2018/01/03

ファイザーとメルクが共同開発したSGLT2阻害薬の2型糖尿病治療薬エルツグリフロジンをFDAが承認(12/22)

 エルツグリフロジンの販売名は単剤がステグラトロ(STEGLATRO)、DPP-4阻害薬シタグリプチン(販売名:ジャヌビア)との合剤がステグルジャン(STEGLUJAN)となった。ファイザーとメルクの共同販売となるが、米国ではメルクが単独で販売促進し、売上高の40%をファイザーが計上する。
 FDAの承認を取得したSGLT2阻害薬としては、カナグル(INVOKANA、2013年発売、ヤンセン/田辺三菱)、ファシーガ(FARXIAGA、2014年発売、アストラゼネカ/BMS)、ジャディアンス(JARDIANCE、2014年発売、リリー/ベーリンガーインゲルハイム)についで4番手である。先行品の2016年のグローバル売上高を各社の決算発表で見ると、カナグル が17億㌦(1900億円)、ファシーガは 8億㌦(900億円)、ジャディアンス は2億㌦(200億円)だった。
 DPP-4阻害薬とSGLT-2阻害薬の併用が定着し、合剤の開発も進んできた。FDAはリリーとベーリンガーインゲルハイムが提携して開発したグライザンビ(Glyzambi)が2015年2月、アストラゼネカのキューターン(Qtern)を2017年2月に承認している。エルツグリフロジンはファイザーが開発したSGLT-2阻害薬であるが臨床試験の初期段階からメルクとの共同開発となった。DPP-4阻害薬として最大の7000億円を売り上げるジャヌビア(メトフォルミン合剤Janumetを含む)を擁するメルクが参入してSGLT-2阻害薬の市場が激変すると予想される。カナグルを追い抜いて3000億円を超える売上を実現する可能性は十分と思われる。