FDA は、75 歳以上の成人、あるいは強化化学療法が不適な可能性があり、他の慢性的な健康状態あるいは基礎疾患の有る、新たに診断された急性骨髄性白血病(AML)患者の治療薬として、ファイザーのDAURISMO(一般名:glasdegib)錠とシタラビン の低用量(LDAC)との併用療法を承認した。
glasdegib は、開発中の1 日1 回の経口薬で、Smoothened(SMO)受容体を阻害することによりHedgehog シグナル伝達経路を阻害する。Hedgehog シグナル伝達経路の異常な活性化は、固形癌や血液癌を含む複数の癌の発現に影響を及ぼすと考えられている。glasdegib は、何れの国の規制当局から未だ承認を受けていない。
申請は、無作為化、非盲検、多施設共同、第2 相BRIGHT 1003 試験結果に基づいている。この試験では、強力化学療法が適さない未治療のAML または高リスク骨髄異形成症候群(MDS)の患者111 人を対象に、glasdegib とLDAC の併用療法(n=77)とLDAC単独療法(n=34)を比較評価した。その結果、主要評価項目であるOS について統計的に有意な改善が示され、OS中央値は、glasdegib とLDAC の併用群で8.3 カ月、LDAC 単独群で4.3 カ月であった。この差は、glasdegib とLDAC の併用群における死亡リスクの54%の低下に相当する(HR: 0.46、95% CI: 0.30, 0.71、片側検定p 値=0.0002)。