2018/01/15

武田がTiGenix社を買収し、消化器領域の開発パイプラインおよびリーダーシップを強化(1/5)

 タイジェニクス社(TiGenix NV)は、重篤な疾患に幹細胞を使用した新治療薬の開発を進めているベルギーの先進的バイオ医薬品企業である。武田薬品はタイジェニクス社にとって望ましい任意の公開買付けを実施するための「オファー・サポート契約」を締結したと発表した。武田薬品とタイジェニクス社は2016 年7 月に新薬候補Cx601 について、米国外の独占的開発・販売権に関する契約を締結しており、本買収は「消化器系疾患患者に新たな治療の選択肢を提供する」ために既存の提携を発展させるものでる。
 Cx601は病変内に注入する同種異系の脂肪由来幹細胞の懸濁剤である。少なくとも1 つの従来の治療法、あるいは生物学的製剤による治療に奏効しなかった非活動期/軽度活動期クローン病に伴う肛囲複雑瘻孔を対象とする。肛囲複雑瘻孔は、激痛、感染症、失禁を伴うこともあり、治療は困難で患者のQOL に深刻な影響を及ぼす症状である。
 欧州医薬品庁(EMA)医薬品委員会(CHMP)は2017 年12 月15 日にCx601 の販売承認を勧告している。米国では国際共同臨床第3相試験が開始されている。