小野薬品は、米国San Diego に拠点を置くFate Therapeutics(Fate)と、癌を対象としたiPS 細胞由来同種異系(他家)細胞療法の創製を目的に戦略的創薬提携契約を締結したと発表した。Fate は研究資金の提供を受け、同社の独自開発のiPS 細胞技術基盤を使って小野薬品が選択した2 つの創薬標的に対するiPS 細胞由来他家CAR-T 細胞療法を創製する。
1 つ目のCAR-T 細胞療法;血液癌を対象として、小野薬品はアジアにおいて、Fate はアジア以外の地域で開発・商業化を行う権利を保有している。
2 つ目のCAR-T 細胞療法;固形癌を対象に、小野薬品は全世界を対象に独占的に開発・商業化の権利を保有するが、Fate は欧米における共同開発・共同販売のオプション権を保有する。本契約から創製される2 つの製品は共にFate が製造の責任を負う。
Fate のiPS 細胞製品の技術基盤:既存の抗癌剤との併用を含め、より効果的な薬理活性を達成するために繰り返し投与することが出来る、均一で改変された他家細胞製品の大量生産を目指している。また、ヒトiPS細胞の遺伝子改変やクローン化したマスターiPS 細胞株の確立などの技術や経験を有している。