2018/01/31

r/r ALL 小児・若年成人患者におけるCAR-T 療法KYMRIAH による完全奏効の長期間持続

 ノバルティスのKYMRIAH(tisagenlecleucel、旧名CTL019)を、再発性または難治性(r/r)B 細胞急性リンパ芽球性白血病(ALL)の小児および若年成人を対象に評価したピボタルELIANA の臨床試験の最新結果がNew England Journal of Medicine (NEJM)誌に掲載された。
 第2 相ELIANA 試験(NCT02435849)は、CAR-T 細胞療法の申請用臨床試験で、米国、カナダ、EU、オーストラリア、日本において合計25 施設が参加し、ノバルティスがペンシルバニア大学、並びにフィラデルフィア小児病院(CHOP)と共同で実施したシングルアーム、オープンラベル、国際共同、多施設臨床試験で、92 人を登録し75 人にインフュージョン投与がなされた。
 被験者の治療歴の中央値は3 レジメン、61%が同種異系の血液幹細胞移植を受けていた(AlloSCT)。r/r B 細胞ALL 患者の年齢の中央値は11 歳(3-23 歳)で、骨髄中のリンパ芽球は>5%であった。試験の主要評価項目は完全奏効率で、投与後3 カ月以内の完全奏効(CR)および血球数が完全に回復していないが完全奏効(CRi)からなる最良奏効率(Best Overall Responses)と規定された。副次評価項目は、微小残存病変が検出されないCR/CRi、奏効期間、イベントフリー生存、全生存、細胞動態、および安全性であった。
 CAR-T 細胞を静脈内投与された75 人について、3 カ月またはそれ以上のフォローアップの中央値13.1 カ月の時点で、KYMRIAH は、全奏効率81%(95%CI; 71% - 89%; p<0.001)、完全奏効(CR)達成率60%、血球数の回復が不完全な完全奏効(CRi)を21%の患者が達成し、全ての患者 [28 日後95%(58/61)]において微小残存病変(MRD)は検出されなかった。
 KYMRIAH は20 カ月後まで患者の血中に検出された。24%の被験者が外来患者としてインフュージョンを投与された。当該疾患が急性で進行が速いため、病勢の進行のために17 人の患者が試験を中止せざるを得なかった。CAR-T 細胞の製造上の問題で7 人に投与できなかったが、うち大部分の6 人は細胞増殖が不良で製造が不調に終わったことによる。

Link » ノバルティス