ロシュの抗PD-L1 抗体テセントリク(一般名:アテゾリズマブ)と化学療法を併用して、進
行扁平上皮非小細胞肺癌に対する1次療法として実施中の第3相IMpower131試験において、テセントリク と化学療法の併用療法が主要評価項目の1 つである病勢進行または死亡リスク(PFS)を軽減した。
第3 相IMpower131 試験は、化学療法未治療でStage IV の扁平上皮非小細胞肺癌を対象とし、テセントリクとカルボプラチンおよびアブラキサン(アルブミン懸濁型パクリタキセル;nab-PTX)(B群)、またはテセントリク とカルボプラチン およびパクリタキセルの併用療法(A群)と、化学療法(カルボプラチンおよびnab-PTX の併用:C群)単独の有効性および安全性を比較する、オープンラベル多施設共同無作為化第3 相臨床試験である。本試験では1,021 人が登録され、1:1:1 の3 群に無作為に割り付けられた。本試験の主要評価項目は、① 試験担当医師がRECIST v1.1 により評価したITT 集団におけるPFS(B 群vs. C 群)と、② ITT 集団におけるOS(B 群 vs. C 群)である。今回の解析は、B 群 vs. C 群で実施し、PFS を達成した。
テセントリク と化学療法の併用療法は、化学療法単独群に対し、主要評価項目の1 つであるPFS を29%低下させた(PFS 中央値=6.3 カ月 vs 5.6 カ月; HR=0.71; 95%CI: 0.60-0.85; 層別log-rank 検定p<0.0001)。12 カ月PFS 率は、C 群の12.0%に対し、B 併用群では24.7%であった。今回の中間解析時点で、統計学的に有意なOS の延長は観察されておらず、試験は計画どおり継続する。