初回手術後の進行卵巣癌(stage III またはIV)に対するロシュのアバスチン(一般名:ベバシズマブ)と化学療法(カルボプラチン+パクリタキセル)の併用後に、アバスチンを単独で継続投与する治療法について、FDA が承認した。承認申請の根拠は第3 相GOG-0218 試験結果に基づいている。
本試験は、多施設、無作為化、二重盲検、プラセボ対照第3 相試験で、1,873 人の前治療歴の無いステージIII またはIV の上皮性卵巣癌、卵管癌、または原発性腹膜癌女性患者で、既に可能な限り腫瘍の切除を目指した手術を受けていた。被験者は無作為化され、3 アームの何れかに割付けられた。3 アームは、①化学療法単独療法(カルボプラチン+パクリタキセル)、②アバスチン(15 mg/kg+化学療法)併用後プラセボに切り替えて治療を継続、③アバスチン+化学療法の併用療法後、アバスチン 単剤療法を合計22 サイクル継続。
主要評価項目は、試験担当医師が判定した無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目は、全生存期間(OS)などである。 試験はGynecologic Oncology Group (GOG)の主導で進められ、最初のデータはNew England Journal of Medicine 誌に掲載済みである。
アバスチン と化学療法の併用後にアバスチン を単独で継続した群の無増悪生存期間(PFS)の中央値は18.2 カ月であり、化学療法単独群の中央値の12.0 カ月に比べ統計学的に有意な延長が認められた(主要評価項目、HR=0.62、95%CI:0.52-0.75、p<0.0001)。このPFS 延長は、アバスチンを最大22 サイクル投与する治療で達成された。
➔ 卵巣がん、Roche、VEGF阻害薬