラベル、多施設共同、第3相臨床試験である。オラパリブ(300mg 1日2回投与)の有効性および安全性を、試験担当医師が選択した化学療法(21日を1サイクルとしてカペシタビン、エリブリン 又はビノㇾルビンの何れか1 剤)と比較した。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目は全生存期間(OS)、2 次進行(または死亡)までの期間(PFS2)、奏効率(ORR)および健康関連の生活の質(HRQoL)であった。
主要評価項目のPFS 延長を達成し、病勢進行または死亡のリスクを42%減少したことが示された [ハザード比(HR)= 0.58; 95%CI 0.43-0.80; p=0.0009; 中央値7.0 ヵ月vs. 4.2 ヵ月]。副次評価項目のPFS2 に改善が認められ(HR=0.57; 95% CI: 0.40-0.83)、奏効率(ORR)は、化学療法群の28.8%に対して、オラパリブ群は59.5%であった。