2018/06/18

FDA 長官、ASCO2018 年次総会で、抗癌剤の審査方法の試行プログラムや薬価抑制策を紹介(6月2日)

シカゴ で開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO2018)で、抗癌剤開発に関して現在FDA が取り組んでいる施策として以下を紹介した。
(1)精密医療の推進に関して、ALK 遺伝子融合、EGFR 突然変異、マイクロサテライト不安定性またはミスマッチ修復欠損などの分子異常に基づく抗癌剤開発が注目される。
(2)科学技術における新薬開発の機会を活用するために、審査手順を創出する必要がある。FDA は既に、複数の分野に分かれている抗癌剤の承認審査を統合したOncology Center of Excellence(OCE)を設立している。
(3)2017 年には、2 つのCAR-T 細胞療法を含む16 の新規抗癌剤を承認し、更に、2 つのバイオシミラー含む30 の新効能を追加承認した。
(4)ミクロサテライト不安定性の評価を利用することにより、癌種横断的治療薬開発が可能になった。
(5)抗癌剤のトランスレーショナルリサーチの重要性を理解したうえで、開発期間を如何に短縮して患者に届けるか、CDER を中心に規制面での合理化に取り組んでいる。
(6)OCE を中心に、新しい審査プロセスとしてパイロットプログラムreal-time oncology review (RTOR)を、既に承認された抗癌剤の効能拡大の申請の多くに適用している。
(7)薬剤費の削減に関しては、医薬品販売の独占期間を短縮して、後続医薬品を市場に登場させ競合状態を高めることもコスト削減策の1 つと考えられる。