2017/12/18

腎細胞癌に対するTECENTRIQ とアバスチン 併用第3 相試験の成績(2017/12/11)

 ロシュ/ジェネンティック/中外製薬は、未治療の局所進行又は転移性腎細胞癌患者を対象にした第3 相、国際共同IMmotion151 試験において、TECENTRIQ (一般名:atezolizumab)とアバスチン(一般名:ベバシズマブ)の併用療法がスーテント(一般名:スニチニブ)と比較して、PD-L1 を発現している癌患者において無増悪生存期間(PFS)を統計学的に有意に延長したと発表した。
 IMmotion151 試験は915人の患者をグローバルに登録し、TECENTRIQ+アバスチン 併用(併用群)とスニチニブ 単剤投与(単剤群)の2 群に無作為に割り付けた、第3 相、多施設、オープンラベル試験である。これまでに全身性の治療を受けておらず、臨床試験にも参加した経験の無い未治療の、切除不能、局所進行または転移性腎細胞癌患者を対象に、TECENTRIQ とアバスチンの併用療法の有効性と安全性をスニチニブ 単剤療法と比較検討した。
 試験開始前に予め規定していたサブグループ解析結果から、リスク因子により層別化した全患者グループ(低・中・高リスク)において、PD-L1 の発現が認められる患者では併用群がスニチニブ単剤群に比べて、良好であることが示された。主要評価項目とした、全患者における全生存期間(OS)については解析に必要なイベント数に未達であったため、副次評価項目と共に、引き続き検証を継続していく。
 TECENTRIQは、米国で2016 年5 月に「局所進行または転移性尿路上皮癌の2 次療法」に対して加速承認を受け、同年10月に「白金ベースの化学療法施行中または施行後に病勢が進行した転移性非小細胞肺癌」に対して承認済みで、2017 年4 月に「白金ベースの化学療法が不適な局所進行または転移性尿路上皮癌の1 次療法」が加速承認されている。EU では2017 年9 月に「局所進行または転移性尿路上皮癌の2 次療法」、および「白金ベースの化学療法施行中または施行後に病勢が進行した転移性非小細胞肺癌」、ならびに「白金ベースの化学療法が不適な局所進行または転移性尿路上皮癌の1 次療法」に対して承認を取得している。

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