2018/09/14

アストラゼネカの抗CD22抗体LUMOXITI (moxetumomab)をFDAがヘアリー細胞白血病治療薬として承認(9月14日)

FDA は、アストラゼネカとMedImmune が開発中のLUMOXITI(moxetumomab pasudotox-tdfk)を2 回以上の全身療法の前治療歴の有る、再発または難治性(r/r)ヘアリー細胞(毛状細胞)性白血病(HCL)の成人患者の治療薬として承認した。first-in-class の新HCL 治療薬LUMOXITI の承認は、20 年振りである。
LUMOXITIは、短縮型細菌毒素と抗CD22 抗体のCD22 結合部分からなる抗CD22 指向細胞トキシンの融合蛋白で、B 細胞の細胞表層のCD22 に結合して細胞内に内在化し、毒素はタンパク質合成を阻害し、最終的にアポトーシスを誘発する。
LUMOXITI の創薬・研究開発は、国立癌研究所(NCI)によって進められ、以後の開発はMedImmune とNCI と提携契約の下で進められた。官民の科学的パートナーシップが癌治療に重要な進歩をもたらした好例として特記される。
承認申請の根拠となった1053'試験は、上前治療歴の有るr/r HCL 患者におけるmoxetumomab pasudotox 単剤療法の有効性、安全性、免疫原性および薬物動態を評価する、シングルアーム、多施設、第3 相臨床試験である。14 カ国、34 施設の参加の下に80 人の患者を登録して実施された。主要評価項目の完全奏効 (180 日以上の血球数の正常化) 率は30%であった。副次評価項目は、奏効率(ORR)、無再発生存期間(RFS)、無増悪生存期間(PFS)、奏効までの期間(TTR)、安全性、薬物動態および免疫原性能などである。

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